ここどこですか?いや、マジで
目が覚めると、俺は太陽から直射日光を浴びていた。というか、起きたら見慣れた自分の部屋ではなく、全く見知らぬところだった、というか外だった、いや、というか森だった。
うん、おかしいよね、俺は確かに自分のベットで寝たはずだ、一度妹がものっそい小さな声で「お兄ちゃん~?ご飯いらないの~、いらないね~」って起こす気など全くない一応の声掛けを聞いたことも覚えている。
その後妹の馬鹿でかい声で「お兄ちゃん寝てたからお兄ちゃんの分のお肉私が食べるね!」って聞こえてきたから勿論即座にベットから起き上がり食事戦争に参戦したのは言うまでもない。
しかし、飯を食った後余計眠くなり、そっからは風呂にも入らずまさに倒れるように眠ったはずなので、まさか外で眠った……いや、まず草原で眠るってどういうことだよ。
俺はもしかしたらクビになって露頭に迷った親父に眠っている間に車か何かで運び込まれ、どこかの山の中にでも捨てられたんじゃないか?と一瞬考えたが、流石にそんなことするくらいなら俺を働かせるだろう、とやや現実的な判断を下し、真剣に考えることにした。
まず、現状の把握をするとだ、まわりは木!木!木!でもうこれは森だろう。
そして昨日学校から帰ってから着替えもしなかったので、俺は普通高校の制服を着ていた。
うちの普通学校の制服はいわゆる学ラン黒長ズボンって奴で、まさに普通だった。
近くにかばんがないかと見渡したが、残念ながらそんなものは無く、仕方ないので服を探ることにした。
上着から出てきたのは、残り電池残量が少ない携帯電話にハンカチ、ティッシュ、それに生徒手帳にボールペン。後はズボンに入っていた家の鍵と昨日学校で何故か友達から貰ったフーセンガムくらいだった。
財布すら無い、いや、財布に金なんてどうせ入って無いけどね、うち貧乏だったし。
仕方ないので少しまわりを探索することにする、そりゃ最初に携帯の電波を確認したが、勿論圏外だったし、なにより見渡す限り周りは木がヤバイレベルで蔓延ってるから、なんかもう見る前から諦めてたのもある。
「ここ、マジで一体何処なんだろう……」
おもわずボソッと声にだしてしまうぐらい、少し心細かった。
こんな時、うちの家族ならどうするだろう?
馬鹿親父なら、テンションだけで乗り切りそうだ。
バカ妹も、持ち前の明るさとフットワークで何とかするだろうし。
母さんは、色々と実は高スペックだからなんとでもなりそう……
「あれ?もしかしてヤバイのって俺だけじゃね?」
自分で言うのもなんだが、別に俺は何か得意なことがあるわけでもない。
まぁ、逆に何か苦手なことは?って聞かれても特に無いんだが、好き嫌いとか無いし。
お陰で、すぐには無理だが、まぁ、何でもこなせる、でもそれだけで、要は地道に努力を重ねて伸ばしていくってタイプの人間だ。
そんなわけで、実は『初めて』ってのには弱かったりする。
まさに、今の状況がそうだ、今の世の中日本で遭難なんて普通の学生はしないぜ?
しかも朝起きたらって夢じゃないんだから、まずありえないだろ?
「ん?もしかしてこれ、夢……か?」
そうだ、俺はなんでこれが現実だと思い込んだんだろう、そうだよ、常識的に考えたらこれは夢じゃないか、いやぁー普段夢なんて見ないもんだからがっつり悩んでしまったよ、HAHAHA。
そうとわかればもう安心、俺は、これを夢だと思い込み、いっそ夢なら少し冒険してやろう、ってな具合で森を散策することにした。
しかし、歩けど歩けど、人の気配も何もない。
まぁ、しいて言うならばなんかやたらと大きな鳥が頭上を飛んでたり(鷹の親玉かな?)
さらに言うならばなんかやたら大きな虫が木にへばりついてたり(オオクワガタの突然変異種かな?)
もっと言うならばなんかやたら大きな熊?が目の前を通過したり……
熊と目があった時は、一瞬なんだか寒気がしたが、ここは夢の中、うん怖くない怖くない。
「むしろ、熊と触れ合える機会なんて一生に一度あるかどうかだもんなー、よし、触ってみるか!」
そうして俺は熊に自分から突っ込んでいった、気分は金太郎だ、相撲でもとるか~?
なんて軽い気持ちで近づいて行った俺に、熊?がとった行動は
「わが領土に侵入した4人の人族とやらは、お前か、よし、喰ってやる」
「ギィイャァァァァァァ!?シャベッタァァァァァー!?」
「っ!?」
俺の絶叫に熊は少し怯んだようで、俺はその隙を逃さず全力で走って逃げた、うんそりゃもう全力で。
そして無我夢中で走ったもんだから、身体が茂ってる木や草に引っかかる引っかかる。
その時は、全然気が付かなかったけど、5分くらい全力で走り、最初自分が居た場所辺りまで戻ってきたところで、俺は立ち止まり、自分の身体を確認した。
「えっ、草が擦って裂けた身体から、血が出てる……?え、しかも痛いし!」
痛みがある……つまり、え?でも熊喋ってたし……え?
パニックになる俺に、でもこんな時でもなんとかしっかりしようと踏ん張る脳内の俺が、こうささやいた
『これ、夢とちゃうで、現実やで……』と
話の展開スピード、遅すぎでしょうか……?