文学少女と大阪人-another story-
小学校高学年の時に好きな女子ができた。
でも、神の悪戯やら何やらでその女子が東京に引越した。
俺は猛勉強してしまくって、東京のミッション系大学に入る事ができた。
男らしくないが、もし奇跡が起きて、あいつに会えたらとか思ってた。
まあ大学は広いもんやし、東京には色んな大学があるからと思ってサークル活動でその気持ちは抑えようと思っとった。
でも、サークルを見て回ってた時、俺はあの頃よりもずっと大人っぽくなったお前に会った。
「好きな女ぁ?」
俺はたまらなくなってサークル仲間の黒山疾風と七星樹に居酒屋で相談した。
特に樹なんか、付き合った事はないとは言ってたものの、かなり女にモテるから女心ぐらい……と思っていたら、相談した相手が悪かった。
大爆笑された。
「おまっ……そんなナリか⁉︎」
一個上の先輩だが敬語を使わないくらい仲がよくなった疾風に大爆笑され、俺は恥ずかしくなる。
「んななっっ……笑い事ちゃうねんで‼︎」
そう言ったら次は同い年の樹にも大爆笑される。
「ふっ……ごめ、翔太、分かってるって……あはははは‼︎」
「こんのぉ……お前ら、覚えときぃや……」
大学生生活ももう半年と3ヶ月。
年が明ける前に、あいつに告白してリア充になってやる‼︎
そんなある日、樹が俺に言ってきた。
「草薙が話があるんだと」
は⁉︎
な、ななななんで樹が文乃と……文乃が俺に話⁉︎
とりあえず樹に言われた大学の噴水前に走る。
もし、もし告白、とかだったらどうすんねん。
俺はなんて返事するんやろ。
いや、こんな絶好の機会に、(予想やけど)女から告白させたら男の名が廃る。
昔みたいに後悔せんように、俺から告白するんや。
大阪人の底力、見せつけたる‼︎
噴水前には、お前がおった。
今だ、すぐに終わる、すぐに終わるから‼︎
「「好き‼︎」」
声が重なる。
俺達は笑った。
なんやこれ、意味が分からへんで。
とりあえず後で樹に質問責め決定や。
でもまずは、遅れ気味の青春の方が先みたいや。