第9話
前回のお話の、精霊の口調を少し変更しました。
喋りは基本的にフラニスが熱血系、アクシアが〇〇なの~のおっとり系、ウェネルが軽めで素直系、エルテラが言葉足らずの眠たげな感じです
ふと視線を感じて姉さんたちの方を見ると、微笑ましそうな顔でこっちを見ていた。
あー…戯れてたのを見られてたしな…むず痒い…
とりあえず今後の予定を聞いておくか。
「それで、これからどうする?」
「うーん・・・教会で神父様に回復魔法を教わることかな」
「教会なんだね…神様関係なのかな?」
なるほど、回復魔法は教会か・・・シスターになるのか?
「その前に、特典を忘れてますよ」
「あら~そういえば~」
「すっかり忘れてた!」
「そうだった!」
あぁ、忘れてたな
インベントリの確認をすると、チケットみたいなアイコンがあった。
始める前に入力したコードがちゃんと合ってたみたいだな
ジッと見ると詳細が出てきた
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『特典コードガチャチケット×3』
特典コードを入力した人のみが貰えるガチャチケット。
使用することでランダムでアイテムが手に入る。
一括使用可能
譲渡不可
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「うん、チケットが2枚あったよ」
「俺の方は3枚だな。友達にゲームの事を報告したら送られてきたんだ」
納得されたのでさっそく使ってみることに
まずはセレーネが使うと…
テーブルの上にとても見覚えのあるガラガラが…
見てみると全員が微妙な顔をしてた
うん、これガチャじゃ無いよな…
「と、とりあえず回してみるね」
気を取り直して、セレーネが取っ手を掴んで回し始めると
ガラガラガラガラ・・・コロンッ 黒玉
ガラガラガラガラ・・・コロンッ 黒玉
回し終えたらガラガラは消えた
これなら場所とらずに済むな
にしても黒だとなんだろう…
「あ、高級鉱石セットと高級布セットだって」
「おおー結構良いもの出たね!」
「そういう物もあるんですね」
「おめでとう~」
「素材もでるんだな―!」
「おめでとう」
「ありがとう」
高級ってことは当たりかな。
それにしても出てくる物って
兄さんたちの方で把握してないんだろうか?
「これってリスト化はされてないのか?」
「実は公式にもランダムとあるんですよ」
「検証したくてもテスターは限られるからねー」
「ランダムだから運によるんじゃないかしら~」
「そのせいで当たり外れひどいけどな!」
ん?ということは・・・
「なぁ…これってさ、LUK値が関わってるのか?」
「え、うん。掲示板ではそう言われてるよ?」
「えぇ、それがどうかしました?」
あぁ、やっぱり…
「…最初に言ったよな?ステータスが全部3桁って…」
「あっ・・・そういえば!」
「ということは~」
「期待出来るな!」
アリアとヴォルフがわくわくした顔をして、姉さんはいつも通りにこにこしてる
兄さんとセレーネは納得してる。
うん・・・まぁ仕方ない、覚悟を決めてやるか
「ちょっと頭の方に移動しておいてくれ」
念の為にフラニスたちに移動してもらって…
さて、一括使用っと
目の前に出てきたガラガラを回す
ガラガラガラガラ・・・コロンッ 虹玉
ガラガラガラガラ・・・コロンッ 虹玉
ガラガラガラガラ・・・コロンッ 黒玉
[取得した物はインベントリに送られます]
虹に黒…ええと・・・
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『マイホーム権』
使用することでホームに入る為の鍵が手に入る。
クランホームとして設定可能。
レア度:S
譲渡不可
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『生産設備セット』
使用することでホームに設備を設置する。
ホームを所持していない場合や
ホームランクが足りない場合は使用不可。
レア度:S
譲渡可
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『アンティーク家具セット』
使用することでアンティーク調の家具を入手する。
レア度:A
譲渡可
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…うん…
レア度…あ、ヘルプあるのか
[レアリティのことです。F、E、D、C、B、A、Sの順に上がっていきます]
[レア度の上昇により入手難度が上昇していきます]
どう見ても序盤に手に入るもんじゃないよな…
俺が遠い目で黄昏れていると
「お兄ちゃん何だったの?」
「兄ちゃん何だったんだ?」
アリアとヴォルフが興味津々に聞いてくる。
だが、なんだろう言葉に出来ない…
うん、SS送ろう
どうやら届いたようで一斉に確認している。
その間にフラニスたちと戯れる
あぁ、癒やされるな~
「「「「あぁ…」」」」
「すごいわね~」
うん、俺が現実逃避してたら向こうも同じような反応してる。
兄さんまであの反応とか珍しいな
姉さんはいつも通りだけど
「ま、まぁ宿屋使わなくて済むからお金が浮くよ!」
「だな!それにクランホーム買うお金掛けなくて済むぞ!」
んん?宿屋?説明にもあったクランもわからん…
兄さんに聞いてみると
宿屋はログアウトする際に利用される施設のことで
一応町中や外でもログアウトは出来るが、
肉体がその場に残るのでモンスターに攻撃を受けたりするそうだ。
街中だとスキルでアイテムの抜取りの可能性があるとか。
泊まるには一定料金かかるが安全とのこと
ついでに満員にはならないらしい、さすがゲーム。
クランはプレイヤー同士で組むことが出来るシステムで
パーティの様に一時的に組むのではなく、長期的に活動を共にするグループの事で
クランマスターと呼ばれるリーダーが1人とサブマスターが1人、他に一般メンバーに分けられる。
所属メンバーだけで会話可能なクランチャットがあって、お互いの居場所の確認も出来る。
後はクラン専用クエストがあるのも特徴だとか
冒険者ギルドで申請を出す事で作れるそうだ。
もちろん条件はそれなりに厳しく、代表者の冒険者ランクがC以上
一定以上の信頼を受けている事、設立金として10万G(お金の単位はギルらしい)が必要。
冒険者ランクは冒険者ギルドに登録することで開放されるもので
ランクはF~Sがあり、依頼の達成と共に上がっていくそうだ。
信用が大事だとか。
「てっきりお兄ちゃんはもうサイトとかで覚えたのかと思ってたよ」
「いや、一部しか見てないな」
「なるほど、分からない事があればいつでも聞いてください」
「そうよ~お姉ちゃんたちが何でも教えてあげるわ~」
「戦闘関係なら任せろ!」
「助かるよ」
ヴォルフの脳筋発言にセレーネと苦笑しながら返事を返す。
「じゃあ教会よってから冒険者ギルドよろっか!」
「そうしましょうか」
ということで個室を後にする。
支払いは兄さんが全員分済ませていた
なんでもβテスターは名前とアバター、ベータ時に持ってた初期スキルと
所持金の引き継ぎが出来るらしい。
アバターとスキルのレベルはリセットされるそうだが。
思った以上に特典ってなかったんだな…
そして外に出るとまたしても沢山の視線が向けられた。
流石にWAが流れれば見てくるよな…情報上げたわけだし…
幸いにも近寄ってくる人は居なかったから良かったけど
そのまま雑談をしつつ、フラニス達に構いながら教会に向かう。
開け放たれている大きな扉を抜けた先は
とても綺麗なステンドグラスが飾られている礼拝堂になっていた
ちらほらと礼拝者が見える。
奥にあるテーブルのような・・・主祭壇だったか?
そこには柔和な微笑みを浮かべた神父がいた。
みんなで連れ立って近くまで行き、そこでセレーネに視線を向けると
俺たちを見て頷いてから神父の元へ向かった。
「こんにちは、どうされました?」
「こんにちは。ええと、回復魔法を教わりたいのですが」
「わかりました、ではここで祈りを捧げてください」
「祈り…ですか?」
「はい、貴方がどうしたいのかを神に伝えるのです」
「わかりました」
セレーネがその場で両膝をついて、手を組んで祈り始めると
少ししてセレーネの身体が光り始めた、髪に光が反射して綺麗だな…神父が頷くと光は収まり、ゆっくりとセレーネが立ち上がった
「無事に願いは届いたようですね」
「はい、ありがとうございました」
「いえいえ、これからもその思いを大事になさってください」
「はい、では失礼します」
「ええ、またいつでもどうぞ」
全員でお辞儀をしてから外に出る
さすがに他に礼拝者がいる中で話すような物じゃないしな。
「それで、大丈夫だったか?」
「うん、ちゃんと回復魔法覚えたよ」
「それは何より。では冒険者ギルドに向かいましょうか」
「セーちゃん光に包まれて綺麗だったわよ~」
「うんうん、神秘的だったよ!」
「周りも見惚れてたしなー!」
セレーネが真っ赤になってあたふたし始めた
「そ、そんなことになってたの!?」
「あぁ、綺麗だったぞ」
「うぅ…」
冒険者ギルドがある方へ、セレーネをみんなでからかいながら向かう
本当にからかいがいあるよな…




