表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
緋の扉  作者: 緋龍
彼女、あるいは彼等のそれなりに通常ではない日常
12/61

11話

新しい話が始まります!

 「最近、陛下のお考えがわからなくなってまいりました」


 「大丈夫、お父様は昔から何考えてるかわからなかったから」


 何が大丈夫なのかもよくわかりません。ライカは心の中でちょっとだけ反抗してみたのだった。




 話はその日の朝に遡る。


 騎士たちの手によって噂事件の犯人が捕らえられ、真実が明らかにされてから5日後のこと。


 フェリシアによると、犯人は辺境の村へ労働者として生活することを言い渡されたらしい。その父親である子爵も爵位剥奪のうえ、同じく辺境の村行きとなった。子爵夫人は息女を生んだ後すぐに亡くなっていたようだ。唯一息女だけは何の罪にも問われることなく、今後功績をあげることができれば父親が剥奪された爵位を賜ることができるそうだ。


 報告したこと考慮してくれたようだと、ライカは少し安堵した。


 そんなこんなで一時騎士の噂で持ちきりだった城下も城内も落ち着きを取り戻し、平穏な時間が過ぎていた。


 いつものように国王レヴァイアに呼ばれたライカは、今回も調査か偵察の依頼だろうと思いながら、緋の扉を開けて中に入っていった。


 

 「今回は騎士団に入ってもらう」


 「・・・申し訳ございませんがもう一度仰っていただいてもよろしいでしょうか」


 一瞬ライカの時間が止まっていたようだ。


 「騎士団に入ってもらう。いや、騎士の一人に従者としてついてもらうと言ったほうが正しいか。とにかくそういうことだ」


 「・・・いくつか疑問がございます」


 陛下の依頼に対して滅多に疑問をもつことはないのだが、さすがに今回は話の内容が理解できなかった。


 「そうだろうな。申してみよ」


 「はい。ではまず騎士団に入れとのことですが、その理由をお願い致します」


 「まあ、もっともだな。実は騎士団の中から何人かノディークに行ってもらうつもりなのだが、その人選を頼みたい」


 ノディークは海を挟んで北側にある国でローディスとは比較的友好な関係にある。


 「なぜノディークへ騎士を?」


 「ノディークの内情を知りたくてな。少し前から兵力を強化しているようなのだ」


 「戦争…でございますか」


 「そこまでは。今のところ我が国とは友好関係を保っておるからな。だが、調べておくに越したことはあるまい」


 なるほど。確かに万が一を考えれば、至極当然のことだろう。国を危険に曝さないためにも、正確な情報は必須だ。

 

 「仰る通りだと思います。ですが、なぜその人選を私にご依頼なさるのでしょう。団長様方の方が相応しいかと思われますが」


 長い時間を共に過ごしている団長の方が、それぞれの騎士の特徴をよくわかっているはずである。


 「確かに。ただの戦であればそうだろう。だが今回の任務は他国の内偵だ。必要なのは戦闘の能力ではなく、民にまぎれて情報を集めることができるかどうかだ」


 戦闘に関しては類まれな能力を持つ彼らでも、諜報活動ができるかどうかはわからないということか。


 「私ではなく騎士にお命じになられるのは?」


 「闇」にいたライカなら諜報活動はお手の物だ。いつもなら彼女に命が下るはずなのだが。


 「フェリシアに断られてな。お前と長期間離れるのは嫌だと。どうしてもというのなら、自分もノディークに行くとまで言い出す始末だ」


 ……それは無理な話だろう。


 「…畏まりました。では、私は誰の従者になればよろしいのでしょうか」


 「第三騎士団団長のダレスだ。詳しいことは彼に聞けばよい」


 「仰せのままに」


 了承の意を込めて深く礼をする。そのとき頭上から陛下の言葉がライカに降り注いだ。


 「それと、お前は余の隠し子という設定になっておるからな」




 かくしてライカは冒頭の発言をするに至ったのであった。

 


 

 

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ