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新たな一歩

 紗綾さんは私の声を聞くなり、涙声で「修一さんに会いたい。」と絞り出すような声で言った。


 私は突然だけど、お邪魔することにした。プリンを買って。

紗綾さんの家に着くと、修也君は保育園で不在だった。

残念ではあったけど、これで紗綾さんとゆっくり話しができると思った。


 聞くと、修ちゃんとの思い出の家で暮らす事ができず引っ越しを考えているらしい。

実家に帰る事も考えたが、店の切り盛りで忙しい母親にこれ以上の負担もかけられず、困っている様だった。


 私達は、幸か不幸か、たまたま同じ人を愛してしまった。

そして、たまたま愛した人を喪ってしまった。

同士みたいなものだ、お互いの痛みも喪失感も手に取る様にわかる。

だからこそ、盗った盗られた、不倫した側、された側を超越できる自信があった。


 私は「良かったら、シェアハウスしない私と」と言っていた。

彼女は驚いた顔で私を見た。

「私と一緒に住まない?あの家で。私一人では広すぎて困ってたの。

それに私にとって修也君は、他人とは思えないし、紗綾さんともこんな出合い方でなければ、きっと親友になれたと思うの。

迷惑な話とは思うんだけど、良かったら少し考えて貰えると嬉しい。 」


紗綾さんは少し驚いて、

「ありがとう。まさか有加さんから、そんな事言って貰えるなんて。

酷い事したのは、私なのに嬉しい。

本当は二つ返事で承諾したいけど、何日か少し考えてさせて。

母にも心配掛けてる手前、話さないといけないし。」



 それから紗綾さんと一緒に、修也君の迎えに行った。

帰り三人で手をつないで帰った。ちょっと湿った小さい手は温かかった。


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