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 風死す昼の暑さを、夜も保ったままに過ぎていく。

 平日の花火大会は珍しいだろうか。別に。そんなの関係ないよ。2人とも休みだった。たまたまだよね。それで花火もたまたま見に行けることになった、ただそれだけ。

 この2ヶ月あまり、会うたびに思った。こいつとは続かねえな。どうやって切りだそうか。誰かと付き合うのも初めてなのに、どうやって別れたらいいのかねえ。運転しながら考える。でもやっぱり聴いてる番組が気になってリクエストを送りたくなる。そうこうしてるうちに着いてしまい、顔を見るとどうやって別れたらいいのかを考えていたことを車に置いてきてしまったことに気づく。あたしは別れたいけど別れないを選んでいる、その時は微塵も思わなかったが、すべて選んでいるし、選ばされてる。

 お決まりのパターンは彼のアパートでまったりする、なんでもない、デートとも呼べない、時間を過ごすことだった。合流したらDVDを借りに行く。そして食料品を買ってアパートへ帰る。観ながらキスしてセックスする。デートじゃあないの。立派なさ。いいや、初めての彼氏、初めてのセックス、セックスなしでも会いたくなくちゃね。

 そりゃあ初めての感動はもちろんあった。たくさんあった。恥ずかしい音や痛み、勃起したとこにそうやって着けるんだってまじまじ眺めたりして。かわいいとか、好きだよとか、そういうのはないけど、1度だけ終わった後に腕枕してもらって聞いたひと言を、こんなにも後生大事にするとは思ってもみなかったよ。

「いとおしい」とは、ありゃ、なんだい。

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