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第3話 新入生歓迎会

王立学院の高等部に入学すると、まあ、この学院は基本的には家門を明かさないので、比較的自由。クラスは成績順。

剣術と家庭科は選択だったので、もちろん剣術を取った。


2年生になったとき、、、一年遅れて入ってきた妹は、

「嫁に行けなくなる。」

と、家庭科を取っていた。妹の言っていることは時々わからない。

生徒会室に、お菓子を焼いて持ってきてくれるようになった。美味しい。


2年生になって、生徒会長をやるように言われたので、なかなか忙しい。弟の勉強の時間を減らさないように、がんばって片づける。

弟は、無理しなくていいですよ、と言ってくれる。本当に優しいいい子に育った。



*****


「アイリーン?ああ、良かった、会えて。」


5月は新入生歓迎会のダンスパーティーが開かれる。


・・・・妹は、、、父上の色が強く出て、金髪碧眼。学院ではおとなしく過ごしているみたいだ。今日のダンスパーティーでは人気者みたいだな。薄いピンクのドレスが良く似合っている。あの子はかわいいからな。


人ごみをかき分けて、生徒会用の席にやってきたのは、クマ?クマだよね?

身長は2メートルくらい?こげ茶のクリクリの髪。筋骨隆々。


「2メートルは、ないよ?」

「・・・・・」


クマは、首をちょっとかしげて、


「アイリーン、、、、だよね?」


入学式にも出ましたが、いましたっけ?クマ?にこにこしている。


「僕ね、入学式には間に合わなくって、、、」


「・・・・・?」


誰?


「え、、、と、、、アリー?わかる?僕、、、ダリウスだよ?」


「・・・・・」


「アリー?」


ダリウス?、、、、って、、、、あの、小さくてかわいかった子しか知り合いがいませんが?泣き虫チビの、、、、、子熊ちゃん???


「アリーは、変わらないねえ。昔からきれいだ。大好きだよ。」


え?だって、この前、剣術のクラスわけにはいなかったよね?


「僕?家庭科を取ったんだ。イングリットから、アリーがお菓子が好きだと聞いたから。この前の焼き菓子も美味しいって言ってくれたんでしょ?僕、、、嬉しいなあ、、、」


あ、、、、食べたわ。イングにもらって、、、、え?

あの子、そんなこと一言も言ってなかったけど??


お隣いい?といって、隣の椅子に掛けて、にこにこ私の顔を見てくる。ダリウス?

目線を合わせるために、少し、、いや、かなりかがんでいる。

確かに、くりくりのこげ茶の髪とこげ茶の瞳は、見覚えがあるわ、、、、どんぐりみたいでかわいい瞳、、、、でも、、、、全体的には、クマ、よね?


「僕は、、、アイリーンが大好きなんだ。」


「・・・・・」


「また会えて、、、、嬉しい。」





*****


あの冬が近い山で小さいダリウスを抱きしめて眠ってから、、、、ようやく弟を抱っこすることが出来るようになった。小さくて、温かい、、、なんで、今まで出来なかったんだろう、、、


妹は、嫌がられるほどかわいがっていたのに、、、、


はっきりと家の色が出たブルーのきれいな瞳。サラサラの金髪。

「ねーね?」

と言って、小さい手を伸ばしてくる。


・・・・遠巻きに見ていた。どう接していいかよくわからなかった。


弟を抱きしめる私を、母上が、優しくなでてくれた。


まあ、、、、、それからというもの、弟を妹と二人掛かりでいじりまくったので、大きくなった弟からは、警戒されるようになってしまったが、、、、


ああ、、、、あの頃から、春になっても、ダリウスは来なくなったわ、、、、

あの子のいた場所には、笑う弟が、、、、



ダリウス、、、、私の子熊ちゃん、、、、??


じゃ、、、、ないよね?大熊になったね??




「剣術はがんばればなんとか、、、、でも、、、さすがに年上にはなれそうにない。」


は?


「だって、、、アイリーンの理想の旦那さんて、自分より強くて、年上の男なんでしょ?」


ん?


「イングに聞いたの。でも、学院にいる間は、君を好きなままでいさせてね?」


にこっ、とわらうクマ。小さい頃のように、どんぐりのような瞳だわね、、、















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