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恋愛蹴球  作者: ひろほ
15/72

Re:デビュー5

風太郎さんはトレーニングの際に、体幹トレーニングの種類について話してくれた。

大きく分けて二種類。

筋トレとして、そのまま体幹に関する筋肉を鍛えるもの。

そして、体に体幹を使ってバランスを使う事を覚えさせる、もしくは思い出させるもの。

前者はすぐには結果は出ないが、後者は割とすぐに出るらしい。


「どちらかといえば、神経系と言われる分類にはなるんだけどね」


とは風太郎さんの言だ。

もちろん、体幹に関わる筋肉が強くなれば、使う事を覚えた体はフルにその性能を引き出せる。


「よし、これなら!」


前方にはアホなMFとようやく顔を出しつつある龍が同じラインに居る。

が、お前らはそのまま囮になってもらう。

大げさに手で前に行けと指示し、MFと龍に敵の意識を向けさせた。

で、俺は俺で前じゃなく、中に入らせていただこう。

そのためには横に居るDFを振り切らなければならない。


「邪魔だ!」


ここで急停止。

狙うは横移動の依子式ストップ&ゴー。

が、普段なら左右を選べるが、ライン際に居るため内側、つまり左側以外に選択肢は無い。

いつもよりも早いタイミング、相手が前に回り込むかというタイミングで内側のサイドに切れ込み、ついでに相手を制するように右手で軽く押しつつ、その勢いも利用して加速した。

そのままスピードを上げながら、斜めにドリブル。

ゴールまでの最短距離を突き進む。

この分なら、抜いた相手や他の敵がチェックが届くのはペナルティの手前。

龍はいつの間にか中央に陣取って、パスが出来る位置にいた。

しかし、背後に加地のマーク。

そして、うちのFWはDFに挟まれ、ポストプレーする気満々で動き出す気配が無い。

ボランチどもは俺の後ろについて、ちっとも上がろうとしない。

最後に俺の右側にいるMFは余裕でパスを受けれるが、とにかくお前には出さん。

ほんとにどうなっているんだ! このチームは。

まったく! ビハインドだというのに! 監督から積極的に行けと指示があったというのに!

トップスピードで駆けあがっているため、考える時間は少ない。

――――――もう面倒くさい。

なので、ミドルシュートをブチ込むことにした。

こちとら元ボランチでミドルは得意とするところだ。

俗に言う宇宙開発―――ゴールの遥か上に飛んでしまう事になったとしても奴らが使えないせいだ、うん、仕方ない。

左足を大きく踏み込む。

しっかりと地面をとらえ、バランスが崩れない。

これも風太郎さんのトレーニングの効果か?

トップスピードでシュートをしっかりと撃つことは意外と難しい。

ボールも速く動いているし、片足で立つ事、止まる事すらもなかなか簡単な事ではない。

しかし、体の軸はブレず、勢いも殺すこともなく、シュートモーションに入る事が出来た。

これならスピードと自分の体重を乗せられる。


「行っけぇぇ!」


右足にこれでもかというインパクトを伝え、ボールは放たれた。


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