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歌えない理由

昔々、歌が大好きな女の子がいました。

その女の子は本当に歌うことが大好きで毎日のように歌っていました。


そして少女は気がつくと舞台の上に立っていました。

自分でもなぜ舞台の上に立っているのか少女はわかりませんでした。

自分は何のために舞台に立ち、誰のために歌っているのか。

少女は分からなくなってしまいました。

でも、少女はそれを見つけることができました。

理由は簡単です。

少女の両親が少女の舞台を見て歌声を聞いて、賞を取ると、両親が褒めてくれました。

「今日の歌声もよかったぞ」

「今日の舞台も素敵な歌声を披露できたわね」

そう言って、両親は少女の頭を撫でてくれました。

少女はそれがとても嬉しかったので、これからも頑張れば二人が褒めてくれる。

二人のために歌おう、と。

でも次第に両親が忙しくなって、舞台を観に来られなくなり、なかなか会う機会もなくなってしまいました。

そうすると、少女が賞をとっても、誰もほめてくれませんでした。


とあるコンクールの時の事、少女は、コンクールに出る子の話を聞いてしまいました。


その子たちはこんな話をしていました。



「どんなに頑張ってもあの子がいたら賞なんて取れないよ」

「ほんとそうだよね」

「やる気なくなるよね」

「当たり前じゃん!だって絶対春香ちゃんが賞取るんだから」


それは、少女に対して言ったことでした。

そしてその中には、少女の友達もいました。

少女は自分の友達が、自分のことをそんな風に思っていたなんてと思いました。

少女はそのことが気になって、舞台の上で上手く歌えませんでした。

だから今回の賞は取れないと思っていました。

でも賞を取ったのは、少女でした。

少女はなぜ自分が賞をとれたのかわかりませんでした。

その時少女はとある言葉を思い出しました。


「やる気なくなるよね」


少女はその言葉を思い出して、みんなが真剣に歌ってなかったんだなと思いました。

すると、少女の友達が

「やっぱり春香ちゃんはすごいね。また賞を取っちゃうなんて」

少女はその言葉を聞いて、思わず言ってしまいました。


「どうして真剣に歌ってくれなかったの?」

そう言ってしまいました。すると、


「あんたがいる限りどんなに頑張っても賞は取れないんだから、真剣に歌う必要なんてないじゃない」

そう言われました。

「私だって…賞を取りたくて歌ってるわけじゃないよ…」

思わず言ってしまいました。

「じゃあ何のために歌ってるの?賞を取るためじゃないなら何のために歌ってるの?」

少女はその言葉に答えることができませんでした。

少女はその場で黙り込んでしまいました。

「何の目的もないなら…もう、歌なんてやめればいいじゃない!!」

少女の心にはその言葉が深く突き刺さりました。


最初のコンクールは、賞を取ったら両親がほめてくれた。でも次第に両親がほめてくれなくなった。

でもほめてくれなくても自分は歌を歌う所が好きだから歌い続けた。

でも次第にその楽しさもなくなっていた。どのコンクールで歌っても、楽しくなかった。

なぜなら他の人が楽しそうにしていなかったから。

自分も楽しみたいし他の人にも楽しんでほしい。

それはあくまでも自分のわがままだって分かってるけど、でもみんなに楽しんでほしかった。

でもみんなは楽しんでいなかった。


そしてその理由が、自分であると知った。


私がコンクールに出るとみんな楽しめなくなる。

そして自分は何のために歌っているのか分からない。


それから少女は歌を歌えなくなってしまいました。


歌おうとすると、何のために、誰のために歌っているのか、自分が歌っても誰かを喜ばせたり、楽しませたりすることはできない。

そういう風に思ってしまって歌えませんでした。


「だから私は歌が歌えないんです」


上野さんは、涙を流しながら笑顔でそう言った。

というわけで、皆様ここまで読んでいただきありがとうございます!!

今回は『歌えない理由』ということで、春香ちゃんが歌えなくなった理由です。

いろいろ考えすぎて頭の中でぐちゃぐちゃしてしまいました。

次こそ、春香ちゃん編最後です!

楽しみにしていてください!!


ではでは今回の話はここまでです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

それではまた。

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