第2話
ここは告城島の都心、奥町。時刻はすでに11時半を指していた。囚人が開放されるまで残り三十分。
寿人
「誰もいないなぁ。みんな隠れてんのかな??」
祐希たちは、悟の家を出たあと都心の奥町にきていた
悟
「確かにここにくる途中誰とも会わなかったな」
そういってあたりを見回した
朱里
「しょうがないよ、ただでさえ人口が少ないのに大人たちがいないんだからさ」
この島の中学生・高校生合わせてもわずか200名たらずしかいない
祐希
「そんなことより、まず武器を探そう。丸腰で囚人たちを相手にしたら、あきらかに部が悪い」
その時ー
奈緒
「なんかあったよー」
ピンと張り詰めた空気の中、奈緒の声が響く
寿人
「まじかよ」
寿人に続き奈緒の周りにみんな集まる
そこには大きめの黒いバックが置かれていた
朱里
「この中に武器が…」
祐希
「あけるぞ」
そういってファスナー式のバックを開いた
バックの中には
・ナイフ3本
・ハンドガン2丁
・弾丸200発
・金属バット
・手榴弾5個
が入っていた
悟
「そんなに入ってないなぁ」
そういってバックの中からハンドガンを取り出した
奈緒
「ちょっと!!危ないわよ」
悟
「大丈夫、まだ弾入ってないし、安全装置も解除してないからね」
そういってハンドガンを構えて撃つ振りをする
寿人
「じゃあ誰がどの武器を持つかだな」
話し合いの結果
祐希:ハンドガン・手榴弾一個
悟:ハンドガン・手榴弾一個
寿人:金属バット・手榴弾一個
奈緒:ナイフ2本・手榴弾一個
朱里:ナイフ1本・手榴弾一個
となった
あと朱里が見つけた防弾チョッキをみんな着けた
朱里
「なんかいよいよって感じだね」
寿人
「大丈夫、兄ちゃんが守ってやるよ」
そういって朱里の頭をなでる
運命のときまであと5分
祐希
「おい!!ヘリがとんでくるぞ」
みんな上空を見上げた
そこには5機のヘリがあった
悟
「まずいぞ!!こっちにくるみたいだ」
奈緒
「とにかくここから離れましょ!」
寿人
「そうだ!!学校に行こう!!もしかしたら誰かいるかも」
そういって学校のほうを指差す
祐希
「じゃあ決まりな」
みんな学校の方向に駆け出していった
それから五分後…
凄い風を起こしながらヘリが祐希たちが、さっきまでいた場所に五機着陸した
ガチャー
ヘリの中から目隠しと手枷足枷された囚人が10人ずつ現れた。その後ろから武装した自衛隊員が三人現れた
目隠しをさせたまま、三人のうちの一人が話し出した
自衛隊員
「先ほど話した通り、お前たちにはこの町に残った者たちを殺すことを許可する。それと、多く殺したものの中から上位3名は釈放する」
囚人
「どうやったら殺した人数なんか分かるんだよ?」
囚人の一人が尋ねる
自衛隊員
「殺したものの右腕を持って来るんだ。武器は一人一本ナイフを支給する」
囚人
「おもしれぇ」
自衛隊員
「ほかに武器はこの町のどこかに置いてある。期限は三日だ。一人でも多く殺すんだ」
説明が終わると、囚人たちの目隠しと手枷足枷は外ずされ自衛隊員たちはヘリに乗り飛びさっていった
囚人たちはヘリが飛びさっていくと、バラバラに散っていった
しかし、その場に3名だけ残った
「おい!!お前ら名前なんていうんだ??」
「うっせーな」
「そういうてめーこそなんて名前だ?」
「あぁ!!生意気な野郎だな。まぁいい、俺の名前は数山大だ」
数山大、32歳。地下鉄で23人を無差別に殺害。S級の死刑囚
「俺は、真隆一。こいつは弟の真隆二だ」
真隆一・隆二、21歳と19歳。兄弟で強盗殺人を繰り返し、29人を殺害。S級死刑囚
大
「ほう、兄弟とは珍しいな」
隆二
「なんかようかよ!?おっさん?」
隆一
「俺たち、殺したくてイライラしてんだよ。おっさん殺すよ?」
そういってナイフを取り出す
大
「まぁ待て!!俺もてめーらぶち殺してやりたいとこだけどよ、さっきの話し聞きゃー、殺しまくれば釈放されるって話しじゃねーか」
隆二
「あぁ!!もう我慢できねぇ!!兄貴、俺はこいつ殺すぜ!!」
隆一
「待て!!!大、てめぇはなにがいいたんだ??」
大
「俺とてめーら兄弟で手を組もうって話しだ。そうすりゃ釈放される可能性大だ。少なくとも悪い話しじゃねえと思うぜ」
隆一
「確かに少しは効率があがるかもしれんな」
隆二
「兄貴!?正気かよ!!なんでこんなクソ野郎と??」
隆二は隆一につかみ掛かる
隆一
「考えて見ろ、またあんなくそ寒いむしょに戻りたくねぇだろ?それに俺たち、死刑囚だぞ?もどっても殺されて終わりだ」
隆二
「わかったよ、でもおっさん!!俺に指図したらぶち殺すからな」
そういって大にナイフを向けた
大
「じゃあ決まりだな、早速武器を探そう。こんなクソナイフじゃ、蠅も殺せん」
大は支給されたナイフを投げ捨てた
隆一
「じゃあ武器さがすぞ、付いて来い」
ついに生死を賭けた殺しあいがいま始まった