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これが俺の家族

突然だが自己紹介をしようと思う、俺の名前は鈴木 裕太(ゆうた、近所の普通高校普通科に通う普通の高校生だ。

成績は普通、勿論成績表もALL3、先生からの一言コメントに『普通です』とかかれるくらいThe 普通な人間だ。


でも、俺の家族は所謂普通とはかけ離れた人種であって、俺には未だに本当に血が繋がってるのか怪しくなる時がある。


とりあえず、俺の家族を紹介しよう


「ただいまー」 

「おかえりーお兄ちゃん!」

「おう、帰ってきたか!」

俺が帰ってくるなり玄関にドタバタとかけてくる暑苦しい奴等が二人。


「ねぇねぇ聞いて!私ね、今日テストで0点とったの!」

「帰ってきたばかりの兄貴にいきなりドヤ顔で言う台詞じゃねぇな、それ」

「えっ、なんで?クラスで0点とったの私だけなんだよ、先生も泣いて喜んでたよ?」

「……先生はなんて言ってたんだ?」

「んっとね……結さん、昨日も同じテストやったわよね?昨日は5点とれてたのに何で下がってるの?とかなんとか言ってたよ」

「先生それ絶対喜んでないよね、寧ろ爆発寸前だよね」


こいつは俺の妹、鈴木 ゆい

会話から察してもらえると思うが、馬鹿である。

一応馬鹿だからクラスでイジメられてる……なんてこともないようで、むしろこいつはいつでもどこでも人気者だったりする、多分、馬鹿だからまわりにおもちゃにされているんだろう。


俺が呆れた顔で妹と話していると、もう一人の暑苦しい奴も話しかけてきた。


「ねぇねぇ、聞いて!俺ね、今日会社クビになったの!」

「帰ってきたばかりの息子にいきなりドヤ顔で言う台詞じゃねぇな。それ」

「えっ、なんで?会社でクビになったの俺だけなんだよ、課長も泣いて喜んでたよ?」

「その課長は多分本当に泣くほど喜んでたんだと思うよ……」


こいつは俺の父、鈴木 聡明としあき

会話から察してもらうのも嫌なのだが、馬鹿である。

でもいくら馬鹿でも俺たちを今まで育ててくれたことには代わりはないのだから、感謝はしている、いや、今そんなことはどうでも良くて……


「親父よ、今のは妹の会話に重ねた冗談……ってオチとかじゃないよな?」

「息子よ、残念ながら、……事実だ!」

とびっきりの笑顔で答えられた。

「ふっざけんな!お前いったい何回クビになるんだよ!今回の仕事紹介してくれた山田さんに合わせる顔無いぞ!?」

「まぁまぁ、そう癇癪起こすなって、父さんもう新しい仕事見つけてきてるから」

「はっ?いやいや、無理だろ、そんな学生が次のバイトみつけた~感覚で就職先ポンポン決まるなら、世の中の就職活動してる学生さんはもっと活き活きしてるよ!」

「ところが~、そうでも無いんだな~、ほれ」


親父が見せてきたのは一枚のチラシだった、そのチラシが、俺達の運命をここまで変えてしまうものだなんて、まだこの時は、思いもしなかったんだ。




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