第14話
少々忙しく、屍になって帰宅するので執筆時間が取れていません。
なので今回はストックの投下になります。
エルドと分かれてから街中に入ると、門から少し離れた位置に兄さん達がいた
そしてその周りに人垣…うん、いつもの事か。
そういえば、ニクスは人混みは…大丈夫そうだな。
むしろ耳を忙しなく動かして興味津々とばかりに周囲を見回してる
問題無さそうだからそのままみんなと合流。
「待たせて悪い」
「大丈夫よ~」
「こちらも今終わりましたから、問題ないですよ」
「私達も掲示板見てたけど、見事に祭りになってたよ!」
「運営まで出てきたからな!」
なんでも俺がガチャで引き当てた品々のことで
運営が引き篭もらせようとしてるんじゃと邪推した人が運営に諌められたとか…
なんだそりゃ…
「あとシェイド君が最高値のLUK値を叩き出したそうですよ」
「さすがだね!」
「BPでは振れないものね~」
「あぁ、そう…」
そんな事実、俺は知りたくなかったよ…
ため息をついていると
フラニスたちが慰めるようにすり寄ってくる
それを見てニクスも同じように頭を擦り付けてくる。
「ありがとな」
礼を告げてそれぞれを撫でてやる
兄さんたちだけじゃなく、周りに居た他の人達もほっこりしながらこっちを見ている
何だこの空気…
「それじゃあ、ギルドに報告に行こっか!」
「クエスト達成の報告か?」
「ええ。基本的にいつでもいいですが、早めに報告して次を受領しておくと楽なので」
「リアルの夜とか混み合うからなー!」
「ギルドはね~いつでも開いてるけど~お店によっては閉まるのよね~」
もっと聞いてみると
ゲーム内はリアル6時間でゲーム内の1日で、リアル1日でゲーム内4日になる
社会人ゲーマー達を考慮した仕様だそうだ。
現実と同じにすると常に夜だもんな・・・それは堪えそうだ
冒険者ギルドが常に開いてるのも混雑回避の為だと運営からの回答があったらしい。
それと夜に閉まってる店とかは、ここにも生活があると思わせる為だとか
住人を蔑ろにされない為の工夫じゃないかと最後に兄さんが付け加えた。
結構面倒なんだな
時間に関しては視界の右下に見えるように設定した
さすがに時間忘れましたはまずいからな。
ちなみに今は夕暮れに差し掛かり始めた頃だ。
白色を基調とした街にオレンジの色が映える
とても綺麗だ。
「綺麗だねー…」
「ゲームとは思えないよね!」
「だから異世界ってみんな言うんだよなー」
そんな話をしつつ歩いてると、冒険者ギルドについたので中に入る
相変わらずエルフと兎獣人の受付嬢のとこには行列が…
厳つい熊さんのとこには閑古鳥。
朝より人が多いがそこは変わらなかった
俺たちには助かることだし、まぁ放っておこう。
そのまま兄さんが受付に向かい、俺たちは人が多い事もあって隅の方に移動した。
何故か周囲が一定の距離を空けてくれたが…狭いよりはいいか
やっぱりここでも視線を浴びまくってるな…
気にせずにニクスを撫でる。
エルテラがニクスの腹部分に埋もれて眠り、アクシアも腹部分に埋もれながらニクスを撫でていた
フラニスとウェネルは俺の髪で遊んでる。
うん、自由だな
「兄ちゃんどうしたんだ?」
「お兄ちゃん笑ってるけど、どうしたの?」
「顔が緩んでるわよ~」
「嬉しそうにも見えるよ」
あー、顔に出てたか。
可愛くて思わず顔が緩むんだよな
とりあえず現状の説明をすると納得したように頷かれた。
「なるほどなー」
「お兄ちゃんの説明で納得は出来たけど」
「直接見れたらねー」
「あとで~動画の撮り方教えるわね~」
「動画?」
なんでも撮った動画や、配信をすることで大勢のプレイヤーと共有出来るそうだ。
どちらも見てる側が好きにコメントを残せる仕様で、検証などに多く使われているらしい
あとはボス戦や、レアモンスターとの戦闘などがあったり
中には旅をする所を配信してる人もいて、綺麗な景色などで人気だとか。
その為にはコミュニティを作るが…
複数人で一つのコミュニティを作る事もできるらしく、兄さん達も作ってあるそうだ
なので俺たち2人もそちらに参加させてもらった。
そして動画も配信もSSと同じで相手の許可を取らないとモザイクが掛かる事
目に関わるスキルを持っていると、その仕様が適用される事などを注意点として説明してもらった。
俺の場合だとフラニスたちの姿が普通に映るそうだ
まぁそうじゃなきゃSSに映るのはおかしいもんな。
今度撮ることを約束していたら目の前にウィンドウが開いた。
クエスト達成の文字と、報酬の500Gが書かれたウィンドウ
そして新規クエストの受領ウィンドウだ。
全員で確認を済ませると、兄さんが戻ってきた
「終わりましたよ。それぞれにウィンドウが出たと思いますが…」
「全員大丈夫よ~」
姉さんの言葉に全員が頷いた
「それでこれからどうする?」
「そろそろお昼時よね~」
「今から出ても半端になりそうですね…」
時間を確認すると11時半を回っていた
結構な時間採取してたんだな。
確かにこれだと中途半端になるな…
あ、どうせだしホームの確認に付き合ってもらおうかな?
「なら、ホームの確認に付き合ってもらえるか?」
「あ、いいね」
「良いですね」
「そうね~見てみたいわ~」
「レア度も高かったし、期待出来るよね!」
「楽しみだな!」
レア度が高いほど良いものだっけか
なんでも、レア度で最大の広さが変わるとか。
俺が引き当てたのは…うん、深く考えないようにしよう
とりあえず了承は得られたから、インベントリのマイホーム権を使用すると
俺の手元にアンティーク調の鍵が浮いたまま現れた。
空いてる右手で掴んで鑑定
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『ホームキー【シェイド】』
キーを持って鍵を開ける動作をすることで使用出来る。
イベントフィールド及び戦闘中は使用不可。
複製可
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なるほどね
一応伝えておこう
「戦闘中に使えないのは仕方ないねー」
「ですが特定の場所に行く必要がないのはありがたいですね」
「移動するのもあれだし、ここで使うか」
全員を見ると、苦笑しつつも頷いていた
うん、今更だもんな。
念の為、何もない壁の方に向かって鍵を開ける動作をすると
目の前にアンティーク調の両扉が現れた。
周囲の人々が驚愕の顔で見てくるが…
俺もまさかこんな風になるとは思ってなかったよ。
扉を見ているとウィンドウが開いた
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ホームの部屋割りをご自分で決めますか?
大まかに決めて、残りを自動でも可能です。
(設備や客室等は他の方も使用可能です)
はい/いいえ/自動
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あー…これは兄さんたちに相談するか。
「部屋割り決められるみたいだけど、部屋いるか?」
「「いる!」」
猫犬コンビは良い返事だ
「全員使えるんですか?」
「そうみたいだ」
「便利ね~私も部屋欲しいわ~」
「私も欲しいかな」
兄さんを見ると頷いてるからいるっと
じゃあ部屋は6人分にして、残りは自動で。
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実行可能な設備は全て実行なさいますか?
不要の場合は消すことも可能です。
(例:お風呂、庭等)
はい/いいえ
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風呂に庭も付けられるのか
んー…あとから消せるなら付けておこう。
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『生産設備セット』及び『アンティーク家具セット』を確認
適用しますか?
はい/いいえ
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それも判断してくれるのか、はいっと。
[完了致しました。ホームの模様替えはいつでも可能です]
[ホームへは招待をした者、クランやパーティを組んでいる者だけが入れます]
[ホームを出る際は入ったところに繋がります]
[ご注意ください]
なるほど
招待してない人が入ることはないんだな。
そして入った所と出る所は一緒か…
ちゃんと伝えておこう
「つまり狩場で使うとその場に戻る、と」
「街に引き返す時間を考慮しなくて良いのは楽だね!」
「でもワープは出来ないんだなー」
「遠出には~便利ね~」
「遅くなっても大丈夫なのは安全だね」
流石に街と街の距離はあるだろうしな
ちゃんとログアウト出来る場所が確保出来るのは有り難い。
扉を開けると、何だかもやもやした空間があった。
なんだこれ
「おー、もやもやしてる」
「これはプライバシー対策の為…ですかね」
「見えないわね~」
「これなら安心…かな?」
「兄ちゃん、俺たち入れるのか?」
「あぁ。俺が招待した人と、クランやパーティメンバーしか入れないそうだ」
というと兄さんたちが納得の表情に。
周囲で見ていた人達が期待した顔で見てくるが…
さすがに知らん人を招待する気はないな
諦めてくれ。
「まぁ行くか」
背中に突き刺さる視線を無視して
そのまま全員で扉に入る。
さて、どうなっているかな…
一応投稿前に確認しましたが、誤字脱字があった場合はご一報くださるとありがたいです。




