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第8話

お待たせしましたm(_ _)m

兄さんを待ってる間に、お茶とケーキを頂こう。

む…このケーキ中々うまいな・・・

味覚の再現度もすごいし、これなら料理も問題なく作れそうだな。

リアルでは平日だと片付けが面倒で簡単なもので済ませるが、休日とかは結構作ってるしな

楽しみだ。


「お待たせしました。終わりましたよ」


穏やかな微笑みを浮かべて兄さんがそう言ってきた。


「お疲れさま。面倒ごと任せたみたいで悪い、兄さん」

「いいんですよ。変な人たちに釘を刺す必要もありましたし」

「…本当にありがとう」

「どういたしまして」


若干笑みが黒くなってるが、本当に頼りになるな

姉さんたちはお喋りに夢中で、聞こえてないみたいで何よりだが。


「そういや兄ちゃん!接触設定と名称表示弄ったほうがいいぜ!」

「あぁ、そうですね。セレーネも呼びましょうか」


といって兄さんがセレーネに声をかけた


「どうしたの?」

「お二人に接触設定と名称表示の変更をしてもらおうかと思いまして」

「あー…もしかしてハラスメント警告ってやつか?」

「あぁ、あったね」

「ええ、それです。オプションにありますよ」


接触設定…これか。

要するに痴漢防止機能か?

初期状態では誰でも警告か…

フレンド限定と例外設定、これで身内だけにしとくか。


名称表示は…ワールドアナウンス(WA)で名前が出るのを防ぐ?

兄さんに詳しく聞くと

どうやら世界に影響のあることをやると名前が表示されるそうだ。

よし非表示一択だ。


「出来たか?兄ちゃん姉ちゃん」

「あぁ、ちゃんと出来た」

「こっちも大丈夫だよ」

「変なのはどこにでも居ますからね…」


兄さんがしみじみと言い、ヴォルフがうんうんと頷いてる

言葉に重みがあったな…あまり触れないでおこう。


「あとはそうですね…マーカーの説明ですかね」


詳しく聞いてみると

プレイヤーやNPCの頭の上にマーカーを表示させるかどうかが選べるそうだ

これは人それぞれの好みで、リアルに楽しみたい人は非表示らしい。

そしてリアルスキャンかどうかの見分けも出来るらしいが…そこは賛否両論。

まぁ色彩で顔バレは基本しないし、そもそも記憶に残りにくいから問題ないらしいが…

ちなみに表示させた場合プレイヤーは緑、NPCは灰色で表示され、敵対してる場合は赤だ。


まぁ俺はこの世界を楽しみたいし、基本的に非表示だな。

後NPCは差別用語になるらしく、住人という呼ばれ方が一般的だとか。

どうやら好感度もあるそうで、嫌われると売買すら出来なくなると

まぁ嫌いな相手に売りたくないのはわかるけどな。

本当にリアルだなぁ…


そんな会話をしてたら、精霊たちを手に乗せて嬉しそうな顔をしたアリアがこっちを見てきた


「ねぇねぇお兄ちゃん、この子たち名前は?」

「いつまでも精霊さんじゃかわいそうよね~」


アリアと姉さんの言葉に全員がこっちを見る


「名前か…」


ポツリと口に出したら、すごい勢いで精霊たちが俺の前に飛んできた。

綺麗に横一列に並んでキラキラした目で見てくる

これは…


「…名前いるか?」


聞いてみると一斉にコクコクと頷いた

すごい勢いだな…体全体も上下に動いてるし。


「精霊さんたちすごい勢いでお兄ちゃんのとこいったね」

「懐かれてるわね~」

「これは肯定ですかね」

「上下に揺れてるな!」

「これは責任重大だねー」


みんながにこにこしながらこっちを見てる。

しかし名前か、確かに大事な物だよな…

んー…よし


精霊たちを手の平に載せて、しっかりと目を合わせる。

そして間違えない為に精霊の頭に人差し指を添えながら名前を与える


赤い子は「【フラニス】」


青い子は「【アクシア】」


緑の子は「【ウェネル】」


黄の子は「【エルテラ】」


名付け終わると同時に、淡く光ってた精霊たちの光が一瞬強くなり

光が弱まると、今まで色以外見分けのつかなかった精霊たちが

それぞれ違う姿になった。


ピロリンッ


〈〈とあるプレイヤーが初めて精霊との契約に成功しました〉〉

〈〈これにより精霊の情報を開示します〉〉


〈〈精霊は魔力から生まれた存在であり、どこにでも存在します〉〉

〈〈また精霊には階級があり、下位→中位→上位と上がっていきます〉〉

〈〈精霊に望まれ、名付けをすることで契約が可能です〉〉

〈〈どの種族でも契約は可能ですが、精霊の意志によって魔法が行使されます〉〉

〈〈なおエルフ種以外は契約条件が厳しくなります〉〉

〈〈望まれずに名付けようとした場合、嫌われますのでご注意ください〉〉


そして唐突に流れるワールドアナウンス…うわぁ…

思わず顔が引きつる


《だいじょぶ?ますたー》

《おみずのむ~?》

《どこかいたいー?》

《おなかすいた…?》


心配そうにこちらを見てくる精霊たち。

ますたー…契約したからか?

あと喋り方が最初と違うのは・・・見た目が変わったことで自我がはっきりしたから…かな?

まぁ、とりあえず落ち着かせるか。


「いや、大丈夫だ」


微笑みながら告げると

途端に安心したような嬉しそうな笑顔になった。

俺の様子を見ていた姉さんたちもずっとにこにこしている


「少々予想外でしたが、無事に終わって何よりです」

「ちょっとびっくりしたわね~」

「精霊さんたち光っただけっぽい?」

「特に変わってないように見えるな!」

「名付けが契約になるんだねぇ」


あぁ、やっぱり姿が視えないから変化が分からないのか。

とりあえず見た目と言葉使いが変わった事を伝えてSSを送る


フラニスはツンツンした赤い髪に同色のつり目

アクシアはくるくるした長めの青い髪に同色の垂れ目

ウェネルはふわふわした短めの緑の髪に同色のぱっちり目

エルテラはストレートの長めの茶金の髪に同色の眠そうな目


最初の頃と大きく変わったな

姉さんたちもここまで変わるとは思わなかったようで驚いてる。

雰囲気と顔立ちで、フラニスとエルテラが男で、アクシアとウェネルが女っぽいが…

そもそも精霊って性別あるのか…?


というか、名称非表示にした意味が無い気がする…

ポツリとそうこぼすと


「まぁ…精霊連れてたのお兄ちゃんだけだしね」

「最初から連れてたから周知されてるよね」

「シーくん大丈夫よ~何かあればお姉ちゃんたちが動くから~」

「シャルの言う通りです。大丈夫ですよ」

「兄ちゃんたちが動くなら大丈夫だな!」


みんな苦笑気味にそう言ってきた。

姉さんたちがすごく心強いよ…

改めて精霊たちを鑑定してみるか


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【フラニス】火の小精霊 Lv.1

適正:火

契約:シェイド


【アクシア】水の小精霊 Lv.1

適正:水

契約:シェイド


【ウェネル】風の小精霊 Lv.1

適正:風

契約:シェイド


【エルテラ】土の小精霊 Lv.1

適正:土

契約:シェイド

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


なるほど、契約者の名前も出るのか。

情報の共有はしておくか

口答は面倒だからSS送ってっと。


「精霊にもレベルがあるんだねー」

「先程のアナウンスでも階級と言っていましたね」

「ということは~まだまだ大きくなるのね~」

「オレたちと同じ大きさになったりしてな!」

「属性じゃなくて適正って不思議だね?」


確かに…適正ってことはそのうち増えるんだろうか。

レベルもあるなら進化もありそうだなー

なんて考えてる間も


手の平から飛び立って俺の頬にすり寄ってくるウェネル

胸元に流してた髪の一部に捕まって遊んでるフラニス

右手の指に頭を擦り付けて、撫でて欲しそうにしてるアクシア

左手の平で丸まって今にも寝そうなエルテラ


どっちにしろ可愛らしいからいいよな。



「お兄ちゃんの微笑み久々に見たなー」

「シーくんかわいいわ~」

「本人に自覚がないのがなんとも」

「顔ゆるっゆるだなー」

「わぁ…」


精霊たちと戯れてる俺には、姉さんたちの声は聞こえていなかった。


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