異世界転生して宿娘始めました。
投稿途轍もなく遅くてすいません…!!
…どうも、美少女ではなく美幼女になっていた事に怒りを隠せない為、女神を絶対にぶっ叩くと魂に誓った涼太です。
やばいなぁ…情緒不安定だ…
驚きのあまり「幼女じゃん!!」と言ってしまった…
どうしたのかと年の差夫婦が振り返って来たので、なんでもないです…と誤魔化す。
宿の中の食堂っぽい場所に座らされる。
「さて…とりあえず嬢ちゃんの名前は?」
しまった…!!考えてなかった!!
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう…!
焦りが頭いっぱいに広がる。
ふと急に頭の中にネトゲの名前が浮かぶ。
「……リエル…リエル・バルフィーデル…です…」
ぶっちゃけ後ろのバルフィーデルは適当だけど…
「リエルって言うの?いい名前ねぇ
そうだ…!」
奥さんが何かを決めたかの様に席を立ち上がる。
「リエルちゃん…ウチで働かない?!
寝る場所もご飯も用意するしお給料もちゃんと出す。だからね?ウチで働かない?」
マジですか…
…女神さん運命操作とかしてないですか? なんかスローライフ方面に路線変更してない?
実は裏でダイスロールしてるとか!?いやまぁ…けど実際、衣食住が揃うし…
「わ…私で良ければ働かせてください!」
と言う訳で宿娘やりますか…!美幼女なのに中身がネトゲ廃人男って残念だけど…
「よし!そうと決まったらまずは自己紹介しなくちゃな」
オッチャンが急に手を叩いて切り出す。
「まずは店主の俺だな、エイル・ドラコディアスだ。これからよろしくなリエル…なぁこの場合ってちゃん付けとかの方が良いのか…?」
「貴方がちゃん付けして呼んだらリエルちゃんひっくり返っちゃうわよ!」
奥さんに聞き始めるエイルさん…そこそこゴツいエイルさんが真剣な表情で言うそのキャップに対して必死に笑いを堪えなければならなかった。
「次は私ね!カレン・ドラコディアスです!リエルちゃんこれからよろしくね?」「よ、よろしくお願いします!!」
さて…ここから宿娘を始めていく訳だ…
けどさ…その前に一言言わせて…?
ドラコディアスって何!!??絶対なんかあるフラグの名字じゃん!!
そんなフラグをほっぽってとりあえず話を終わらせた罰なのかは分からないが無いが、今俺はカレンさんに言われた自室で盛大に困っていた…
その理由は簡単だ。
お風呂である。
そう!ハーレムモノのド定番であるお風呂回である!
見る側なら別にいいんだよ?
見る側ならね?!
俺ね…?本人なんですよ!
この鏡の前に御座す神の様に神々しいオーラを出すこの白髪幼女…俺なんですよ!
こんな幼女してますけど中身は男の子なんですよ!
あ!娘の方じゃないからね?!
さてどうしたものかと悩みに悩んだ末に…
お風呂に俺…入ってます…
頭わっしゃわっしゃと洗いながら感じるこのやっちまった感…
ツラい…
こんな事なら美少女にして下さい!とかって言わなきゃ良かった…
しかし幸か不幸かは知らないが鏡が湯気で曇って見え無い為このスーパーダイナマイトロリボディーを拝まずに済んだ…
まぁ…ボチボチこの身体に慣れていかないと行けないだよなぁ…
「はふぅ…」
湯船に浸かりながら今後の方針について考えてみる。
まずこのままこの宿娘をずっとしていた場合確実にスローライフが確定する。
かと言って宿娘をほっぽって冒険者になろうとすれば確実にエイルさんに捕まる。
そんじゃエイルさんをチート能力使ってぶっ飛ばすか、それじゃあ余計面倒事に巻き込まれるだけだ。
そうなるとやっぱり宿娘やりながらエイルさんに強いって事を知って貰わなきゃならない。
やっぱ折衷案みたいなのになんなぁ…
そんな事を考えているとあら不思議! お風呂のドアが空いて可憐な美少女が入って来るではありませんか!
「ってカ…カ、カレンさんンンンン!!!!???」
「やっほー♪背中洗いに来たよー♪」
ちょっと待って!!
そのままコッチ来ないで!?
見えるから!
脳内に焼き付いちゃうから!!
見えちゃいけないものが見えるから!
お願いだからこっち来ないでえぇェェ!!
…凄い疲れた…
もうこれでもか!って言う位ニコニコ笑顔で寄って来るものだから怖くて怖くてされるがままに洗われた…
…女の人コワイ……
あっ…ちなみに俺何も見てないよ!目をぎゅっと瞑ってました!!
全身をくまなく洗って満足したのかカレンさんはお風呂場から出ていった…
アレで30代ってどうゆうファンタジーだよ…
充分湯船に浸かってお風呂場から脱衣所に移る。
ホカホカに温まった体をタオルで拭き下着を手にして穿く。
その瞬間俺の脳裏に電流が走る!
ちょっと待て…俺が転生して着てた服って洗濯するって言って持ってたよね?
じゃあ…この下着は…?
その答えは唐突にやって来た。
「あ!リエルちゃん!そうそう下着とか今新しいの無くて私のお古なの〜!ごめんね〜!!」
大声でカレンさんが言ったのを聞いて謎の羞恥心に駆られる俺であった…
とりあえず仕事は明日からで良いからお部屋でよく休んでと言われたので与えられた自室のベッドにダイブして寝た。
羞恥心?もう知ったこっちゃねぇ!俺はもう割り切る!体は女の子なのだと!
昼過ぎ位で寝れるか分からなかったが以外にも疲れが溜まっていたらしくあっという間に熟睡だった。
--次の日---
ベッドに沈んでいた体を起こし、思いっきり身体を伸ばす。
「ハハハ…やっぱ夢じゃねぇんだ…」
部屋を見て昨日のままだったのと鏡に映る自分の幼女姿…
取り敢えず鏡を見ながら自分の髪を整える。
髪を整え終えたので部屋を出て昨日面接っぽい事をした食堂らしき場所に入る。
「お…おはよう…ございます…」
誰もいないらしく灯りも付いてない食堂を後にしようとすると、後ろから
「おう!おはよう」と言う野太い声が急に来て背筋が反り返る。
「うひゃあ!?」
「なんだ…エイルさんか…」
「なんだ…ってちょっと酷くないか?一応この宿の店主なんだか…」
エイルさんが俯きショボーンとする。
ぶっちゃけてしまおう!ちょっと可愛い…
これがおんにゃのこの可愛いの気持ちか!!
「す…すいません!そんな落ち込まないで下さい!」
「お…おう…」
ぎこちない顔をするエイルさん…
「なんか…その…本当にすいません…」
「いいよいいよ…ほらそろそろ営業始めるから着替えておいて」
そう言って背中を押して自室の方に行かされる。
このままだとエイルさんの心が砕ける気がするので、そのまま自室に入って営業用にと渡されていた服に着替える。
取り敢えず変な所は無いか鏡を見て確認し、部屋を出た。
確かどこぞの社畜少女が言ってた言葉があったっけ…
「今日から1日頑張るぞい!」
「フ…フフ…!」
どこからか笑い声が聞こえたので振り返るとそこにカレンさんが…
や…やばい…見られていた…
「あ…あいやこれはですね!?そのなんと言いますか?!気合いと言いますか!?自分に暗示をかけるみたいな事でただ言ってみたかっただけとかじゃなくてですね?!」
恥ずかしさで死にそうになる!
「う…うんなんかごめんね?可愛かったものだからつい見ちゃって…」
ここまで俺が焦ると思って無かったらしく、凄い戸惑っていた。
「取り敢えずおはよう!」
「あ…おはようございます!」
「それじゃお仕事始めよっか!」
「はい!よろしくお願いします!」
さて宿娘やりますか…!
…やべぇーよ宿娘…初日からお仕事超ハードだよ…
朝から食堂を使うお客さんのまず対応をして、その後すぐお部屋と廊下の掃除。
掃除が終わったら30分程の休憩をして、お昼の仕込みを手伝う。
仕込みが終わればそのままウェイトレスとして、料理を運ぶ。運び終わったら賄いを頂き、その後は宿の呼び込みを行う。
大体こんなもんだが、聞いた感じではハードじゃないと思う。が、お仕事はとてもハードだった…
ふらふらしながらベッドに飛び込む。
こんなんじゃ冒険者ギルドなんてとてもじゃないが行けない…
チートの確認もしておきたいが流石に今は無理…
そんな事を考えて考えているうちに瞼が重くなっていき、意識がハッキリしなくなって宿娘初日を終えたのであった。