第13話 弟の家出。
カルロスが、、、、つきまとって、ウザイ。
行き帰りは仕方ない。警備の問題があるし。どうせ城から登校だし。
朝は教室まで送り、昼休みは迎えに来て、学食に一緒に行こうとする。
「まあ、折角ですが、私、お友達とご一緒しますので、、、、」
というと、、そのお友達が、ご一緒しましょうと誘う、、、、なるべく離れた席に座る。
剣術クラスをやめて、家庭科クラスに来やがったときは、心底呆れた。
「まあ、カルロス様、お上手ですわあ」
と、女の子たちに、包丁さばきを誉められていた。勘弁してくれ、、、、
「ねえ、イングリット様?」
は?あんた、、、学院でそれ言ったらシバキタオス。
「イングリット様の朝練に、僕も行っていいですか?」
は?近衛でいいだろ?飽きたのか?早いな。
母上が笑っている。朝ごはんも落ち着かない。弟が胡散臭そうに、奴を見る。
姉上は、自室でダリとご飯を食べているし、、、、たまに中庭を二人で散歩しているのを見かけるから、体調は順調に回復しているみたいだね、、、良かった、、、、
怪我の経過は微妙だが、、、、あの二人は、落ち着くとこに落ち着いたんだなあ、、、
「それと、、、、10月の舞踏会ですが、、、僕にエスコートさせていただけませんか?」
父上が、、、、食後の紅茶を吹き出す。ですよね?何のことだか分かりませんよね??
「お父様、、、」
お前が言うな!!お前の父じゃない!!
「イングリット様を僕に下さい!!本気です!!この人しかいません!!」
はああああ、、、、?
弟が、深くため息をついて、退席する。
デスヨネ?
「僕のことを、叱咤してくれる人なんて、イングリット様以外にいないんです!!」
・・・・・
いるよ?みんな、お前の本性を知らないか、、、遠慮してるか、どっちかだろ?
・・・・
父上が、チラ見する。あら、、、、声に出てた?
「娘が急に、二人共嫁に行くと思うと、陛下の心境はいかほどかと?」
母上が、楽しそうに笑って言う。
行きませんから!この男だけは無理です!!
「そんなこと、言わないで?ね?イングリット様、、、」
あら、、、本音が漏れてた?
それから、、、、朝練はこいつが来るようになった。
別にへたっぴではないが、、、きっと、取り巻き達に飴をもらってたんだろうなあ、、、自信はあるケド、センスはない。
・・・・基本に立ち返るために、毎朝素振りを100回ほどさせる。
教室で、放課後に宿題をやっていたら来た。
「勉強、教えてあげようか?」
・・・いえ、、、結構です、、、、
「成績、見たよ?いまいちだったんでしょ?」
え、と、、、、成績優秀だと、2年時に生徒会役員をやらねばならないのですよ。それに、、、、姉のようにかなり優秀な成績をたたき出してしまうと、、、、ほら、、よそ様に嫁に行きにくくなりますでしょ?おほほ、、、、
だから、私は全科目85点。ぴったし取るのは、100点取るより難しいかもよ?
中等部からやっているから、もう、スリルとサスペンス?きっちり勉強して、配点を考えないと、ピッタリにならないから。結構楽しい。
「・・・・・」
どうぞ、、、、お構いなく。
「ああ、みなさん、カルロス様が、お勉強を教えてくださるそうですよ?」
「まあ、、、カルロス様が?」
「きゃああああ、、、、ぜひ!」
「私も、お隣いいですかあ?」
「・・・・・」
うふふ、、、
「イングリット様、、、私とダンスの練習をして頂けませんか?」
「・・・・・」
こりんな、、、、お前、、、、
「貴女に、ドレスも贈りたい。」
いや、要らない。あるし。こげ茶のドレスなんか着ない。
あまりの付きまといに、、、近衛にくれぐれも言う。
「カルロス様が何と言っても、2階のフロアーには絶対に入れないようにね?」
寝込みを襲われたりしたら、たまらない。
「貴女の理想は周りのお友達に聞き出しました。
背が高くて、顔が良くて、自分より頭が良くて、剣術にも長け、貴女だけを愛する人、ですよね?そんなの、僕以外にいないでしょ!!!」
・・・・なんか、よくわからないけど、どっからくるんだその自信??
「それに、、、、ダリウス様は皆さま公認で、アイリーン様のお部屋にご滞在とお伺いいたしました、、、、、僕も!イングリット様のお部屋でいいです!!」
毎度毎度2階フロアーのドアの前で攻防をし、食事時に口説かれ、、、、
姉は姉で、何かがプツンと吹っ切れたらしく、所かまわず恥ずかしそうにするダリとイチャイチャする、、、、、
そして、、、、、
「うるさくて良く寝れないので、おばあさまの離宮に行きます。」
弟が、、、、、ついに家を出た。