Stage1-5 新兵器の開発所/樵小屋
《浩一郎ビジョン》
魔王の手下の攻撃を切り抜けた我々パーティーは、ジャングルの出口を目指して再び歩き出した。
暫く行くと、小屋のような建物が見えてきた。賢者によると、この辺りがジャングルの中間地点らしいのだが、この小屋は一体何をするための小屋なのだろうか。
俺はハッとした。まさかここは、魔王の手下達が新しい武器を作るために使用しているのでは? それを作るための材料も大量に蓄えられている。
と言う事は、魔王或いはその手下は、更なる力を手にしようとしていると言う事だ。遂に我々の動きに気が付き、迎撃の手はずを整え始めたか。
しかも、ここには敵の刺客が隠れているかもしれない。注意して歩かなければならない。
俺は賢者よりも先に立ち(今までもずっと俺の方が前だったが)、材料の影などを特に注意深く見た。
するとなんと、影に魔物が潜んでいた!
我々は戦闘モードに突入した。
《祖母ビジョン》
暫く行くと、木材を蓄えている小屋が見えてきました。樵でもいるのでしょうか。わたしは見た事ありませんが。
この小屋を見て、浩一郎は大いに驚いたようです。まさかこんな所に樵がいるとは思わなかったのでしょう。都会の子は、昔話などでしか樵という言葉自体聞いた事が無いのです。だから、本物を見られると思って興奮したのかもしれません。
浩一郎は、わたしよりも先に立って(今までも浩一郎の方が前だったのですが)、木材小屋の中に入りました。中と言っても、この小屋は左右に分かれているので簡単に通る事が出来ます。
浩一郎は、木材の影を確認するようにして覗き込んでいました。そんなに樵が見たいのでしょうか。
と思っていたら、本当に樵(らしき方)がいました。浩一郎は物珍しそうに、ヒノキノボウを構えています。これが最近の中学生のあいさつなんでしょうか?