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第10話

未だに主人公の武器が定まらず・・・どうしよう・・・

教会を出て噴水広場を横切って行くと、朝よりも人が増えているのがわかる

さすがに初日だと人多いな…


フラニスたちは遊び疲れたのか

俺の肩や頭に乗っかっている。


「実を言うと、あの方法で回復魔法を覚えられるかはセレーネ次第だったんですよ」


兄さんが悪戯っぽい笑みをしながら言っている


「私次第?祈るだけなら誰にでも出来ると思うんだけど…」

「ええ。ですが覚えられるのは一握りだけなんです」

「同じ行動しても覚えられなかった人もいたのよ~」


同じ行動でもダメってことは…


「つまり思考が定まってないとダメなのか?」

「その可能性が高いと言われてますね」

「ついでに貰おうって考えだと全くダメだったらしいよー」

「おまけ感覚はダメってことだな!」

「あとは~好感度もあるんじゃないかしら~」


まぁ祈る訳だしな…ちゃんと心から願えってことだろうか。

好感度っていうと、あの受け答えかな

乱暴口調の相手に良い印象は持たないもんだし。


「じゃあそれで覚えられない人は…」

「ええ。SPを使って覚えますね」


やっぱりか

でもSP消費は痛いな…レベルアップ以外で入手は出来ないんだろうか?


「レベルアップ以外でSPは手に入るのか?」

「シークレットクエスト達成で手に入るらしいよ!」

「まず見つからんけどな!」

「シークレットは名前通りに見つけにくいんです、それに先着1名とかですし」

「あとは~公式イベントじゃないかしら~」


なるほど…

見つける確率がかなり低いんだな。

公式イベントは上位者しか手に入らないなら厳しいが…

というか、これならテスターのスキル引き継ぎはかなり良い特典だったな

SPの消費をしなくて良いわけだし。


「お兄ちゃんお姉ちゃん!あれが冒険者ギルドだよ!」


アリアが指差すほうを見ると

教会ほどではないが、3階建ての大きな建物が見えた

ソレが見えた瞬間に、俺とセレーネが微妙な顔をしてしまうのも当たり前だと思う。


「やっぱその反応になるよねー!」

「みんな同じ反応するよな!」

「誰もが通る道ですよ」


全員が俺たちの反応を面白がってるのがわかる。

俺たちが見た先にあったのは


木造の建物で入り口のスイングドアの左右の壁に

盾を背景にして2本の剣が交差した紋章があり

その下に大きな酒樽が置いてある

いかにも酒場と言わんばかりのウェスタンな建物だった。


なんで中世っぽい町並みの中にウェスタンっぽい建物があるんだよ…


「これ…運営の趣味か?」

「そう言われてるわ~」

「でも冒険者ってやっぱこうだよね」

「荒くれ者のイメージあるもんな!」

「だからこそ受け入れられているんですよね」

「言いたい事はわかるけど…」


うん、わかるんだけど…

すっごい微妙な気分になる…


「先にパーティ組みましょうか」

「相手を見て念じればいいのよ~」

「パーティの最大人数は6人だよ!」

「レイドってのもあるけどな!」


ピロンッ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ティユル様からパーティに招待されました

 受けますか?


 はい/いいえ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

はいっと。

参加と同時に視界の左側にみんなの名前と名前の下に赤いバーが1本表示された

確かHPバーだったか。


レイドは確か…大規模パーティだったか?

確か通常パーティ同士で組める…とか…まぁあとで聞いておこう


「じゃあ入ろっか」


と言いつつ入ってくアリアに付いて中に入る。

まぁ・・・外観通りに中も酒場っぽいな…

違うのはバーのマスターが居そうなところに受付嬢が並んでるところか。

どこのカウンターでも登録や依頼を受けれるそうだ、そこはゲームらしいな

横の方に掲示板っぽいのがある。


見た感じ綺麗なエルフの受付嬢と、可愛らしい兎獣人の受付嬢に行列が出来てる。

全員が男だが…何してんだこいつら…


俺たち全員がそれを呆れた目で見ていたが

兄さんがそのまま行列のないカウンターに向かったのでついていく。

そこに居たのは熊耳のついた厳つい男性だった。


「すみません、6人、登録をお願いします」

「わかりました。では順番にこの石版に手をおいてください」


カウンターにくっついた石版を示されたので手を付けると

軽く光ってカードのような物が現れた。


「そちらのカードが登録証です。念じるだけで出し入れできますよ」


と言われたので念じて仕舞う


「以上で登録は完了です。当ギルドの説明はいりますか?」

「いえ、大丈夫です」

「わかりました。依頼掲示板はそちらにあります」

「はい、ありがとうございます」


そのまま掲示板を見に行くと、様々な依頼があった。

ありがちな採取依頼に、雑用依頼の迷子の猫探し、討伐依頼などなど

結構種類あるんだな…


兄さんが討伐依頼の紙を引っ剥がして

さっきの熊さんのとこに行って手続きをしてくれた。

パーティの時はリーダーが受注すればいいらしい、楽だな


終わったので全員で会釈しつつそのまま冒険者ギルドを出る。

中に居た時も他のプレイヤーに見られてたしな

というかひっそりと喋ってるつもりみたいだけど、普通に聞こえてるんだよ。

四天王ってなんだ…?


「では最初は草原に行きますか」

「腕鳴らしー!」

「よっしゃ!戦闘だ!」


そのまま近くにある門へ向かう


「今向かってるのは西門です。西<東<南<北の順に強くなって行きます」

「まずは~動きを覚える為に西に行くわよ~」


確かに武器なんて使ったことない人がそんなすぐに動けないよな。

ついでに言うと冒険者ギルドがあるのは北門と西門の間だ

初心者向けと熟練者向けで間を取ってそこになってるそうだ。

ただ話を聞かない初心者が北門に行ってしまう事故もあるとか。


しかしこの門でかいなぁ・・・

ん?強面でガタイの良い門番さんと目が合った…とりあえず会釈しておこう

向こうも笑顔で会釈してくれた。


「シェイドどうしたの?」

「あぁ、目が合ったから挨拶しといた」

「そうなの?」


セレーネが向こうを見ると目が合ったらしく、お互いに会釈してた。

人間味あるよなぁ…


「私も目が合っちゃった」

「不審者が居ないか全体を見てるんじゃないか?門番なんだし」

「そっか。確かに門番さんのお仕事だよね」


喋ってるうちに外に出たが…何だこの人の数…

角の生えた兎っぽいのが出てきた瞬間にタコ殴りになってる…


「ココらへんは無理そうなのでこのまま奥に進みますか」

「やっぱ初日は人多いねー」


多いの基準を超えてると思うんだが…芋洗い場か…

そのまま森の近くにまで行くと、人がまばらになった。


「ココらへんで良いんじゃないかしら~」

「ええ。ではセレーネ、インベントリを開けてください」

「あ、杖が入ってる」

「それを取り出して手に持てば装備扱いになりますよ」


こっちは例の景品だけしか入ってないな…


「何か条件が?」

「ええ。対応するスキルがあれば初期武器が配布されるんです」

「例えば~魔法スキルがあれば杖とかね~」

「剣スキルがあれば剣がね!」

「さすがに防具はないけどな!」


なるほどな…

でも今はまだ使う武器決めてないしなぁ…


「お兄ちゃんはどうする?何かスキル取る?」

「んー…基本は生産だしな…」


というとフラニスたちが俺の前に着て、胸を張ってる

んん?


《ますたーのてき、たおす!》

《おてつだいするの~》

《まかせてー!》

《まもるー…》


思わず呆気に取られたが

まさかの可愛らしいお手伝い宣言に笑みが浮かぶ。


「ありがとう、その時は頼むよ。ただし無理をしないようにな」


俺の言葉に嬉しそうにするフラニスたち。

何事かと様子を見てる兄さんたちに説明すると

納得したように頷かれた。


「なるほど、ならシェイド君は採取などを重点的にやってもらいましょうか」

「セーちゃんの回復あるけど~保険の為のポーション欲しいわ~」

「そうだね!作ってくれるならありがたいし!」

「うまいのがいい!出来るか知らんけど!」


ポーションはおいしくないのか?


「どんな味なの?」

「「「「青汁」」」」


あぁ…それは飲みたくないな…


「何とも言えないけど、頑張ってみるよ」

「お願いね!お兄ちゃん!」

「頼むぜ!兄ちゃん!」


本気で嫌なんだな…

まぁ俺も青汁は嫌だし、頑張るか。

果物とかも採取出来ればいいなー


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