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魔女よん

目が覚めた先には女がいた。

両隣には私の産んだ可愛い子たち。

息子と娘だった。

きっと、女は魔女なのだろう。

夫の姿はない。

夫はどうなったのだ?

視線の先にいる女に話しかける。


「あ、なたが魔女であっていますか?」


「あぁ、あっておるぞ。」


「では、私の夫は?」


「お主の夫がどうかしたか?」


我に話しをかけた女に尋ね返した。

もっと、具体的に聞けば良いものを……。

女は深呼吸して、我をじっと見つめて言う。


「夫は何をしたのですか? 貴方に願いを叶えて貰ったのでしょう。 私たちは1度死んだはずです。 何故私たちは……。」


「問いかけなくてもわかっている答えをわざわざ聞くとは面白いものじゃのう。 まだ、希望にすがりついていたいのはわかるが、肉体が今ここにあることも、彷徨っていた魂が身体に定着しているのも、息を吹き返したのも全ては代償があったからこそじゃ。 その全てを彼は払った。 1人では重い代償じゃ。 何を払ったのか知りたいかぇ?」


女は固唾を飲む。

緊張した面持ちで、応える。


「聞かせてください。」


我はそれに対して彼の支払ったものを説明するだけ……。


「あやつはお主らのために払ったものは、大切な思い出を含んだ記憶の全てと大切なお主の贈り物、子どもからの贈り物、片目。 そして、命と魂の半分。 それを払った。 まだ、払ったものはあるが……。」


「お父さん、死んじゃったの?」


「おっとう、死んじゃっ、やーっっ!」


2人の子どもは泣きそうな顔をしている。


「夫を救えますか? 私が対価を払うことで……。」


「肉体と魂の半分はこちら側にあるから平気じゃろうて……。 魂の半分はあちら側に行ったが、我が持っている半分をお主ら(・・・)が代償を支払うことで取り戻すことができる。 お主は生き返った体の身だ。 1人で全て背負うことが叶うと思わぬことじゃ?」


(そう、お主にとっての辛い記憶を消すためにも代償を払っているのだからのぅ……。)


「選択の時じゃて。 遅ければ遅いほど代償は重くなろう。 それだけ、こちら側に戻すことは大変になるのだからのぅ。 どうするのじゃ?」


2人の子どもは母親の服の裾を掴んでいた。


「平気だよ。」


「おっとうのためにやろう? また、4人一緒で仲良く暮らしたいもん!」


「2人とも……ありがとう……ね。」


2人の母親は子どもの覚悟に涙ぐんでいた。

子どもながらに理解しているのだろう。

何らかを失うことで父親との日々が過ごせることを……。



「では、まずは……魂の半分の代償を……。」


支払いが始まっていく。

全ての代償が支払われた結果、彼らが失ったものは……。

夫の贈り物、父親との思い出、母親からの贈り物、楽しい記憶の一部のそれぞれ……だった。

また、最も女が大事に持っていた祖母の形見の品が大いに役立ったと考えられよう。


彼らの手に入ったものは、夫かつ父親の身体と魂の半分、魂の半分の代わりをしてる3つの小さな欠片。

これは、彼らの払った記憶の一部から作られたもので、半分の魂ではまた近いうちにあちら側に行ってしまうから、それを補ったもの。

そのうち、1つに定着するだろう。

彼は、片目も取り戻し、日常生活に困らない記憶も返ってくる。

そして、記憶の改竄も行われた。

彼らは、最後には嬉しそうに、また、戻った形を喜んで先には進んでいった。




魔女の我の元を去っていった2つはどうなったのか?



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