十五日の金曜日は映画館で
初投稿です。よろしくお願いいたします。
ところでホラー映画見ないかい。
世界には映画大きく分けて三つある。
普通の映画とホラー映画とサメ映画だ。
中でもホラー映画といえば、普通の映画とは、一線を画すスリルとサスペンスがあり、低予算でも作ることができる極めてコストパフォーマンス良い映画だ。
勿論、一部の作品にはハズレもある。しかしながら、テンプレートを挟みつつ、オリジナリティ溢れる、キャラクター、設定達は、いつも俺を楽しませてくれた。
今日はそんなホラー映画の中でもキングオブゴット「十五日の金曜日」シリーズの完全最新作が、ロードショーされるのだ。予算、監督、演出全てがケチのつけようがない。どのホラーブログ、サイトでも評判がよく、某バーチャル映画レビューすらも期待しているこの作品がハズレのわけがない。
この作品を見るために今日は毎度毎度残業ばかりさせやがるクソブラック会社をトイレに行くフリをして窓から華麗に脱出。ワイルドな定時退社を決めてやったぜ。今頃、あのクソ上司は便器を舐めるように俺を探してるんだろうな。ざまぁ。もう何も考えることはない。後は映画館に行くだけだ。
俺の目には、映画館が映っている。呼吸はあらぶり、足は震え、鼓動は高鳴り、心臓は今に出も飛び出しそうだ。
―――――しかし、どんなに手を伸ばしても伸ばしても、俺の足が映画館に入ることはなかった。
「<不幸とダンスっちまう>てこう言うことだったんだな」
トラックに轢かれ、踏みつぶされ真っ二つになった体では、下半身を捨てて、這いつくばっても映画館に入れない。
俺の目には、もうかすかに、映画館が映っいるだけ。あらぶっていた呼吸ももう聞こえも感じもしない。視界の端では、足がトカゲの尻尾みたいにびくびくしている。心臓は本当に飛び出した。
全くもって最悪だぜ。この日のために、色々準備したり、期待したり、ネタバレしないように今日は日課のタイムライン警備をしてなっかったのに。
他にも考えないといけないことは確かにある。家族とか、パソコンのデータとか、ハードディスクとか、
特に、特殊性癖フォルダーとか。
でもやっぱり、
「・・・・・・・・・・・・このままアレ見れずに死ぬのかよ」
かすかに開いていた目も閉じて、死期を悟った。悔いばかりの人生だった。最後の発言が、あんなものでも全く悔いにならない。唯一悔いがないことはホラー映画を好きになったことぐらいだな。
『そーんな、悔いばかりの人生なのに、そんなつまらないものが好きなだなんて、可哀想な男』
どこから声がする。走馬灯は見えなかったがなんか変な奴の声は聞こえるらしい。そんなことより聞き捨てならない台詞を聞いてしまった。神様だか、仏様だが知らないがTwitt〇rにクソリプをくるような奴はいるらしい。
「ホラー映画はつまらなくない。どの作品も個性の塊だ。特に殺人鬼ものは傑作の結晶体といってもいい。何年もの間かけて培われた黄金の筋道。作品によって工夫を凝らす画期的な表現技法。そして、絶対に外してはいけないのが、個性豊かな殺人鬼たちの背景。これらが全て合わさっているから、ホラー映画は最高なんだ。俺からみれば、殺人鬼は英雄なんら変わりはないんだよ。分かったか、人の趣味に口出ししてくる腐れ外道」
こんなに意気揚々と語ったのは何時ぶりだろうか、もしかすると初めてかもしれない。死の直前でこんな初めてを経験するとは。案外死にかけてのも良いもんなのかもしれないな。
『あなたが言いたいこと何一つわからなかったけど、殺人鬼が大好きてことが理解できたわ。そんなに殺人鬼が好きなら、あなたを殺人鬼にしてあげる』
一つぐらい理解しろよ。てか、今なんていった。『殺人鬼が大好きだから、殺人鬼にしてやる』だと、なんだその、【男は〇イプの工□本が大好きだから、現実社会でも強〇したいんだ】みたいなガバガバ理論。一体何者か知らんけども青い鳥にたむろする自称フェ〇ニストみたいなノリと思考回路じゃダメだろ。人生損するぞ俺みたいに。
しかし、俺が反論の感情を言葉にする前に、あいつが続けざまにこう言った。
『あなたにとって殺人鬼が本当に英雄だと言うのであれば、あなたがそれを証明して見せなさい。もし私に殺人鬼がカッコイイと思わせることが出来たら、あなたにあのつまらない映画見せてあげる』
その言葉を最後に俺は意識を失った。
ご愛読ありがとうございました。
たった千字ちょっと書くだけでこんなにも疲れるのか、、、、
毎週投稿を目途に頑張っていきたいと思います。