♯3
アカネの春休みに出掛ける約束をした俺はある事に困っていた。
《女の子と2人で歩けるようなオシャレな服がない!!》
何年も彼女などいなかった俺は服になど無頓着だった。
これは買いに行くしかない。俺は次の休みの日にアウトレットにでも行くことにした。
アウトレットならSALEとかやってるからオシャレな服でも安く買えると思っていた。
そんな馬鹿な考えをもったままアウトレットに向かった俺は、たどり着いた先で地獄をみた。
SALEでも高いものは高い!半額で5万!?70%引きで3万!?
お金に余裕がない俺は上下で2万くらいの予算しかなかった。無計画の馬鹿である。
しかしここまで来たからには何かしら買わないと気がすまなかった。
1軒目
「お!カッコイイコートがある!8万!無理!」
2軒目
「お!この薄いダウンカッコイイ!半額じゃん!5万!無理!」
3軒目
「お!このジャケットカッコイイ!70%OFFじゃん!3万!無理!」
そんなこんなで10軒近く見てまわった。
しかし俺の条件である高くても上下で2万なんてものはあるにはあったが俺には合わないものばかりだった。
もう無理だ帰ろう。とその時、目の前にイトーヨーカドーが見えた。
結局イトーヨーカドーでちょうどいい感じのレザーのジャンパーを買って帰った。守りにはいった俺はオシャレではない、普通の感じになってしまった。
「まぁ相手は中学生から高校1年生になる女の子だからそこまでオシャレじゃないだろ(笑)」
またそんな単純な考えをした俺が馬鹿だった。
そして約束の日がやってきた。