小さいとき
妹は要領が良いし、両親に好かれている。
妹はいつもニコニコしていて家族の中心に居た。
家族の中心に居たと思うのは私の考え過ぎかも知れないけれど、私にとってはそうだった。
「妹は家族の愛を一身に受けていた」
妹は身体が弱く、喘息やらアレルギーやらでいつも両親に心配されていた。
私もアレルギーがあって特定の食べ物を食べると唇が腫れたり、痙攣を起こす事があったが妹はその比ではない。
無農薬野菜と蕎麦しか食べられなかったのである。
米も肉も卵も小麦粉もありとあらゆる食べ物が妹にとっては害悪であった。
それ等を摂取すると皮膚に赤い湿疹ができ、どんどん広がっていく。痒さと痛さから妹は泣き始める。
両親は食べさせる物が無いと嘆いては妹にあらゆる治療法を試した。
食物の拒否反応で出来たデキモノには豚の血を塗り、喘息になれば深夜でもつきっきりで呼吸器を当てがう。
良いと聞けば直ぐに実践し、妹の病を治そうとした。
周りから見たらただの石ですら、湯船に入れたら良いと聞くと直ぐ様に購入していた。
「山芋のアレルギーでたかが唇を腫らす位だろう」
私はそう思われて居たと思う。
ゆっくり更新ですが完結させたいと思います。
よろしくお願いします。