第3話
戻ると携帯を見てる神谷がいた。
うーん…やっぱり神谷は顔出したほうが可愛いと思うんだけどな
まぁ隠してるっぽいし言わないほうがいいか…
にしても、女の子が待っててくれるっていいよな
なんて考えてたら向こうが俺に気づいたようだ。
「あ、おかえりなさい」
「おまたせ。行くか」
「うん」
そのまま一緒に店を出て、帰路に着く
「特等ってなんだったの?」
「VRギアとEWOのセットだった」
「すごいね。確か今売り切れ続出してるって聞いたよ?」
「俺も品薄だとは聞いてたけど、景品にするくらいだからなぁ」
「桐生くんってゲームとかするの?」
「昔は妹とよくやってたぞ。VRじゃなくてレトロゲームだが」
「妹さんいたんだ」
「あぁ、姉と妹がいる」
「女系家族なんだね。うちは兄と弟がいるよ」
「そっちは男系家族か」
「そうなるね」
色んな話をしながら歩いてると、見慣れたマンションの前で神谷が足を止めた
「あ…このマンションだよ」
「え、ここに住んでるのか?」
「うん、そうだよ?」
「…俺もここに住んでるんだよな」
「え…そうだったの?」
「あぁ、俺は302号室」
「私301号室…」
思わず神谷と顔を見合わせる
クラスメイトがまさかのお隣さんとは…
今まで気づかなかったのは…登校時間の違いか?
「こんな偶然もあるんだな」
「びっくりしたね」
「とりあえず行くか」
「うん。改めて、お隣の神谷 美月です。よろしくお願いします」
「あぁ、隣の桐生 朔夜です、よろしく」
神谷と笑いながら改めて挨拶を交わす。
3階につくと、301号室の前に宅配業者がいた
どうやらこちらに気づいたようだ。
『すみません。神谷さんでしょうか?』
「はい。神谷は私ですが」
『お荷物のお届けになります。こちらにサインか印鑑をお願いします』
「はい」
『ありがとうございました!』
「ご苦労さまでした」
サインをもらって業者がすぐに帰っていった。
にしても荷物重そうだし…手伝うか
「大丈夫か?手伝うぞ」
「あ、ありがとう」
「先に荷物だけ部屋に置いてくるな」
「うん」
さっさと自分の家の玄関を開けて部屋に荷物を置いて戻る
鍵は…いいか
すぐに戻って荷物を拾い上げて、神谷に玄関を開けてもらう。
間取りは同じだからキッチンに向かって、テーブルの上に重いダンボールを置く。
「ここでいいのか?」
「うん、ここでいいよ。ありがとう」
「どういたしまして。見た目以上に重かったな」
「弟が送ってきたみたい。食料とかだと思うけど…」
「ついでに他のものも入れたんじゃないか?」
「なのかな?ちょっと開けてみよう」
「手を切らないようにな」
「だ、大丈夫だよ!」
思わず口に出したら、また神谷の耳が真っ赤になっていた
思わず弄りたくなるんだよな・・・
小学生の心理なのは自覚してるけど、一向に治らないから仕方ない。
「あれ?これって…」
「VRギアとEWOのパッケージ…と食料だな」
「あ、手紙も入ってた」
今日はよくVRギアを見るな…品薄じゃなかったっけ?
神谷が手紙を読み終えたようだ
「一緒にEWOやらないかってお誘いで送ってきたみたい」
「なるほどな。俺もやるつもりだからEWO内で会ったらよろしく」
「うん、その時はよろしくね」
「あぁ、俺はそろそろ帰るな」
「うん、今日は色々ありがとう」
「どういたしまして。何かあったら言ってくれ」
「うん、その時は頼らせてもらうね」
帰宅っと
さすがに女の子の部屋に入るのは緊張するな…姉さんと妹はノーカンだ。
カウントする人は居ないと思うが。
ちゃっちゃと風呂に入って飯を済ませてきた。
さて、姉さんに連絡を入れるか
毎回連絡する時はパソコンでカメラ通話だ
携帯だと金かかるしな。
♪~~♪~~♪~~♪
『は~い。さーくん元気~?』
「あぁ、元気だよ姉さん」
『今あーちゃんも来るからね~』
画面には黒髪をストレートにしたつり目がちの姉・桐生 光莉がいる。
俺が言うのも何だが、かなりの美人だ。
しばらくして奥から走りながら入ってきたのは
黒髪をハーフアップにした大きな目をした妹・桐生 朝陽
これまた美少女だ。
『お姉ちゃん!お兄ちゃんから連絡きた!?』
『あーちゃん、丁度今繋がったとこよ~』
「朝陽…もう少し静かにな」
『あ!お兄ちゃん久しぶり!元気だった?』
「おう、お前は…元気だよな、うん」
『えへへ~あたしは今日も元気だよ!』
『あーちゃんが元気じゃないときは風邪の時くらいよ~』
「それもそうだな。ところで話変わるんだが、2人はEWO知ってるか?」
『もちろん知ってるよ!』
『えぇ、知ってるわ~。さーくんも興味あるのかしら~?』
「興味あるっていうか…今日福引でVRギアとEWOのセット当ててな」
『お兄ちゃんすごい!今手に入りにくいのに!』
『すごいわね~ならみんなで出来そうね~』
「あぁ、2人なら知ってるだろうと思ってな」
『あたし達はβテスターだから、分からない事があれば聞いてね!』
『私とあーちゃんと大ちゃんと弟さんのなーくんでやってるのよ~』
「テスターだったか。大兄さんもやってるとは…というか弟いたのか」
『えぇ。妹さんもいるわよ~』
『どうせならこのまま通話繋げない?那月もみー姉にVR一式送ったらしいし』
『それもそうね~。ちょっと待っててね~』
「あぁ、分かった」
ピロンッ
音と共に画面に映ったのは
ノンフレーム眼鏡をかけた優しげで知的な雰囲気のあるイケメン
姉さんの彼氏の大樹さんだ。
その横にはヤンチャそうな見た目の美少年がいるが、恐らく弟さんだろう
そういや名字聞いてないな…
『お邪魔します。久しぶりですね、朔夜君』
「大兄さん、久しぶり」
『初めまして!兄ちゃんの弟の那月です!朝陽…さんとはクラスメイトです!』
「初めまして、朝陽の兄の朔夜だ。よろしくな。あと普段通りでいいよ」
『分かった!あと朔兄って呼んでいい?』
「構わないよ」
『あとはみー姉かな?ということでそっちに任せるよ!』
『僕の方で追加しておきますよ』
ピロンッ
音と共に映ったのは
三つ編みをして長い前髪に眼鏡で顔がよく見えない女の子…って、あれ?
『兄さんこれでいいの?あれ…?』
『ええ、いいですよ。どうしました?』
『姉ちゃんどうした?』
『さーくん固まってどうしたの~?』
『お兄ちゃん?』
そこにいたのは見覚えのある…数時間前に会っていたクラスメイトの顔だった。
ちょっと考えてた設定に無理があったので色々変更のために更に遅れそうです。
思いつきで書き始めると改善点がいっぱい出てくる…