第一話「謎の声」
「…暇だな」
彰は家でひどく気だるそうに寝転んでいた
「…出掛けるか」
彰は立ち上がり財布をとり中にお金が入ってるか確認し足りなかったのか少しお金を入れると家を出た
「さて、どこ行くかな」
家を出たのはいいが、なにも考えていなかったため立ち止まって考えていた
「〝あそこ〟行くか」
〝あそこ〟とは彰が小さい頃からたまに行っていた神社のことである
「…だけどつくまで大変なんだよな」
彰は草が生い茂る獣道のような所を歩きながらぼやく
「お、見えて…あれ、誰だろ?」
神社が見えてきたのだがそこには金髪の変な帽子を被った少女がいた
「あのー、あなたは?」
彰はその少女が気になって声をかけていた
「あら、私?」
彰はほかに誰がいるんだろうと思いながらもそうですと返す
「私は八雲 紫よ…であなたは?」
八雲 紫…珍しい名前だなと思いながらも自己紹介をする
「俺は総滅 彰です」
紫は彰の名前を聞いてから顎に中指を当てながら考えるとあるある提案をする
「あなた、幻想郷に来ない?」
彰はこの人…なにいってるんだと思いながらも聞く
「幻想郷ってなんですか?」
「そうねぇ…全てを受け入れる場所、かしら?」
「全てを…受け入れる、場所」
彰はその言葉にひどく胸を打たれた何故そんなにも惹かれているのかわからないが彰はもう答えは決まっていた
「俺は幻想郷に行きたいです」
紫は少し驚いたような顔し理由を聞いてきた
「何故…かしら?」
「単に面白そうだなと思ったからですよ」
だが彰が幻想郷にいきたいと思った理由は紫が可愛いからである
「でも行ったら最後もうここには戻ってこれないわよ?」
普通ならここで戸惑うんだろうと彰は思ったが彰は意思を曲げることなく言った
「それでも俺はそこへ行きたいです」
「そう、なら歓迎するわ…ようこそ幻想郷へ」
「ああ、ありが…えっうわぁぁぁぁ!…」
彰は下に開かれた紫のスキマによって落ちていった
『おい、起きろ』
「ん、んん?」
彰は聞いたことがあるようなないような声によって起きた
「ここ、が幻想郷?」
彰は回りを見渡して純粋に不思議な場所だと思った…回りの色が全ての色に見えるまるで太陽の光の全ての色を見ているかのような感じの空間だが、少し落ち着く感じもすると思った
『いいや、違う』
どこからか声が聞こえる…がそれよりも彰は思った
「てか、誰だお前?」
『私か?私はお前であってお前でない存在だ』
そして彰が声の発信源を特定し見るとそこには真っ黒な人形のなにかがいた
「ふぅん、さしずめ俺の裏人格と言ったところか」
黒いなにかは少し驚いた様子を見せ言った
『ああ、そんなところだなさすが察しがいい…さすが私だ』
彰はなんかコイツ気持ち悪いなと思いながら言う
「…で?戻りたいんだけど」
『ああ、その前に言わせてもらうこの世界はイメージだイメージでだいたいのことはできる…それは覚えておけ』
「え、俺なんか能力でも持ってんの?」
『ああ、なんだったかは忘れたがな』
「じゃ、帰っていい?」
彰は心底嫌そうな顔をしながら言った
『ああ…頑張れよ』
その声を最後に彰の意識は薄れていった