第1話 ある勇者パーティの最後
初投稿です。機械が暴れるファンタジーが書きたくなったんです。
「はぁ…はぁ…はぁ…!」
一人の魔法使いの少女が遺跡の中を走っている。
武器であろう杖は途中で折れ、遺跡の装飾に引っ掛かったのか服は少し破けてしまっている。
その顔からは絶望の表情が浮かんでいた。
「み…みんな、死んじゃった…!」
魔法使いである彼女はいわゆる『勇者パーティ』といわれる集団の一員だった。
神のお告げにより選ばれたお人よしの『勇者』
豪快な性格で力自慢の『戦士』
誰にでも優しく治癒の知識を豊富に持つ『僧侶』
そして今遺跡を走る魔法学校を優秀な成績で卒業した怖がりの『魔法使い』
これ以上なくバランスが取れていて良いパーティだと周りからは評価されていた。
実際昨日までは旅は順調そのものであった。
今日あの依頼を村の少女から受けるまでは、
―よし、今日は遺跡で護衛の依頼だ、頑張ろうぜ!
―ガハハハ!戦いが俺を呼んでいるぞォ!でかいドラゴンでもなんでも来いィ!
―ちょ、ちょっとお!?今日は遺跡の護衛の依頼をこなしに行くのよ!?狭い遺跡にドラゴンなんているわけないじゃない!?
―わかりませんよ?もしかしたら大部屋があってそこにぐーぐーと寝ているかもしれません。
―えぇー…
いつもと変わらない会話、だけども安心する雰囲気。
今日もうまくやっていける、そう思っていたのに…
―君が依頼主かな?
―はい!そうです!護衛をお願いしますね!
明るい雰囲気の少女の依頼人を連れ遺跡に入る、ここまでは順調だった。
依頼を受けた勇者パーティを待ち受けていたのはドラゴン…ではなかった。
いや、ドラゴンどころかほかのモンスターも遺跡にはいなかった
遺跡が罠だらけで困難というわけでもなかった。
それでもいつの間にか勇者パーティは半壊していた。
いつの間にか目の前に壁が見える、周りを見渡しても自分が来たところ以外には道はない。
(行き止まり!?)
そう思ってきた道を引き返すかどうか考えていると、
突然、魔法使いの少女の壁の一部が崩壊した。
そこから現れたのは―
勇者パーティに依頼をした少女本人であった。