雨を避けて飛ぶだけじゃ
空。翼。太陽。雨。
ぜんぶ、好きなモチーフ。
零れた鉛の雫が 翼を重くする
濡れたはばたきじゃ 踏みあがれなくて
階段を架ける空を恨めしく見あげた
狭い国にいくつ橋を渡しても
きみのもとには繋がらないなら
せめて雲のうえからひとめ
その姿 灼きつけたかったよ
雨を避けて飛ぶだけじゃ
雲に呑まれた太陽はさがせない
翼とひきかえにした指でかきわけて
林檎より緋いあの実に くちづけしよう
汚れた泥んこ顔して 翼を欲しがった
踵すり減っちゃ 踏みつぶせなくて
あれこれをきょうも胸にかかえこむ愚かさ
細い川にいくつ橋を渡したら
気がすむのかと問いつめたけれど
いつかひとまたぎにできるよ
その足で恐がることもなく
雨を避けて飛ぶだけじゃ
涙に散ったヒマワリと出逢えない
翼とみちづれにした空をとりもどせ
雨雲を裂いたあの光 つるぎにかえて
猫も入れたかったかも(笑)