Stage1-1 旅立ち/買い物
~日本語が読める猿なら分かる!『ファンタジーな薬 序』のあらすじ~
彼は祖父母の家の隣に住んでいる博士の家に侵入し世の中の全てがファンタジーになる薬をかっぱらって飲み世の中の全てがファンタジーに見えるようになってしまった。そんなとき祖母が散歩に行こうか誘ってくるので彼は自分が勇者にでもなった気分で調子に乗って散歩と言う名の大冒険に旅立った。
《浩一郎ビジョン》
俺の名は福本浩一郎。見ての通り勇者だ。俺は今、魔王を討伐すべく、老いた賢者と共に冒険に出発した。
我々のパーティー(今は二人だがいずれは四人パーティーになるに違いない)は、灼熱の太陽が照りつける地面を少しばかり進み、密林の前に来た。賢者によると、我々が最初に向かうべきは『スーパー』と言う中継地点らしい。『超』と言う位だから、物凄い装備が売っていたり、素晴らしい回復アイテムを売っていたりするのだろう。因みに、『超』が物を売る場所だと言うのは、賢者が言っていた。
しかし、『超』に行くためにはこの密林を切り抜けなければならないらしい。何が待っているか分からない。もしかしたら、そこらの雑魚モンスターだけでなく魔王の手下もいるかもしれないしな。
我々はジャングルの中に足を踏み入れた。どこからか水の流れる音が聞こえる。かなりの水量だ。
ふと横を見ると、物凄い川幅の大河が流れていた。あれに飲み込まれたらひとたまりもない! 斜面はそちら側に傾いているし、注意しなければ。
《祖母ビジョン》
今日は孫の浩一郎と一緒に、散歩がてら買い物に行きます。浩一郎は、わたしが「そこの林を抜けてスーパーに行こうか」と言ったら、「ジャングルを抜けて『超』だと!?」なんて言ってます。最近の中学生はよく分かりませんが、こういうものなのでしょうか。
スーパーに行くには他の道もあるのですが、わたしはこの林が好きなので、ここを通る事にします。虫は多いですが、田舎に住んでいる以上、虫には慣れています。心配なのは浩一郎です。虫が嫌いと聞いていましたが、克服したのでしょうか。
林は日陰になっているので涼しいのですが、それまではやはり暑いです。夏だから仕方がありませんが、やっぱり暑いと疲れますね。早く林に入りたいです。
わたしたちは林に入りました。小川のせせらぎが聞こえています。横を見ると、くるぶしまでつかるかどうかと言うほどの深さ、人間一人分よりも少し小さいくらいの幅をした川が流れていました。気持ちの良い音ですね。