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緋の扉  作者: 緋龍
彼女、あるいは彼等の極めて通常な日常
11/61

10話

メインキャラのダレスさんをようやく出すことができました。

出てくるの遅すぎですよね。。。次回からはちゃんとメインで出ます。

 城に戻ったライカは、着替えるべきかどうか迷ったが急いだ方がいいと判断し、男装のまま騎士の宿舎に足をむけた。


 宿舎は城の正門を入って右手、騎士たちの鍛練場を越えた先にある。


 もちろんこんな真夜中に正面から入れるわけもないので、気配を消して裏口からダレスの私室へと向かう。そして部屋の前まで来ると、そっと扉を叩いた。


「誰だ」


 部屋の中から落ちついた低めの声が聞こえてきた。


「夜分遅くに申し訳ございません。陛下よりご依頼を賜った件で、取り急ぎご報告がございます」


 要件を伝えると、「入れ」と、返答があったのでライカは扉を開けて中に入る。


「失礼致します」


 扉を開けると正面に執務机があり、そこに第三騎士団団長ルークウェル・ダレスはいた。書類仕事をしていたのか、机の上はたくさんの紙で溢れている。ライカが入室すると書類から視線を彼女へと移したダレスは、彼女の姿をみて微かに驚いたようだった。


「まずはこのような姿でご報告に参りましたこと、お詫びいたします」


 そういうとライカは深く頭をさげた。


「かまわん。報告を」


 さすがというべきなのか、驚きからすぐに立ち直ったダレスはライカに報告を促す。


「ありがとうございます。噂について調べましたところ、城下にある酒場にて噂を広めていると思しき人物を発見致しました。その人物を尾行すると、ある貴族の屋敷に辿り着きました。そして中の会話を盗聴したところ、その人物が犯人であると判明致しました」


 ライカは手短に報告をする。


「その人物とは?」


「今年の騎士試験に不合格だった子爵の子息でございます。父親は城で要職に就いているとか」


 騎士試験で男を見かけたことを、城に戻ってくるときに思い出したのだ。


「わかった。夜が明けるのを待って騎士を屋敷に向かわせる。他に何かあるか」


「はい。子爵には息女もいるのですが、その女性は子息と違いとても良識のある方でございました」


「…覚えておく」


 一呼吸の間の後、返事があった。


「それと…」


「何だ」


「いえ、何でもございません。報告は以上でございますので、私はこれで失礼させていただきます」


 ライカは酔っ払いのことを報告すべきかどうか迷ったが、犯罪を犯したわけではないので言わないことにした。もしかしたら風邪をひくかもしれないが、彼にとっていい教訓になったであろう。綺麗な花は、ただ綺麗なだけではないのだ。


「ご苦労だった。陛下にも報告しておく」


 その言葉を最後にダレスは視線をライカから書類へと戻す。会話は終わりということらしい。ライカは一礼し、部屋を後にした。




 ライカが去った後、部屋には再び顔を上げ、閉まった扉をじっと見つめ続けるダレスの姿があった。




 (姫様への報告は明日です。早く戻って休みましょう……)


 ライカは残り少なくなってしまった睡眠を取るために、自室へと帰って行く。


 

 こうして彼女の短いようで長い、長いようで短い一日が終わっていくのだった。




 


  

やっと終わりました!

思ったより長くなってしまいました。

次回からは騎士が中心の話になります。

引き続きよろしくお願いします。

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