Stage1-6 薬草20と新たなる敵/孫の奇行と○○草
《浩一郎ビジョン》
二体目の敵【ヤタガラス】を撃破した我々パーティーは、【ヤタガラス】の死体に何かが埋もれているのを危うく見逃がすところだった。
俺がそれを確認してみると、それは何と【薬草20】だった。HPを20回復させるアイテムだ。
俺はアイテム画面を表示した。
武器 防具 >アイテム 戻る
アイテム
>薬草20 ×1
俺はそれを飲んだ。薬草なので少々苦いが、そうも言ってられない。
勇者浩一郎のHPが回復した!▼
HP:51
これで次の敵が出て来ても、有利な状況で戦えるだろう。
と言う訳で我々パーティーは更に進んだ。
暫く行くと、今度は奇妙な匂いがしてきた。甘ったるいような、気持ちの悪くなる匂いだ。俺は匂いの発生源を探した。勿論、叩き潰すためだ。勇者浩一郎は敵に対して一切の情け容赦を掛けないのだ。
きょろきょろと探していると、やがてそれは見つかった。恐らくあれだろう。面妖な花だ。俺は近付こうとしたが、匂いが躊躇させた。
するとその花が巨大化した! あれは敵モンスターだったのだ!
又もや戦闘モードに突入した。
《祖母ビジョン》
浩一郎が鴉の死体をごそごそと弄り始めました。鳥の死体なんかに触ったら、絶対に病気にかかると思うのですが。そう言っても、浩一郎はやめてくれません。困ったものです。
浩一郎は、鴉の死体に潰されていた草を引っこ抜きました。そしてなんと、それを飲み込んだのです! わたしが「あ」と思った時にはもう手遅れ。浩一郎はごくりと飲み下しました。
「ちょちょちょちょっと浩一郎!? なにやってるの!!」
わたしはパニック状態に陥り、まともに話す事さえできていません。浩一郎はそんな私を一瞥し、何事も無かったかのように歩き出しました。これは絶対に病気にかかります。絶対です。100%。間違いなく。必ず。
少し行くと、甘い匂いがしてきました。恐らく何かの花だと思われます。あ、これは○○草ですね。わたしは植物には詳しいのです。何しろ田舎に住んでいますから。
そして浩一郎はまた、訳の分からないモードに突入しました。