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白いアパートは5階建て。

もちろんエレベーターはついていない。

全室ワンルーム。

みんな一人で暮らしている。


階段を3階まで上る。

手前から1号室、2号室。

私の部屋は突き当たりの5号室だ。

角部屋だから、他の部屋より窓が1つ多い(らしい)。

少しだけお得な部屋。


鍵を開け、中に入る。

すぐに鍵をかける。


もう安心だ。


最近どうも、体がキツイ。

小西さんのところでは、吐きそうになったし。

『つわり』の3文字が頭をよぎる。


「本当にひとりでがんばれるのかなぁ。」


ため息。


不安が無いと言えば嘘になる。

本当は不安でいっぱいだ。

育てる云々よりも、産むまでが特に。

調べたところでわからないのだ。

自分の体が、自分だけのものではないのだから。


眠気。

貧血。

吐き気。


そのどれもが自分の思い通りにならない。

我慢もできない。


「大丈夫!」


私は大丈夫。ひとりで大丈夫。

もう考えるのは止めよう。

暗くなってからの考え事はネガティブになるだけだ。

考え事は明日にしよう。


テレビをつける。


笑い声が部屋に響く。

急に部屋の中が活気づく。

くだらないバラエティ。

お約束のギャグ。

一緒に笑ってみる。


嘘でも笑ってればいいから。

テレビの中のタレントだって、そうしてる。


コーヒーでも飲もう。


キッチンに向かう。

赤い紙袋とコーラ。


「…。」


違和感。


「…!!」


やっぱりどうかしてる。

私は大変な忘れ物をしている。


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