Stage3-4 超の鍵/暇潰し
《浩一郎ビジョン》
我々パーティーは、ついにガラムさんの家の前に辿り着いた。古風な木造建築だ。ここに鍵があるのだろうか。
俺はその家のインターホンを押した。
はい、と不機嫌そうな声がして、ドアが開いた。中から出てきたのは、白いひげを蓄えた精悍そうな人物である。
「あなたがガラムさんか」
「そうだが」
ガラムさんは眉間にしわを寄せて、我々パーティーを値踏みするような目を向けてきた。俺はすかさず、アイテム欄から『鈴カステラ』を取り出す。
「手土産に持ってきた。受け取ってくれ」
ガラムさんは暫くそれを眺めた後、無言で受け取った。
「まぁ、立ち話もなんだから中に入れ」
こうして我々パーティーはガラムさんの家に上がった。中は外見通り、畳敷きである。イグサの良い匂いがして鼻腔に心地いい。
ガラムさんは我々パーティーをちゃぶ台の周りに座らせ、湯呑みに緑茶を淹れて出してくれた。強面によらずいい人らしい。
俺は出された緑茶を遠慮なく飲んだ。力がみなぎって来るかのようだ。これはまさか……。
「薬湯だ。回復薬と魔法草を材料に使ってる」
ステータスを確認すると、賢者のMPがマックスの85まで回復していた。
……さっき回復したのは意味が無かった訳だ。
「……で、何しに来た」
ガラムさんが無愛想に言う。
「『超』の鍵が欲しい」
俺は率直に答えた。
「成程。超の鍵、か」
ガラムさんはより一層不機嫌になって、ふんと鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまった。
「確かに持っているのは俺だがな」
「ならば」
「ただでやるとは思うなよ」
ガラムさんが不意にこちらを向いた。鬼のような形相で俺を睨んでいる。
「欲しければ俺と闘うんだな」
そしてガラムさんが正体を明かすとともに、バトルが始まるのだった。
《祖母ビジョン》
やっとガラムさんと言う方の家に到着したようです。古風な木造建築で、風情があります。表札には『中田』と書いてありますが、本当にここなのでしょうか。
浩一郎がインターホンを押すと、中からがたいのいい男の人が出てきました。不機嫌そうな表情をしています。浩一郎は、スーパーの前で男の人にもらった鈴カステラを差し出しました。するとわたしたちは家の中へ通してもらえました。
ガラムさん――いえ、中田さんは湯呑みにくんだ緑茶を出してくれました。飲むと力がみなぎるようです。これはまさか……。
「静岡茶だ」
やはりそうでした。本場のお茶は違います。すごく味わい深くて、身体の芯から温まります。
「……で、何しに来たんだ?」
中田さんがわたしたちに問います。訊きたいのはわたしもなのですが。
「スーパーの開店時間まで暇を潰させてくれ」
浩一郎は言いました。どうやらこの二人は知り合いのようです。いつの間に知り合ったのでしょうか。
「成程。暇潰し、か」
中田さんが呟くように言いました。
「まぁ、別に構わないがな」
「ならば」
「分かってるさ。ちょいと遊んでやろう」
そう言って中田さんと浩一郎は立ち上がりました。




