第2話 孤児院
会議が終わるとユリウスはそのまま王宮を後にし、とある場所に向かった。そこは華やかな中心部から少し離れた場所にあり、看板には「ユリス孤児院」と書かれていた。
「あ、お兄ちゃんだ!」
「ユリウス兄!」
庭先で遊んでいた子供達はユリウスに気づき、みんな寄ってきた。色んな方向から色々話され、苦笑しているユリウスだが、そこに声を掛ける女性がいた。
「あなた達落ち着きなさい。ユリウスは逃げませんから」
「お久しぶりです。シスターミレイナ」
そこにはこの孤児院の責任者であるミレイナ・グロリアがいた。
「中々の活躍の方で噂はこの孤児院にまで届いていますよ」
「お恥ずかしい話ですけど」
あの後、シスターミレイナと孤児院達の誘いにより、夕食を一緒に食べたユリウスはミレイナと二人で話をしていた。
「貴方が軍に行くと言った時はどうなるかと思いましたが、まさか大将にまで上り詰めるとは思いもしませんでしたね。しかも、今や我が国最強の一人と言われるまでになっているとは」
「俺も驚いていますよ」
ユリウスとミレイナはそこから様々な話をして、小一時程話合っているとミレイナが悩みを切り出した。
「最近、カレンが将来は軍に入りたいと言っているの」
「カレンがですか?」
「ええ、できれば止めたいのだけど、あの子の人生だから……」
「一度、俺が話をしてみます」
「悪いのだけどお願いね」
それにしても、カレンが軍に入りたいか。ユリウスはミレイナと話をしなからそんな事を考えていた。
よかったら、よろしくお願いします。