11話(裏)
ライカの知らないところで二人はこんなやり取りをしてました。
ライカに新たな命が下る前日のこと。
ローディス国国王レヴァイアの執務室に3人の人間が訪れていた。第一騎士団団長クレイ・ヴォード、第二騎士団団長リオン・グレアス、そして第三騎士団団長ルークウェル・ダレスの3人だ。
執務室はかなり広く装飾品が華美にならない程度に置かれている。部屋の隅には本棚がいくつもあり、すべての棚に本がぎっしりと詰まっていた。
人払いがされており、部屋の中に他に人はいなかった。
「どうだ?」
「やはり、ノディークは兵を集めているようですね。理由までは分かりませんでしたが」
「ですが公にではないようです。俺の部下がノディークから来た旅人に聞いた話ですが、どうも民が自主的に集まってるように見えたとか」
ヴォードとグレアスが、それぞれ報告する。ダレスは口を開かなかった。
「そうか。やはり人を送り込むしかないか」
「同感です。ですが、人選はどうされますか。我ら騎士は戦いには秀でていますが、偵察となると・・・」
「心当たりはなくはないが…難しいだろうな」
レヴァイアの心の中に銀髪の美しい女性が浮かんだ。と同時にもう一人、金髪で自身によく似た類まれな美貌を持つ女性も。そして彼女が猛烈に反対するであろうことが容易く想像できた。
「少し考える。ご苦労だった、下がってよいぞ」
その言葉に団長達が一礼をして下がっていく。だが、なぜかダレスは下がらなかった。
「何だ」
「陛下、お願いがございます」
「珍しいな、お前が頼み事など。何だ、言ってみろ」
「我が第三騎士団の騎士を。その人選を彼女に」
ダレスの言葉はレヴァイアに対しても短かった。
「彼女とは?…もしかしてライカのことか」
こくり。ダレスが頷く。
「なるほど。それならば、フェリシアも了承するかもしれんな。だがなぜだ」
「……………その才があるかと」
長い沈黙が続いた後、ようやくダレスが答えた。
「ふむ。なるほどな。そうかそうか」
なぜかレヴァイアが人の悪い笑みを浮かべて、黒衣の騎士団長を見やる。
「いいだろう。もしフェリシアに、ライカをノディークにやることを反対されたならばそうしよう」
間違いなくそうなるだろうがな、とレヴァイアは確信していた。
「ありがとうございます」
ダレスは一礼すると身を翻して、部屋から去って行く。
面白いことになりそうだと思いながら、フェリシアに会いに行く支度をするレヴァイアだった。
国王は結構人が悪いです(笑)でもフェリシアには甘いのでした。




