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緋の扉  作者: 緋龍
彼女、あるいは彼等のそれなりに通常ではない日常
18/61

16話

ようやく戦闘シーンです。表現が難しいですね…

 それまで真剣に打ち合いをしていた騎士たちだったが、団長が見知らぬ人物と専用鍛練場に行くのを見てざわめきだす。


 「おい、団長が剣を振るわれるぞ」

 「一緒にいる奴は誰だ?騎士じゃないみたいだが」

 「見たことないな。どこかの貴族の息子じゃないのか。騎士の戦ってる姿が見たいとか言って、団長に権力振りかざしてさ」

 「団長が貴族の権力に屈するとはとても思えないけど…」

 「じゃあ誰なんだよ。騎士以外でここに入れる奴なんてそうはいないぞ」

 「俺が知るかよ!」

 「おい、副団長が剣を渡したぞ!まさか団長の相手をするのか!?」

 「あり得ないだろ。俺達ですら命の危険を感じるのに。あいつ死ぬぞ」

 「なんてったって「臨死体験場」だからな…」

 「でもほら、あっちに歩き出したよ」

 「マジかよ!」


 

 多くの視線を感じるなと思いながらも、気にせずにライカはこれから始まる打ち合いに集中する。


 (力では圧倒的に不利。速さで攻めるしかないです)


 ダレスと距離を取って向かい合う。彼は相変わらずの無表情のままだ。剣を抜いてはいるものの、振るうでもなく、剣先は地面に向けられている。


 「本当に、よろしいんですね」


 フレイエが少し離れた所から心配そうに聞いてくる。彼はライカの正体を知らないので、当然のことだろう。


 「はい」


 「合図を」


 二人の返事を聞いて、フレイエは大きな溜息をひとつ吐いた。


 「どうなっても知りませんよ。……では、いいですか」


 フレイエの言葉にライカとダレスの纏っている空気が変わる。


 「始め!」


 合図があった瞬間、ライカはダレスとの距離を一瞬で縮め、寸前で跳躍し上段から切りかかる。


 ガキイイィィィィン!!


 常人では絶対に避けられない速さの攻撃をダレスは難なく受け止め、振り払う。


 ライカは素早く距離を取り、一呼吸すると今度は右側から攻める。


 キィンッ!キィンッ!


 剣と剣がぶつかり合う音が辺りに響く。


 騎士でも目で追うのがやっとと言える速さでライカは攻撃しているのだが、すべて受け止められていた。


 (強いですね。さすが騎士団長様、正面きっての戦いでは分が悪いです)


 奇襲をかければあるいは、といろいろ戦略を練っていると、それまで受ける一方だったダレスが攻撃に転じてきた。


 ブォン!ブォン!


 ダレスが剣を振るう度に風が唸る低い音がする。実はあの大剣は軽いのではないかと思えるほど、ダレスの攻撃は早かった。…聞こえてくる音がその軽さを否定していたが。


 剣を受け止めるべきではないと判断したライカは、すべてギリギリのところで攻撃をかわしていた。


 (一体どんな訓練をすれば、あの大剣でこんな攻撃が繰り出せるのでしょう。それに恐らく実力の半分程度の力しか出していないようです)


 もちろんライカも実力は出し切ってはいなかったが。彼女は避けながら反撃にでるタイミングをうかがう。


 そしてダレスが剣を突き出してきた瞬間、体勢を低くしてよけながら瞬時に彼の懐に入り込み、彼の喉めがけて剣を突き上げた!



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