逢魔ヶ刻
五分五分にならなかったので、本日は少し短めです。
気配。霊力の高い気配。私がそれを感じたのは、住宅の屋根にちょこんと腰を掛けている時だった。
時は夕暮れ。俗に逢魔ヶ刻と呼ばれる時間だ。今この時間はあの世とこの世の境目が曖昧になり、魑魅魍魎達が“此方”に来る時刻。高い霊力の子はそんな不浄の輩に好かれやすい。自分よりも弱く、喰らえば力が付く。格好の獲物になるのだ。
だからこうして社を離れ、様子を見に来る。厄介な者達が人間に手を出さぬよう。
私はふらりと空を飛び回りながら、街の様子を観察する。特に何も無い。とてもいい事だ。事件が起きていないと言う事だから。しかし、自体は突如起こった。
大きな穢れが私の前を横切った。驚いて後を追うと、それは一人の少女に取り憑いた。実際は取り憑くなんて生易しいものではない。まるですっぽりと包み込むように、彼女にべったりとへばりつく。
気配を悟られないように塀の上に立ち、暫く様子を見る。禍に好かれた少女は立っていられなくなったのか、頭を押さえ、その場で動かなくなった。
「この娘はお前達が集って良い子でありません。去りなさい」
初の崇島さん視点。
この時点で崇島さんの正体分かった方いらっしゃいますかね?