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VRネトゲで生きたい  作者: 苔生しゴーレム
1/1

げーむにまじならなくてどうすんの

ドロップ率と筋力上昇を極限に上げた装備で高額アイテムを掘り尽くす日々

拾ったアイテムは装備を買うでもハウジングをするでもなく俺、濱口のリアルに消える。

フルダイブ型VR、五感のすべてをゲーム空間に落とし込める、リアルを捨てる奴が多く

俺も新卒切符を無駄にし気晴らしにやり始めたら、就活もせずに6年生活維持のためのバイトとほぼVRゲームのために生きている。


「っは今日はこれぐらいでいいか」


今月の電気代と回線代にはまだ届かないがもう10時間も石を叩いている根を詰めても良くない、アイテム欄から転送のスクロール探してると通話が入る。


「おっさん今日の石掘りおわった?」


ロゴス、PVP1v1上位プレイヤーでリアルのアバターをいじらずにキャラクリした無整形勢

人気は高くそのルックスからCMや公式イベントによく出ている。


「あぁちょうど終わったが、まだ今月分の極濃魔晶はないぞ」


「今日話したいのはそれじゃなくてまーいいや、俺んち来てよ...じゃ」


一方的に通話を切られる


「これじゃどっかの仕事と変わらないわ」


ため息を付き「個人用]と書かれた分厚い本から転移スクロールを起動した。




よく想像される大きな屋敷の目の前に飛び出す、庭師やら衛兵、メイドなどのNPCが働いてるのを見ながらエントランスへ巨大なソファーに休めそうもない豪奢な甲冑を着た男が横になりながら「っよ」と挨拶する


「でなんだいきなり呼び出して」


「俺さぁーバレちゃったんだよね」


嫌な汗が出てくるこいつが俺にバレたって言うのはRMTのことだろう。


「どこのSNSだよ」


「SNSじゃなくて運営」と静かに答える。


ここの運営はEスポーツ要素を打ち出したときからRMTにとても厳しくなった。

先月も全1プレイヤーがその件で即BANされネット上では大いに騒がれた。

どっかりと対面のソファーに座り天井を見上げ。


「じゃあなんで俺もお前もBANされてないんだよ」


「俺さガルガンチュア、このゲームの顔やってたじゃん」


「確かに公演とか広告でリアルのお前ととそのアバターで気持ち悪いことやってたな」


「そうだからら一週間引退する猶予をくれたわけ」


「なるほどで、俺はなんでその通知が来てないんだよ」


「友達なので一緒に引退しまーすって伝えたんだよね」


「あほくさ、客とは思ったことあるが友達とは思ってないぞ」


「最近はリアルでお金のやり取りだったじゃん」


「厳しくなったからだろ!譲渡用のアカウントもつくってネカフェで物渡したのになんでバレるんだよ糞!だいたいなんでお前そんなすまし顔でいられるんだ!」


「正直飽きてたんだよねガルガンチュア、Eスポーツ力入れますとか言って強化素材とか絞るし競技ゲームじゃないのに競技性入れようとしたりで」


気持ちよさそうにゲームの不満について語る、自分のことしか考えないロゴスに中央の机を飛び乗り顔に蹴りをいれるブザーが鳴りラスメント行為への警告が出た。


「お前は顔売れてつまらないゲームやめれてよかったじゃん、で俺は?」

全く効いていない顔で体制を起こし座る。

「ビビったなぁもう、それを話したくて呼んだんじゃん。おっさんはリアルで生活したくないんだろリアルで会ったとき話したじゃん」


何回か金の受け渡しのためにこいつと会っている振り込みで良かったが要望で食費と交通費も払うとのことなので何度か会っている。おもにガルガンチュアの話だがリアルでの話もした。

「その時話したじゃんリアルで生活したくないけどリアルアバタ―使ってるのは俺のリアルはヴァーチャルにあるって、リアルでヴァーチャルの空気を感じたいって言ってた」

「その時何いってんだこいつとおもったけど最近あっそういうことなんだなって理解したんよ」

確かに言ったが4年ぶりに飲む酒でタダということもあり深酒して出た発言だ、こいつも酔っていたがよくそんなこと覚えてるなと感心し痛いことを言った自分に後悔した。


「だからもっと生きれるVRをやろう」

「生きれるって...今来てるVRはガルガンチュアしかないだろ」

「海外のSF物MMOなんだけどEvolution of GALACTICA知ってる?」


EoG、日本でサービスを展開していないがプレイ人数では世界一でリアルアタック以外はできるという話しか聞かない。

「2ヶ月分の生活費と自動翻訳つきVRデバイスを渡すからやるでしょ」


机から降り座り考える、もうガルガンチュアでRMTして稼ぐのはもう無理とというよりもこちらの方も飽きていた、収入の方も電気代回線代のほかはバイトで稼いでいる。

ガルガンチュアで石遊びするよりもましなのは確実か、それに2ヶ月分の生活費と最新式のVRデバイス全然ありだな。


「その移住案はのったけど全然EoGについてはしらないなにか情報サイトとか入れるコミュニティとかは?」

「先月BANされた全1プレイヤーがEoGに行ったんだよね友達だから教えてもらおうと思って」

ふとリアル時刻をみるとバイトに行く時間だったのでロゴスに別れを告げる。

ロゴスは一週間は円満引退するためにガルガンチュア内のコミュニティに顔を出したり忙しいようだ。



警備のバイトは立ちっぱなしという点で俺に丁度いい運動にもなる。

VRデバイスで遊ぶ時はベッドで寝たままが推奨だが本当に良いのはオムツを履いて宙吊りが最高だ、金持ちになると機器を揃えて水中でやるらしい。

俺はちょっと変則的にちょうど地面に足が乗るようにすると完全に支えられてるよりも負担がないがずっとたちっぱになるので運動も兼ねて警備のバイトやっている。

もっといい警備会社もあるが大手のバイトが多い会社なのでシフトを多く入れてくれなどのめんどくさい話が来ない。

休憩中公園で携帯をみるロゴスが引退するという話で各SNSで話題になって、ロゴス自身は大学受験に集中すると書いてあり惜しむ声が多く書かれている。

ガルガンチュアも公式で引退試合などを催しており大々的にスターの引退で終わらすようだ。批判はあまりないが先月と同じRMTじゃないのと言うやつもいてそこでは合戦になっていた。



家に帰り粛々と引退作業に入るがこれといってやることはないガルガンチュア内のフレンドも引退したやつかRMT始めたときに切ったものしかなくただ銀行の花壇の縁に座る。そういえばこいつの死に場所を決めてなかった。

感傷的になったのかどうかは知らないがガルガンチュアでの俺の死に場所を決めようふとそう思った。

行くとしたらエンドコンテンツのダンジョンログインしてないキャラをNPCとして使えるので、譲渡用のキャラも連れて行こう、久々にダンジョンアタック用の装備を装着し譲渡用のキャラも整えた。

どちらもカンストして装備も最高とは言えないが一線級のメタれる装備踏破はできないが死んだら終わりにしようと向かう。


世界の喉、ガルガンチュア最初のエンドコンテンツ初期の頃は入り口に露天や建物が立ち喉から膿栓村と呼ばれていた。

今ではここを経由しなくても良い装備が作れるため、維持費を払わないため崩れた建物が点々としている

4構造となっており質というよりは数でまた出てくるMOBは各雑魚上位種の混成で薙ぎ払いつつ前進して奥のギミックを破壊する。

首尾良くやらなければ全方位から湧きMOBの海に飲まれる。最後は範囲攻撃無効部位にHPが割り振られており同時に破壊しなければHP全回のボス。

俺は火薬を使うガンナーでサブキャラは召喚士、3までいけたらよくできましただろう。


扉を開け角笛が響く有象無象の壁が目を輝かせて空中、地上から光弾を発射したり肉弾で向かってくる

「硝煙弾雨」

スキルを使用してグレネードランチャーでMOBの壁に穴をあける、召喚士は硝煙を巻き上げる風のグレーターエレメントでアイテム運搬用のゴーレムと自分らを囲みエレメントを目標まで進ませる。

グレーターエレメントの攻撃で前に進みつつ視覚で探知しない奴らは多属性対応のレインボーバックショットで確実に前に進む。

ある程度倒したあとは召喚士のレイズデッドで死体を肉壁に前進を早める。使っている消耗品を考えたらこの一層だけで赤字だろう。

ギミック前まで前進し「硝煙弾雨」で一掃し火薬を積んだゴーレムに突っ込ませる耐久がなくなった銃を放り投げ新しい銃を構えスキル「アンチマテリアル」でゴーレムごとギミックである角笛を射抜く。

爆風と轟音で吹き飛ばされる、召喚士の方は無事だが運搬用のゴーレムが崩れてしまった。

「2層で終わるとこだったな」

散乱したアイテムを集めてこれからの攻略について考える。このパターンで2層までいって3層目でガチンコ勝負と行きたがったが詰めが甘くて荷物持ちとギミック破壊要員を損失した。

一回は戦える消耗品をアイテムボックスに入れてるがそれでも奥のギミックを破壊するのは難しいガンナーも召喚士も消耗品が尽きたら戦力は無いのと同じ。

ダンジョン出入り口に目を向ける

「あーそうか」

有象無象のMOBの死骸を触媒にかき集めレイズデッドで100体ごと次の階層に送りつける。

これで召喚士のMPと消耗品が尽きたがうまくやれば2層は攻略できる。

2層からは金属の音爆発音雄叫びが大音量で聞こえてくる。

メニューから乗り物欄を呼び出し車輪の中に座席があるバイクを取り出す召喚士を後ろに載せ

混沌とした戦場のなるべく戦線厚くない部分を選びつつ疾走する。

あまりの数に敵側は混戦にってはいるがレイズデットのアンデットだけでは時期崩壊する

ショットガンで撃ち倒しバイクで踏み倒す。

戦闘用の乗り物ではないので急速に耐久値が減っていく。

「流石に届かないか!」


倒れているブラッドオーガを踏み台にしてなんとか上空から発見して一撃で仕留め終わらす。

知覚上昇と暗視のポーションを飲み召喚士に耐久のポーションを飲ませ賭けにでる。

バイクは金切り声を上げブラッドオーガを踏み台にして飛んだ。青く輝く水晶のギミック向けて単発式のハンドガンを両手で捨てながら取り出し見えなくなるまで撃ち続けた。


バイクから投げ出されたが周囲のMOBが消えたことで成功したと気づく。

バイクの方をみると粉々になっており召喚士も死んでいた。

アンデット灰になり広大な空間に唯一人立っている。

「よく頑張ったな俺」

NPCの俺は死亡したため光を放ち消えた。

回復ポーション、バフポーションを使い切り移動系スキルを全開にして3層目に降りる。

3層目は降りるとフィールドど真ん中に落とされ間接攻撃をするMOBが多く弾幕をくぐり抜けて戦わないといけない。

初撃の一斉射撃をかいくぐりスキル使いできる限り早く接近する。敵の玉を誤爆させなるべくMPを温存しつつ敵を減らす。

すべて避けれるわけでは、リジェネレーションで回復できるようできるだけ連続で当たらないようにする。

遅いが高い誘導性能をもつ敵の弾をうまく誘導する、あと20発ためる。

ダメージ計算が正しければこいつをギミックに誤爆させれば壊れるはず。


リジェネ効果切れが先かMPが尽きるのが先か玉が貯まるのが先か。ただ無心に玉を避け続ける。

リジェネが切れたが玉も溜まった敵MOBに溜めた玉が当たらないように攻撃スキルを全開にし道を切り開く。

赤く点灯するHPとMP見ていたら焦るのでギミックだけに集中する死骸さえも邪魔なのでショットガンで蹴散らす。

ギミックを通り過ぎ後ろを見る、ちゃんと玉が付いてきてギミックである踊り子の石像に着弾し崩壊した。

「よくできましたぁ!!」

HPミリ残りMPなしアイテムなし、残弾4発Duoパーテーで3層まで攻略できたのは多分俺だけだろう。


あとは最後に終わるだけ魔法の門をくぐりガルガンチュア最高峰世界の喉の頂上に出る。

地上よりも宇宙に近く地平線が下にある、頭上にはいくつもの翼に包まれた巨大な卵こちらが手を出すまでは非活性で準備の時間をくれる。

ここからはこの世界がよく見えるガルガンチュアを初めて今まで過ごした思い出がふつふつ思い出される。

「ま、最後らへんはRMTでつまんなかったけどな」

銃をボスに向け撃つ一枚一枚の羽の真ん中から数々の目が割れ何度も屈折する光線が俺を貫き死んだ。

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