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テーマ詩集:雨

雨を避けて飛ぶだけじゃ

作者: 歌川 詩季

 空。翼。太陽。雨。

 ぜんぶ、好きなモチーフ。

 (こぼ)れた鉛の(しずく)が 翼を重くする

 濡れたはばたきじゃ 踏みあがれなくて

 階段を架ける空を恨めしく見あげた


 狭い国にいくつ橋を渡しても

 きみのもとには(つな)がらないなら

 せめて雲のうえからひとめ

 その姿 ()きつけたかったよ


 雨を()けて飛ぶだけじゃ

 雲に()まれた太陽はさがせない

 翼とひきかえにした指でかきわけて

 林檎(りんご)より(あか)いあの実に くちづけしよう



 (よご)れた泥んこ(がお)して 翼を欲しがった

 (かかと)すり減っちゃ 踏みつぶせなくて

 あれこれをきょうも胸にかかえこむ愚かさ


 細い川にいくつ橋を渡したら

 気がすむのかと問いつめたけれど

 いつかひとまたぎにできるよ

 その足で恐がることもなく


 雨を()けて飛ぶだけじゃ

 涙に散ったヒマワリと出逢えない

 翼とみちづれにした空をとりもどせ

 雨雲を裂いたあの光 つるぎにかえて

 猫も入れたかったかも(笑)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 力強さを感じさせる部分と、儚さを感じさせる部分とが混ざり合い、こうした素晴らしい詩を編み出すことが非常に素敵です♪ [一言] 糸東甚九郎小説が何かの手違いでアニメ化されたら、主題歌の歌詞は…
[一言] タイトルも内容もすごく好きです……。 好きなフレーズは沢山あるんですが、特に「涙に散ったヒマワリと出逢えない」というところが、綺麗でありながらせつなくて、とても印象的でした。 透き通った声の…
[良い点]  >雨を避けて飛ぶだけじゃ  本当に望んだものは手に入れられないのでしょうね。もっと懸命にならないと。    >翼とひきかえにした指でかきわけて   林檎より緋いあの実に くちづけしよう…
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