Stage1-3 生物兵器/蛾
《浩一郎ビジョン》
ひのきの棒をゲットした俺は勢い付いてずんずん進むのだが、途中で何と敵軍の生物兵器に出くわしてしまった! これはアレだ……。猛毒を持つ奴だ……。触れたらオダブツだ……。
なので俺はひのきの棒をいつでも振れるようにしながら、慎重にその生物の横を通り過ぎた。
と思ったら。
その生物兵器は何とこのジャングルの中に大量にいるのだ! 視界に入るだけでも二十はいる。危険すぎる。ここは一旦引き返したいところだが、橋がブッ壊れてしまったのでそれもできない。さあどうしよう。
俺は取り敢えず、警戒姿勢を崩さないままじりじりと進んだ。背後にも気を配る。賢者が毒に冒されないか心配だ。それに、背後から接近されたらかなりやばい。いや最早、やヴぁい。
生物兵器たちは幸いにも、この俺の隙のない構えに恐れおののいているようだ。これで寄ってこなければいいのだが……どうやらここは、特に生物兵器が多いようだしな。ここを抜ければ大丈夫だろうが……。
我々パーティーは何とか危険地帯を抜ける事が出来た。しかし、まだまだジャングルは続く。
《祖母ビジョン》
橋を渡り切ると、何匹か蛾が飛んでいました。と言っても小さいもので、せいぜい二センチくらいです。でも浩一郎は虫が嫌いで、さっき拾った『ヒノキノボウ』とか言う奴で威嚇しています。知ってますか? こういう虫は無視した方が寄ってこないんですよ。
この辺りは特に蛾が多いようです。どこからか甘い匂いもします。綺麗な花があるのでしょう。花は、においを発する事で虫を呼び寄せ、受粉させます。だから虫が寄って来るんです。
蛾が減ってきました。花の匂いも薄れています。どうやら蛾地帯を抜けたようです。