表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

タイトル未定2025/01/01 10:57

 十畳の広い和室。簾が降ろされた帳の向こうで鏡台の前で、ただ白い背中が蠢く。身に纏われた着物は大きくはだけられ、上半身の着脱がない。

乾燥を懸念してこそだろう。指にすくわれたボディクリームが上半身に塗られていく。

 夕方というのに電気はつけられず、自然光だけが背中を映し出す。

「太夫、お掃除を」

 畳箒とちりとりを持って、さっと襖を開けてしまったのは、二十歳そこそこの少年の面影を残す青年であった。

 青年は、いまいち間が悪く、修羅場に遭遇することが多い。

「はっ……! すっすすすみません」

「あ………」

 青年は、ぽっと顔を赤らめて、視線をはずしいそいそと部屋に入りかけた足を引っ込め即座に襖を閉めた。

 ポカンとしていた「太夫」は、

武士(たけし)ッ…!」

と切なげに青年の名を呼んだ。


 武士は、駆け足で部屋から離れ廊下の一角で乱れた呼吸を整えた。胸をかきむしるような感覚に襲われる。

いくら女と見まごう美貌を持っていても相手は男なのだ。しかも相手は店の稼ぎ頭、三太夫の一人。

 武士はいやいやと首を振り、片手を頭にやった。道ならぬ相手。店の当主からも、きつく太夫との関わりをとめられているのだ。

 それなのになぜこんなにも惹かれるのか。

 武士は熱を持ちはじめた心を鎮めるため、賄い部屋で水をかぶった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ