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こいつ等いったいなんなんだ

ひとまず、再開を果たした俺と母さん、母さんが言うには、目が覚めたら俺と同じ様な状況だったらしい。


とりあえず、母さんは起きた後、まわりの環境を見てここが日本では無いと空気の匂いで感じ取ったらしい(驚かない)

目の前にあった木に実っていた、ヤシの実のようなでかい木の実を落ちてる石を使い落とし(別に驚かない)

それから音を頼りに川を見つけ(今更驚かない)軽く洗浄した後食べ、その後その殻をまわりにあった蔦を使い、簡易的な水筒として使用し(全然驚かない)

ついでに後幾つか木の実を取り蔦でカゴを作り、食料を確保した後俺達家族の探索を始めたという。


ぶっちゃけ、どれだけうちの母親はサバイバル技術に詳しいんだとか、むしろサバイバルってレベルじゃないんだけどもはや昔野生に居たの?貴方良家の一人娘だよね?とか聞きたくなるけどそんなことよく考えたら『いや、まぁ母さんだし?』の一言で済む話だった。


そして、人の気配がする方へ母さんは向かったらしく、そこで小さな村を見つけたそうだ。


「ん?というか母さん、え?村って何?」

「えーっとね、お母さん、そこで持ってた木の実を何故か村にいた人が凄く欲しがってね、なんだかその実を食べるとマナの総量が上昇するとかなんとか~って」

「マナ……?」

「お母さんにもよくわからないんだけど、なんだか人間が魔法を使うのに必要な力のこと~、みたいな感じで説明してくれたわ~。沢山持ってたから分けてあげたら、涙を流して喜んでたわよー、これで姫様に顔向けが出来るーとかなんとか」

「いや、母さん、なんか凄い色々スルーしてるけど、え?何、やっぱここ日本じゃないんだ」


俺からしてみれば実はあの喋る熊はロボットで、ここはなんかの実験場、みたいな、家族全員黒服に連れ去られ実験対象にされた、みたいな方がまだよかったんだが。


「そりゃそうよー裕ちゃん、日本どころか、多分私達が住んでた世界じゃないわよ、ここ」


魔法とかの単語が出た辺りでもう殆ど諦めてはいたのだが、やっぱり俺……もとい俺達家族は、皆仲良く異世界とやらに飛ばされたらしい。


「ってか母さん、凄いのんきだけど、何でそんな平然としてられるの?異世界だよ!?異世界、俺達いったいこれからどうなっちゃうのさ……」

「それは、まぁ、お父さんがなんとかしてくれるわよ、きっと」

「そんな、親父も見つかってないのに、だいたいまだ親父もこっちの世界にいるかどうかなんて――」

「ただいまー、ねぇねぇ、見てこれ-、凄いでしょー」

「帰ったぞ-、面接なんて俺様にかかればちょろいもんだなー、はっはっはっ」


俺の言葉を遮るかの様に、バカ二人が何食わぬ顔で現れやがった。

俺を見つけるやいなや、こいつらは何食わぬ顔で

「お、無事だったか」だの

「お兄ちゃん、見てみて!ほら!この剣、凄くない?パパが買ってくれたのー」だの


「いやいやいやいや、馴じみすぎだろお前等!?というか母さんも親父達と合流してたなら最初に言ってよ!」

「ごめんなさいね~、裕ちゃんが途中で話を折って質問し始めたもんだから~」

え、俺のせいなの……

「やーい、おこられてやんのー」

なにこの妹うざい

「やーい、おこられてやんのー」

親父殺す

俺がこいつ眼力で殺せないかぁ……とか思いながら親父をガン睨みすると、何故か頬を赤く染められた、やばい、キモイ。

「――まぁ、なにはともあれ、こうして家族全員無事だったんだ、とりあえず、俺達家族の新しい門出を祝おうじゃないか!」

どの口がそういうのか、こいつか、こいつなのか?俺はこいつを殴っていいのか?


「そうね、そうしましょう、ご飯はできてるわよ、初めて使う食材だから、自信はないけれど……」

「お前の作る飯が、不味いなんてこと、あるわけ無いだろう、深雪……」


やばい親父本気で殴りたい、母さんも頬染まってるし!


「お父さんったら……でも、嬉しいわ」

「深雪……後で、三人目だな」

「まぁ、お父さんってば」

「はっはっはっ、パパ、今夜は頑張っちゃうぞー!」



露骨な会話をしながら、二人は二人の世界に入っていった、

取り残された俺と結は、二人が帰ってくるまでとりあえず目の前に置かれた食事をかっ食らうのだった。

「このお肉、美味しいねー、なんのお肉だろうね?お兄ちゃん」

「もう、どうにでもな~れ……」




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