第5話 ショッピングモールにて
ラノベが好きな高徳はショッピングモールに居た。
ショッピングモールは高徳の自宅から電車に乗って15分ほどで到着する都心の駅近くにある。
日曜日なためショッピングモールは人々で溢れていた。多くの学生や家族連れがフロアに身を置いていた。
高徳は普段から愛用するショッピングモール内の本屋で面白そうなラノベを探す。
4冊ほど興味の惹かれたラノベを見つけた高徳は、それらをカゴに入れてからカウンターに向かう。
休日なため5人程の列が出来ており、高徳はその後続に就く。
5分ほどで先頭に進み、高徳は現金で会計を済ませる。
4冊のラノベが詰まった袋をリュックサックに仕舞い、高徳は本屋の出口に向かう。
「うん? 」
ショッピングモール内の本屋の出口を通るタイミングで、高徳は以前に公園でキスを交わしていたクラスの陽キャカップルを偶然にも発見する。
「これ最近話題になった漫画だよね!! 」
「あ! そうそう!! すごい面白いらしいな!! 」
楽しそうに漫画を会話を交わしながら、陽キャのカップルは漫画を選んでいた。それらの楽しそうな会話は高徳の耳に遠慮なく届く。
彼女の方は彼氏の腕にべったり抱き付く。
彼氏の方は腕を彼女の腰に回していた。
(くそ~~。リア充しやがって。陽キャの特権だと思うなよ~~)
陽キャカップルのラブラブ光景を目にし、高徳は大きな嫉妬心を抱く。本屋でイチャイチャしたい願望は少なからず高徳の胸中に存在していた。
その場から離れるようにダッシュし、高徳は近くの男子トイレに駆け込む。
突っ込むように洋式トイレに入り、速攻で施錠する。
「確か持って来てたはずだ…」
急いで背中からリュックサックを下ろし、便器の上に置く。リュックサックを開き、大きめの弁当袋を取り出す。
高徳が袋のファスナーを雑に開けると、中にはカルピス、お茶、コーラの3種類のペットボトルが入っていた。
(甘々のイチャイチャを見せつけられたからな。今はカルピスの気分だな。あの抱擁感にも癒されたいし)
高徳は右手に力を込めて、カルピスのペットボトルのキャップを捻る。
ボ~~ン。
いつもと同様に、白い煙がモクモクとトイレ内に生じる。トイレが狭いため、白い煙が空間を覆う。
「あら、ここトイレ? 高徳君どうしたの? こんな所で私を呼び出して」
登場した直後、カルピスが意外そうな顔で尋ねる。
「ごめん。言ってるのはごもっともなんだけど。もう我慢できないんだ」
カルピスに強引に抱き付くと、高徳は返事を待たずにカルピスの唇にキスをする。
突然のキスにも関わらず、カルピスは嫌悪感を示さなかった。赤子をあやすように、高徳の頭を優しく撫でる。
「ぷはっ。ご、ごめん。いきなりだったよね」
長いキスを終えた後、高徳は我に返り、自身の行動を謝罪する。
「いいのよ~。そうやって積極的に求めてくれて私も嬉しかったから。どうする? もう1回しとく? 」
カルピスは上目遣いをしつつ、高徳の左腕に抱き付く。
カルピスの豊満な胸の柔らかい感触が高徳の左腕に伝わる。
(や、やわらけぇ~~。これがおっぱいの柔らかさ~~。何て幸福感を与える素晴らしい脂肪なんだ)
高徳のあそこと心はビンビンになる。もう興奮が抑えられない。
「もちろん!! 」
高徳は元気よく返事する。
「ふふっ。素直で宜しい!! それではどうぞ」
カルピスは上目遣いのまま目を閉じる。高徳のキスを待つように唇をやや前方に突き出す。
(俺からキスさせてくれるのかよ。最高かよ!! )
高徳の興奮がより高ぶる。
興奮が抑えられず、高徳はカルピスの腰に手を回した上で唇を奪った。
「うんっ。はぁっ~」