第17話
大変お待たせしました、やっと勇気くん出番です。
でも動物との触れ合いがメインになってるような?
あくまでも私の体験ですので、書いてある通りにすれば良いとは限りません。
アレルギーに耐えつつもふってた成果です。
ニクスを撫でながら逃避をしていたが
いい加減見るか…
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『魅了する者』
多くの者を魅了した者に与えられる称号。
〔スキル《魅了無効》会得・好感度上昇率大〕
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好感度は…住人に対してだろうけど、魅了無効…?
確かこっちでもサイトは見れたよな…
…つまり状態異常に魅了というのがあり、効果は掛けた相手に一定時間服従する…と
あと本来は装備を脱いでもインナー姿になるらしいが
成人向けの機能でインナーまで解除可能…つまり全裸になれる設定があるとか。
その設定をしている人が魅了に掛かると色々とアウトになる…らしい
未成年にはモザイクがかかるから問題ないとかあったが…うん、いらん情報が増えたな。
ええと、状態異常はステータスのMIN(魔法防御力)が高ければある程度抵抗が出来るが
スキルの[〇〇耐性」の方が効果が高い。
耐性は[小・中・大]の3段階あり、その最上位として無効が存在する。
今回の称号で一番上の無効が入手出来た、と
良いものだけど…他の名称なかったかなぁ…
他の状態異常も確認出来たから、とりあえず良しとしよう。
ただあくまでも、β時代の情報だから変更されてる可能性も視野に入れるべきか…
いや今の問題はそこじゃない、深く息を吐いて思考を切り替える。
そしてちらりと周囲に目を向けると
足元で小、中型の犬たちが尻尾を振りながらお座りし。
空いてた隣のスペースで、複数の猫が団子のように折り重なりながら俺に頭を擦り付け
俺の肩やベンチの背もたれに止まり、綺麗な声を響かせる小鳥たちに
どこから来たのか、ふさふさな尻尾の栗鼠たちまで居る。
そして光は弱いが、俺の周囲を飛び回る他の様々な精霊たち。
それを微笑ましそうに遠巻きに見守っている大勢の人
この中から俺は勇気を探さないといけないのか…
むしろ見つけてもらえば…俺あいつに顔見せた事あったっけ?
…うん、記憶に無いな。
とりあえず時間になってるし、メールを…
♪~~♪~~♪~~♪
噂をすればだな
設定しておいた音楽に合わせてウィンドウが開いた。
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宛先:朔夜
件名:どこだ!
内容:
人が多すぎて見つかんね―んだけど!
何か動物に集られてるNPCっぽいのがいるし
イベントでも始まったのか?
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動物…ってもしかして
周囲を見回すと噴水の真ん前に、金髪に青目の見覚えのある顔があった。
こっちを気持ち悪い顔でガン見してるけど…俺だと気付いてる訳ではなさそうだな
…少しからかうか。
ガン見してくる勇気を見ながら、意識してにっこりと微笑む。
途端にざわつく周囲と狼狽える勇気…もといブレイブ
そのまま手招きすると、少しキョロキョロした後に自分を指差したので頷いてやる。
するとブレイブに明らかな嫉妬の視線が周囲から向けられた
そのせいか冷や汗をかいているが、キリッと真面目そうな顔をしてこっちに向かってきた。
…右手と右足が同時に出てるなー
俺の前に来たブレイブに合わせて俺も立ち上がる。
身長は俺の方が少し高めだが、特に問題はない
ニクスは俺がメールの確認をしてる時に、横にいる動物天国に混ぜておいた
今はじゃれ合って楽しそうだから問題ないだろう。
俺は微笑んだままブレイブの顔の方に手を伸ばし…
そのままアイアンクローを仕掛けた。
「あだだだだだっ!?」
盛大に痛がるブレイブと、それを驚愕した顔で見てくる周囲の人
ちなみにブレイブの接触設定は全て可だ。
大量に届いていたメールに設定しておけの言葉と共に、聞いてもいないのに書かれていた
俺の方は自分から触れる場合は反応しないとあったので、安心して仕掛けることが出来た。
「誰がNPCだって?なぁブレイブ」
「うぇええ!?まさかお前、さkあだだだだっ!」
「こっちではシェイドだ」
笑みが黒くなってる自覚はある。
気付いたのか、本名を呼ぼうとしたので手の力を少し強める
何かギリギリ音が聞こえたけど、気のせいだよなうん。
「わかった!俺が悪かったから!ギブウウウッ!」
仕方ないから手を離すと、ブレイブが顔を両手で抑えて蹲った。
笑みを消して冷めた目で見る俺
何だこの構図。
ピロンッ
[スキル《掴む》を取得しました]
おや
「《掴む》覚えたわ」
「今のでだよな!?謝罪は!?」
「スキル上げにもう1回やっていいか?」
「すいませんした、勘弁してくださいっ!!」
プライドを投げ捨てて…いや、元から無かったか?
土下座して懇願してくるブレイブ。
それを無視して元の場所に座り直すと、群がってくる動物たち
可愛いので撫でておく。
「とりあえずお前の顔が気持ち悪かったんだが」
「スルーの上に罵倒!?」
土下座体勢のまま驚愕した顔を上げて見てくるブレイブに頷く
「鼻の下を伸ばしてガン見とか気色悪いぞ?」
「正直すまんかった」
そのまま謝ってきたのがシュールだな
その体勢のまま何かのウィンドウを弄って、こっちを見てまた弄って消した
まぁ、マーカーの確認だろうな。
「…確か知り合って1年経つよな?」
「そうだな」
「…俺今までお前の顔知らなかったんだが?」
「俺もさっき気付いた」
ブレイブはそのまま項垂れていた。
周囲は俺たちの会話を聞いて尚も驚いた顔をしているが
中にはブレイブに憐憫の籠もった視線を向けてる人もいる。
その間も俺は膝に乗ってきた動物たちを撫で回している。
首輪をしているしどこかの飼い犬に飼い猫だろうな、毛並みがとても良い
手櫛のように指を滑らせると、どんどん顔が蕩けていく。
多くの犬は下顎や喉元を指先でくすぐると喜んでくれるが
他にも耳の付け根…両手で顔を包むようにして指先でマッサージのように撫でるとか
落ち着いてる様子なら、そのまま眉間の間の溝をなぞる感じで撫でると効果が高めだ。
ただし、いきなり正面から触り始めると警戒する子もいる。
あとはお腹を見せたら、胸からお腹にかけて掌全体で優しく撫でると良い
お腹を見せるのは服従もあるが、信頼されてる証でもあるしな。
猫に関しては犬以上に個体差が強いが
顎下からの首周りは高確率で喜んでくれる。
後ろ脚で掻くこともあるから、強めでも大丈夫だ
顔の鼻すじに頬の辺りも優しく撫でるのも良い、ただ目に近いから嫌がる子もいるから注意な。
お腹周りは柔らかい部分だからこそ、信頼関係がないと怒る
あとは尻尾の付け根を軽くトントンと叩いてやると、尻尾を立てて喜ぶ場合もある
猫は気まぐれだから根気良く頑張るしかない。
というかここの犬猫たちは随分と人懐こいな
嫌がる気配一切ないんだが…
蕩けきった顔で伸びきって動かない子は、足元の当たりに横にしている
それでも次から次へと動物が膝にやってくる。
椀子蕎麦か?
犬と猫が蕩けたと思ったら、今度は栗鼠だ。
栗鼠の尻尾はふさふさしているが、軽く撫でる程度にして頭や身体をメインで撫でると良い
あまり知られていないが、栗鼠の尻尾は簡単に抜けてしまう。
二度と生えてくることはなく、その上感染症などの可能性も出てくる
まぁゲームだから変わってるかもしれんが…気をつけるに越したことはないだろう。
ついでに言うと
栗鼠が食べ終えた松ぼっくりは、エビフライみたいになってて中々に面白い。
森の中に落ちてたら、そこに生息してる証拠だな。
それにしても、リスのほっぺ柔らかいなぁ…
むにむにしていたら蕩けていたので、俺にくっついてるニクスに乗せておく
すでにこの子で3匹目だ。
ピロンッ
[称号『テクニシャン』を取得しました]
…俺は何も見なかった
「…おーい、俺のこと忘れてない?」
ブレイブが恐る恐る話しかけてきた
そういやこいつ居たな。
「そういえば居たなって反応やめて!?」
「すまん、忘れてた」
「こんちくしょう!」
地面をダンッと殴りつけてる。
まだ土下座の姿勢だったのかこいつ
ともあれ
「動物たちが驚くからやめろ」
「申し訳ございません」
少し睨みながら声を低くして言うと、即座に謝罪が入った。
そんな怖かったか?
「そ、そういえば掲示板で騒がれてるシェイドってお前のこと…だよな?」
「あぁ、色々と情報投げてもらってるし」
そもそも名前重複出来ないんだし、と続けると納得した顔をして頷いている。
「てことは四天王と…」
「その四天王ってのはなんだ?事あるごとに聞こえてくるんだが」
「知らんのか!?」
驚愕の顔で見てくるブレイブに頷く。
すると長ったらしい説明が始まったので
聞き流しながら鳥を撫でる。
基本的に鳥は撫でるという行為に慣れていないものだ
嘴でつついたり、体を寄せ合うことが愛情表現になる。
手に乗るまでの工程は要約させてもらうとして
撫でる際に、背中側は嫌われる可能性があるのでやめておくこと。
喜ぶのは嘴の付け根や後頭部などの、自分では届かない場所だな
あとは耳の辺り…これは目の横の、周囲と違う形の羽が生えてる部分だ。
脇の下辺りも喜ぶが…判断が難しいから最初はやめておくといいかな
撫でる際のコツは、羽を逆立てるように優しくだ。
鳥たちを撫で終わると同時に説明が終わった。
要約すると
βテストで目立った一部の人たちは二つ名を付けられたそうだ。
その中でもぶっちぎりで人気があった
兄さん、姉さん、アリア、ヴォルフの4人を総称して「四天王」と呼ぶとか
トッププレイヤーだからこその尊敬を籠めて呼んでるそうだ
むしろ悪役に聞こえるんだが…まぁいいか。
そしてその四天王の身内である俺とセレーネは注目を浴びてる、と
…面倒だな
「なぁなぁ、アリアちゃんとセレーネちゃん紹介してくrすんませんでした!!」
馬鹿なことを言ってきたブレイブに、目だけ笑ってない笑顔を向けてやると
すぐに土下座して謝ってきた
周囲も視線を逸してるから、余程怖いんだろう。
「そ、そういえば普段から顔出さないのか?」
ブレイブが周囲に聞こえないように小声で聞いてきた
こいつなりの気遣いだろう。
「変なのが寄ってきて鬱陶しい」
「そうか…」
特に不便もないし、今の所変えるつもりはない
まぁ絶対に見せないわけじゃないから、今後どうなるかはわからんが。
この当時はまだ・・・耐えられたんや・・・
アレルギー悪化すると生死に関わるので無茶なさらぬように。
あと魅了するやつが魅了にかかってどうすんのって感じで考えた結果無効になりました。
ご都合主義で流してください・・・




