昨今のコンプライアンスに配慮してみた勇者と魔王の決戦と必殺技
たらこくちびる毛さんの「本当は怖い必殺技の世界 ~リアルに想像するとヤヴァイ~」というエッセイを読んで降りて来たものを勢いで書きました。
凄くバカなお話です。
魔王城にて今、勇者と魔王の決戦が始まろうとしていた。
ローブを羽織った魔王は勇者がやってきたのを見るとゆっくりと玉座から立ち上がった。
「勇者よ。よく来たな。ここまでの道中ご苦労だった。まずは回復してやろう」
Point.まずはここまで足を運んできてくれたことに感謝の気持ちを伝え労いましょう。回復をしてあげると尚良いです。
「よし、それでは戦いの準備と行こうか、魔王」
「うむ」
ふたりは手分けして玉座の間にある窓を開け、入り口などを消毒した。
更に勇者は入り口をアルコールで消毒し、用紙に本日の体温などを記入していく。
Point.感染症が増えている時期です。消毒・換気などを適切に行いましょう。
そしていよいよ戦いが始まる。
「食らえ、我が闇魔法ヘルフレイム!!」
魔王が手から炎を放つ。
Point.ヘルフレイムは専門家の指導の下適切に発射されています。発射の際は周囲に延焼に繋がるものが無いか確認し撤去しています。また、火も勇者に当たると火傷を負わせる恐れがありショッキングな絵面になります。炎の射程は3cmまでとしています。
「やるな魔王!ならば勇者に代々伝わる剣技、タスクチャージを受けるがいい!!」
勇者は剣の切っ先を魔王に向け突撃する。
Point.先がとがったものを人に向けるのはよろしくありません。ただ、技の性質上相手に切っ先を向ける必要があるので安全に配慮して鞘を付けた状態で行います。鞘が外れるという事故を防ぐためにもワイヤーなどでぐるぐる巻きにして外れないように固定しておきましょう。
ゆっくりと走っていき放ったタスクチャージが魔王に当たる。
「よし、勇者よ。これで停戦としよう」
Point.平和の為にもなるべく早く停戦します。お互い憎みあって戦いが長引くことで多くの犠牲が出るのでそれは避けましょう。
そして……
間に仕切りを置いたテーブルで勇者と魔王は停戦会見を開いた。
Point.停戦が広く知れ渡る為にも会見は開きましょう。その際、パーテーションの設置は忘れないでください。
「えー、私勇者と魔王はここに停戦を宣言します。そもそも魔族という我々と少し違う見た目であるというだけで敵と定めて戦うのは偏見・差別的な表現であると捉えられる恐れがありますがそのような意図は一切ありません」
「また、今回の勇者との決戦ですが事前にアポイトメントを取り両者合意の上で行っております」
Point.アポイトメンとは取りましょう。いきなり魔王城に乗り込むのは失礼に当たります。場合によっては営業時間を過ぎており不法侵入になる可能性もありますので十分注意してください。
「それと併せてご報告なのですが……実は私勇者と魔王ですが。本日、市役所に婚姻届けを提出し、入籍をいたしました」
勇者と魔王がそれぞれ指にはめられた指輪を見せる。
魔王がローブを取るとそこにはおっとりとした感じの女性の姿があった。
「それでは引き続き、勇者と魔王の結婚記者会見に移りたいと思います。」