第4話
遅くなってごめんなさい。
おいおい、どんな確率だよ…
思わず固まったが姉さんたちが心配してるから返事しないと
って神谷も固まってんな…
『さーくん?大丈夫~?』
『お兄ちゃん具合でも悪いの?』
「あぁ、大丈夫だ。ちょっと予想外だっただけだよ」
『予想外ですか?』
『おーい姉ちゃん正気にもどれー!』
『あ、うん。大丈夫、びっくりしただけだよ』
「あー、神谷…だよな?」
『う、うん。桐生くんだよね?』
『あら~、さーくん知り合いなの~?』
姉さんたちにクラスメイトであることや、今日のことなどを話した。
『確かに同じ高校なのは知ってましたが、こんな偶然もあるんですね』
『そういうことだったのね~』
『じゃあ紹介はしなくていいのかな?お兄ちゃん』
「まぁついさっきまで会ってた相手だしな。問題ないだろ」
『それもそうね~。でもさーくん、みーちゃんに顔は見せたの~?』
「いや、見せてない。けど身内みたいなもんだしいいか」
神谷ならまぁ…大兄さんの妹ってことで問題ないだろ。
『美月も見せたらどうでしょう?朔夜君ならよき理解者になれるかと』
『そうなの?桐生くんなら…うん、大丈夫だと思う』
「まぁ俺の方から先に見せておくよ。ちょっと待ってな」
『朔兄も姉ちゃんと同じだったのか…』
眼鏡を外して、オールバックみたいに前髪を後ろに流せばいいか?
幼少期から誘拐に拉致、変質者などがあまりにも多く、犯罪に巻き込まれかけることが度々あった。
だから隠すように家族に言われて、俺は前髪を伸ばして度のない眼鏡をつけてる
おかげでその後は平和だ
「これでいいか?顔出すの久々ですごい違和感あるんだが」
『大丈夫よ~さーくんカッコイイわよ~』
『カッコイイですよ、朔夜君』
『お兄ちゃん相変わらず美人さんだよ!何の問題もないよ!』
『朔兄キレイだな!女性でも通せそうだぜ!』
「姉さん、大兄さんありがとう。朝陽、那月それは褒め言葉とは言わん」
『桐生くんカッコイイ…隠すなんて勿体無いよ』
「ありがとな、厄介ごと回避の為に隠してるからなぁ・・・」
『そっか。私だけ見せないのも不公平だよね…ちょっと待ってて』
そう言って神谷も眼鏡を外して前髪を左右に分けた。
そこにあったのは優しげな垂れ目に、小さめな鼻とほんのりピンクな唇
バランス良く配置されたとても可愛い顔だった。
凄まじい美少女だ。
『みーちゃん可愛いわ~』
『みー姉可愛い!』
『可愛らしいですよ。久しぶりに見れましたね』
『姉ちゃんの顔見たの久々だなー!』
「予想はしてたが…想像以上だったな。可愛いぞ」
『あ、ありがとう…』
神谷は林檎のように真っ赤になって照れている。めちゃくちゃ可愛い。
顔出した方が可愛いだろうとは思ってたけど、やっぱ人に見せんのはダメだな
変なのが湧くぞこれ。
『お兄ちゃん!どうせだし名前呼びにしたら?』
『そうね~もう家族みたいなものだからいいんじゃないかしら~』
『そうですね。もちろん本人たちさえ良ければですが』
『他人行儀なのもな!』
「俺は構わないけど…」
『私も大丈夫だよ』
「そうか、じゃあ改めてよろしく。美月」
『よろしくね、朔夜くん』
妙に照れるなこれ…家族以外で名前呼びされるの初めて…か?
かみ…じゃなくて美月も真っ赤だし。
今まで大兄さんの名字を知らなかったと言ったら、改めて自己紹介を受けた。
今まで不便もなかったとは言え、知らなかったのはな…
あと姉さんと朝陽は既に美月とは面識があったらしく、よく通話してたそうだ。
弟がいるとは聞いてたけど、朔夜くんとは思わなかったと美月に言われた。
俺も予想外だったよ…大兄さんとはたまに通話するけど、姉さんの話題か勉強関係だったし。
そういった雑談をしていたが、ふとゲームのことを思い出した。
「そういや、全員でゲームやるんだよな。もう開始されてたっけ?」
『開始は明日の朝9時から!でもキャラクリはもう出来るよ!』
『今日のうちに作成するといいわよ~』
『先に作って名前の確保をしておくと良いと思いますよ』
『名前の重複は出来ないからな!』
重複は出来ないのか、なら間違える心配もないな。
「なるほどな。もう遅いし、今から作って置いたほうがいいか」
『そのほうが良さそうだね。私も今から作って来るよ』
『あ、待って!βテスターは特典コードあるから今のうちに渡しておくよ!』
『そうだったわね~。じゃあ私とあーちゃんのはさーくんに送っておくわね~』
『では僕と那月の分は美月に送っておきますね』
『コード1つでランダムガチャが1回出来るんだ!コードは3つまで使えるぜ!』
「わかった。ありがとう」
『ありがとうね』
そのまま休み中に里帰りするかどうかの話の流れになった。
どうやら実家も近かったらしく、地元の夏祭りに合わせて美月と一緒に里帰りすることになった。
それまではゲームで遊ぶのが確定したが…宿題先に終わらせとくかね…
「キャラ作成もあるし、先に落ちるよ」
『私もそうしようかな』
『分かった!またね!』
『お休みなさい~』
『はい、お休みなさい』
『分かった!おやすみ!』
「あぁ、おやすみ」
『おやすみなさい』
まだちょっと混乱してるし、水でも飲んでくるか…
水分補給して戻ったら個人チャットが着てた。
さっき言ってた特典コードと、起動前に入力画面があるので忘れないように…か
あ、そういや勇気にもメールするんだったな。
福引でVRとEWO手に入ったから、中で会ったらよろしくっと
まぁこれでいいだろ・・・って返事早いなおい
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宛先:朔夜
件名:Re:
内容:
すげー豪運だな!
キャラ名分からないと会えねーよ!
俺はブレイブだ!
特典コードこれな!
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本文と・・・こっちはコードか。
コードのお礼とキャラ名はあとでメールするっと、返信。
とりあえずVRギアのセッティングするか。
えーっとこれはパソコンに繋げてこっちはコンセントっと
スキャンは終わってるから、あとはEWOのインストールだな。
2時間かかるのか・・・ん?これは注意書きか
『初めて起動される場合は真っ白な空間に出ますがバグではございません。
お客様のプライベートエリアとなっておりますので、お好きにカスタマイズが可能です』
ふぅん…そんなものもあるのか…
カスタマイズとか趣味が出そうだな。
さて公式と…念の為に攻略サイトも流し見するか。
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なるほどね、大体分かった
とりあえず大事なとこは、SPとBPだな。
SPはスキルポイントの略称で、消費することでスキルを取得出来るものだ
あと進化や統合に使えるとか。
初期に10ポイントが与えられて、レベルアップ時に2ポイント手に入る。
もちろん消費しないでスキルは得られる
それなりに大変だが行動次第で入手出来て、いらないスキルは破棄が可能。
ただし、破棄してもSPは手に入らない。
破棄したスキルは倍のSPを消費して再度取得可能だ。
次にBPはボーナスポイントの略称で、ステータスに割り振ることが出来るものだ。
初期に15ポイントが与えられて、レベルアップ時に5ポイント手に入る。
これは振り直しが効かないらしく、ステ振り次第で進化が変わる可能性があると議論されてた。
次に、キャラ作成には3通りの方法があって
1つ目がクリエイト
これは0から作り上げる方法で、これだと顔も身体も自由に作れるとか。
ただしちゃんと調整しないと違和感バリバリだそうだ。
あと差がありすぎると、動きに違和感を感じる可能性がある。
2つ目がスキャン
スキャンは現実の見た目をベースとして
ある程度の調整…例えば身長や体型を±10cm以内なら変更可能で色彩と髪型も変更可能。
種族特性の筋肉質とか美形補正とかが適用される。
3つ目がリアルスキャン
リアルスキャンは見た目だけじゃなく、運動神経や頭脳がそのままステータスに反映される。
そして身長や体型は一切弄れないが、色彩と髪型の変更は可能だ。
美形補正や筋肉質などは適用されないが、種族特徴の耳の形などが適用される。
なお現実に影響しないように、最先端の技術で記憶に残りにくいように処理されていて
これにより現実での犯罪に巻き込まれる事は激減されてるとかなんとか。
と言った具合だ。
ほとんどの人が2つ目を利用してるみたいだが
運動神経や頭脳に自信があるか、作成したキャラの能力で違和感を感じる人は
リアルスキャンを使ってるそうだ。
それに最初から作るってかなり難しいらしいしな…
ピロリロンッ
お、インストールが終わったか。
戸締まり確認してからログインしよう。
あ、美月にもチャットで注意を促しておくか…
うん、あっちも問題なさそうだ。
こっちも問題なし、冷房もつけたし…
先にコード入力をやっておくか、確かここのページに…
よし、これでゲーム開始時に手持ちに入ってる…はずだ。
じゃあギアつけて横になって…念のためにブランケットはかけておこう
確か音声入力だったな。
「スタート」
途端に意識が沈む―――・・・
何か眩しい…ここは…プライベートエリア…だったか?
好きにカスタマイズ可能だったか…
じゃあ和室にして俺の見た目はスキャンした物でいいや。
髪は下ろしたままで服装を浴衣に変えとこう。
部屋の中は…
座布団にちゃぶ台、上にはお茶とみかんと…かるた?
設定とネットの絵柄に、こっちはEWOのロゴ…
なるほど、ギアに入ってる物をこれで選ぶのか。
EWOのかるたを手にとる
《Evolving World Onlineを起動しますか?》
《はい/いいえ》
はいをタッチ。
かるたが粒子になって襖に流れて行った
ふむ開けてみるか。
ちゃんと考えずに思いつきで書いてたら色々設定が破綻してました。
書き溜めしてたのも少しずつ書き換えてます…
小説書くって難しいですねぇ…