古典で思った
こんばんは。
古典を読んで、ふと思いました。かの源氏物語については書いたけど。他には「とりかへばや物語」があります。
何というか、両方共に大人向けだなと。ただ、源氏物語は人間関係が非常にドロドロしているのは本当です。
主人公の光はまー、やりたい放題ですね。まず、義母の藤壺に横恋慕するわ、姪っ子に当たる若紫を連れ去るわで。いや、若紫ちゃんを無理に拐うのはやめとけよ!と、ツッコミを入れたくなりましたよ。読んでいる時はね。
せめて、若紫と年齢が釣り合う相手を見つけて世話をするくらいは出来たはずです。それをやらずに自身で手をつけたのにはドン引きしました。これ以来、光が嫌いになりましたね……。まあ、女性陣が生き生きと描かれているから、読んでいましたが。
「いや、ないわ。八歳の子を連れ去るのは」とは思ったものです。てまあ、つらつらと書きましたが。
けど、宇治十帖は本当に光無き世の物語ですね。主人公の薫は柏木と女三宮の間に生まれた息子です。光よりは薫、かなり真面目で誠実さがある青年だけど。その実、女性を見下している面があります。特に身分が低い女性は道具みたいに扱っている場面が原作で出てきますね。
それが如実に現れていたのが浮舟でした。仮にも、浮舟は光の弟に当たる八宮の娘。認知をされていないからと世間でも軽んじられてはいたけど。だからと言って、都から離れた宇治くんだりに三年近くも放ったらかしでした。これが原因で浮気性の匂宮に目をつけられ、浮舟を酷く苦しめる事態に陥ります。結局、浮舟は入水を選び、行方不明になるという展開になりました。
後に、横川僧都と言う人物が宇治の別邸から離れ、行き倒れていた浮舟を拾います。僧都は最初こそ、彼女を人目につかない場所に寝かせていましたが。それを見つけ、僧都達を叱りつけたのが実妹の尼君です。尼君は甲斐甲斐しく、浮舟の濡れた衣類を替えさせたり、体を拭いてやったりと看病を始めました。後に朝方になり、僧都一行は小野の里に戻ります。もちろん、まだ意識が戻っていない浮舟も一緒でした。
尼君は懸命に看病を続けましたが。なかなか、浮舟は目を覚まさず、一進一退の状態になっていました。さすがにおかしいと思った尼君は訪ねていた兄の僧都に浮舟の容態を説明します。
そして、僧都に祈祷をしてほしいと頼みました。承諾した僧都はこれも何かの縁だと言って早速に祈祷を始めます。
すると、やはり浮舟には取り憑く悪霊がいました。僧都は手を抜く事なく、続けます。
悪霊は憑坐に乗り移ると、独白を始めました。
自身はかつては法師だった。最初に女人達ばかりが住む邸を見つけ、潜むようになった。その内、一人は取り殺した。
けれど、今回に憑こうとしたこの人はあまりに神仏の加護が強くて。なかなか、隙がなかった。
だから、この人が邸を出て一人きりになった時を狙い、取り憑いたが。
結局、この僧都の修法に屈した。もう、退散する……。
悪霊はそう告げ、浮舟から離れます。何とか、僧都の祈祷の甲斐あり、浮舟は目を覚ましました。けれど、彼女は記憶を無くしてしまい、自身の出自を言えずに過ごす事になります。こうして、浮舟は小野の庵で穏やかな日々を送るのでした。
けれど、尼君達は次第に浮舟の新しい相手にと亡くなった娘の夫であった中将と無理に関係を取り持とうとします。浮舟はすっかり、嫌気が差して普段は入ろうとすらしない大尼君の部屋に忍び込みました。それを聞いた尼君達はそこまで嫌がるのならと一旦は様子を見ます。
けれど、浮舟は気が気ではありません。もう、色恋沙汰に巻き込まれるのは真っ平だと思います。一晩かけて彼女は考えました。
夜が明け、浮舟は決心をします。幸いな事に尼君は外出しており、今が好機だと思いました。浮舟は偶然にもまた、来訪していた僧都に直談判します。幼少期から母は自身を出家させ、尼にならせようとしていた、ならば。いっその事、髪をおろしてほしいと切々と訴えました。
あまりに真剣な彼女に僧都も考えます。僧都は「けれど、あなたはまだ若い。出家をすぐにするのはさすがに時期尚早では?」と、告げました。浮舟は内心で焦ります。このまま、尼君が帰って来ては止められてしまう。今の内に出家をしないと!
そう内心で思った浮舟は僧都に強く、迫りました。どうか、出家をさせてほしいと懇願します。僧都はため息をつきながら、最終的には浮舟の頼みを受け入れました。
こうして、尼君の外出中に彼女は出家を果たします。僧都は思い悩みながらも帰宅しました。入れ替わるように帰ってきた尼君は髪をおろした浮舟を見て驚き、落胆します。まさか、彼女が俗世を捨て去るとは。浮舟は申し訳ないと思いながらも晴れ晴れとした心境でした。
浮舟は翌年に異父弟の小君と再会するも、拒みきります。同時に薫とも会わずに縁を断ち切りました。静かに彼女は仏門の修業に明け暮れる生活を続けます。原作では自身を拒み切った浮舟を疑い、やはり出家したのは嘘で。他の男が彼女を隠しているのでは?と、薫は邪推しました。
この場面で唐突に物語は終わります。何というか、作者の紫式部の高笑いが聞こえたような気がしたもので。余程、紫式部は男性が嫌いだったのかなと感じました。
では失礼します。ありがとうございました。




