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一瞬何を言われたのかわからなかった。

知り合って間もない人に、何故ここまで見透かされてしまうのかも。

…もしかして知っている??

そんなハズはない。

私は逃げるように県外の大学を受験し、ここに来た。

地元には大学がそこそこの数あり、県外に出る人は少ない。

まして、遠方の三流大学なんて…。


「のんちゃん。僕はまだ何も言ってないよ。」

「え…。」

「僕は反対も賛成もしてないよ。ただ、のんちゃんが誰にも相談しないで一人で抱えていそうだったから。」


小西さんが優しく頭をなでてくれた。


「話を聞いてあげたいって思ったんだよ。」

「何で…。」

「他人だから。」

「他人だから?」


「僕も今までいろんな事があったんだよ。ほら。小さくて狭いこの店だって僕がいないと、どうにもなんないし。毎日がんばり続けないと、簡単につぶれてしまう。意外と悩みが多いんだよ。」

「…うん。」

「どうしようもなく悩んでる時って、慰めてもらっても聞けないでしょ?素直に。それに知り合いに弱い所は見せられない。他人はいいよ〜。無責任に好き勝手言うし。」

「…。」

「でもね。そのうち楽になるよ。きっかけは何かわからないけど。悩んでるのが急にバカらしく思えてきたりね。」


ポンポンって軽く頭をタッチして、小西さんの手が離れた。


「頑固な子だね〜。のんちゃんは。」

「…なっ。なにそれ?私は頑固でも、子供でもありません!」

「ははっ。」


それから気持ちのほぐれた私は、レモネードをおかわりした。


小西さんとたくさんの話をしながら。


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