文学少女と大阪人
小さい頃、私は本ばっか見てる静かな女の子だった。
大学のサークル、どこに入ろうかワクワクしながら見て回っていた時、あるサークルで出会ってしまった。
小学校高学年の頃大阪から転校してきて以来、ずっと忘れてた、君と。
「翔太!」
「え、おま…文乃か?」
あれから10年は経つから、君はすっかり男らしくなってて、ドキドキした。
ツンツン頭を明るい栗色に染めて、ピアスも開けてる。
この大学に受かって、大阪から越して来た君は関西弁丸出しだ。
やんちゃで明るい性格もまるで変わってなかった。
しばらくして、学生生活も半年と3ヶ月が経って、ますますその思いが募っていく。
どうしよう、伝えたくてしょうがないよ。
そんな時、私に話しかけたのは、同じサークルで同じ学年の七星樹君だ。外見は王子様みたいで皆にモテモテなんだけど、性格がかなりクールな人。
「翔太が話したい事があるんだと」
その言葉で心臓の鼓動が高鳴る。
樹君に言われた通り、大学の噴水前で待ってると、君が向かってくる。
もし、告白なんて事されるなら、何て言えばいいかな、何て返せばいいかな。
ううん、もう後悔しないように言うんだ、私から。
昔みたいに吃ったままの私じゃないから!
「「好き‼︎」」
私と君の声が重なる。
私達は可笑しくなって、思いっきり笑った。
ちょっと遅れ気味の青春、これから満喫してもいいよね?