表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

記憶の顛末

作者: あんこ

駅前に屯している皆の顔を私は知っている。


あの人は、小学の幼なじみ。あの人は小学の将棋部の子。あの人は中学のバスケ部だった人。あの人は中学の生徒会長。あの人は高校の風紀委員。あの人は高校のサッカー部のキャプテン。


雪がしんしんと降り積もっていて、久しぶりの故郷はとても寒いなと思った。


皆、好きに喋っている。

昔のことや現在のこと。


恋人ができた。結婚をした。

大学に入った。大学を辞めた。

就職をした。会社を作った。

会社を辞めた。会社を潰した。


皆、私のことを覚えているだろうか。


「皆、久しぶり」


皆、私のことを忘れていないだろうか。


「皆、元気にしてた?」


「あー、縺九↑縺じゃん!元気!元気!」

「縺九↑縺さん、久しぶりだねー。中学振り?」


「うん。そうだね。」


良かった。皆、私のこと覚えていてくれたみたい。皆、顔や形は変わってしまったけれど、子供の頃から、内面は変わってないみたい。


成人式が終わったら、皆でお酒を飲もう。


―――――――――――――――――――――――


「ねぇ。皆、あの子誰か知ってる?」

「いや、わからん」

「不気味だよね~。私たちのこと知ってたみたいだよ?」

「なにそれっ?怖いねー」


―――――――――――――――――――――――


朝、目が覚めると頭がズキズキと痛むのに気づいた。昨日はお酒で飲んでいたのだろうか。昨日のことを思い出せなかった。


「かなこさーん、かなこさん!」


「えっ?」


「えっ?じゃないですよー。かなこさんにお手紙ですよ?」


「あっ、はい」


「良かったですね。かなこさん。成人式ですよ。一生に一度の大事なイベントですよー。」


「はぁ、そうですね。」


「今日の夕方からみたいですね。行ってみたらどうですか?」


「はぁ、そうしてみます。ありがとうございます。」


―――――――――――――――――――――――


さっきの人、誰だっけ。


それにここに書いてある住所どこだろ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ