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緋の扉  作者: 緋龍
彼女、あるいは彼等のそれなりに通常ではない日常
23/61

21話

後で手直しするかもしれません。。。

 ライカの目的はこっそりと騎士たちを観察し、彼らの様子を探ることだ。


 森の中に入ると、そこにはライカが今まで見たことがない景色が広がっていた。見たこともない植物や果実があちこちにあり、遠くの方に動物がいるのが見える。生い茂る木々の隙間からは木漏れ日が射しこんで、口では言い表すことのできない幻想的な雰囲気を醸し出していた。


 (美しいです)


 今まで、何を見ても感情が抱くことがほとんどなかったライカだが、原初の森の美しさには心が動いたらしい。すぐに動き出さず、その場でじっとしていた。


 

 カサカサカサ…


 ライカの近くで何かが動く音がした。さっと視線を向けると小さな白栗鼠しろりすが木の実を持って走って行くのが見えた。 


 (私もナユの実を探さなくては)


 白栗鼠を見て自分のやるべき事を思い出す。


 さて、と動き出そうと足元に目を向けると、膝くらいまでの高さの草が生い茂っていた。歩くには骨が折れそうだ。


 となると移動手段は…


 ライカは傍の木の枝に向かって跳躍する。着地すると同時にまた跳躍し、今度はもう少し高い枝に飛び移る。さらに二度繰り返すと周囲がかなり見渡せる高さにまで来た。


 (騎士の方は…あそことあそこに一人ずついらっしゃいますね。…あ、もう一人いました。あとの方は、もっと遠くの方まで行かれたのでしょう)


 木の上から騎士の様子を観察する。


 (三人共もっと周囲を警戒しないといけません。あれではすぐに敵に見つかってしまします。偵察にはむいていないと思われます)


 彼らは気配が消しきれていないようで、動物が彼らに驚いて逃げていくのが見える。


 (さて、ナユの実を探さなくては)


 騎士たちを観察し終えると、ナユの実を見つけるために木の上を移動して森の奥に向かった。



 

 目的の実はエルが入ってはいけないと言っていた川の手前に見つけることができた。今が食べごろのようで、実はどれも熟していて美味しそうだ。


 ここに至るまでに、数人の騎士を見かけたがどの騎士も慣れない森に苦戦しているようだった。ある騎士などは炎狼の縄張りに入ったらしく、怒った彼らに追いかけられていた。もちろん助けることはできないのでそっとしておいたが、木の上に逃げていたので大丈夫だろう。


 ナユの木が見える位置にある木の上から周囲を観察したが、近くまで来ている騎士はいないようだ。黒翔馬こくしょうばの姿も見えなかった。


 気配を消して木の上から飛び降り、木の周りの地面を調べる。すると蹄の跡のような窪みがあちこちにあった。黒翔馬のものかどうかはわからないが、待ってみる価値はあるとライカは判断した。


 (しばらくここで様子を見ましょう)


 そう決めると、先ほどの木の上に戻り周囲に気を配りながらナユの木をじっと見続けた。


 

 変化が訪れたのは半刻後、森に入ってから一刻が過ぎたころだった。


 川の向こう岸から何かがこちらへ来るのが見える。近づいてくるとそれが黒い馬であるのがわかった。それも普通の馬と違って飛ぶように跳躍して走る馬だ。銀色に輝くたてがみが走るのに合わせて揺れている。間違いなく黒翔馬だった。


 (初めて目にしますが、伝説の通り美しい馬です。姫様がお乗りになればさぞ絵になるでしょう)


 ライカはフェリシアが黒翔馬に乗っているところを想像して、こくりと一つ頷く。


 と、そこにエルが姿を現した。ナユの実を美味しそうに食べている黒翔馬に近づいていくと、エルの口が動く。どうやら会話をしているようだ。


 しばらく会話をするとエルはまた何処かへを去っていった。黒翔馬は食事を再開している。


 騎士たちはまだ来ない。早く来なければ黒翔馬は食事を終えて去って行ってしまうだろう。


 (一人か二人は来ると思ったのですが…難易度が高すぎたのでしょうか。でも騎士の方々は皆エリートですし…)


 騎士はこの国で最も強い人間が揃っている。彼らなら困難を乗り越えて目的を達成できるだろうと、もう少し様子を見ることにした。 


 


騎士は国中の憧れなのです。

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