創歴二十年 異世界最終戦争 時間の神と空間の神
創歴十九年
「ほいじゃ行くかっとぉ!!」
ウラヌスは先制を仕掛ける、ウラヌスの攻撃は一気にクロノスに間合いを詰め首に向かって刃を振り抜く。
「何処を攻撃してる?」
その直後、クロノスはウラヌスの背後にいた。そしてクロノスの剣をウラヌスの胸に突き立てる。
「場所替えだ」
しかしクロノスの攻撃も完全に空を切る、クロノスはあらぬ方向へ攻撃を放っていた。
「空間転移、上手くなったものね」
「お褒めの言葉どーも先輩」
「けど及第点よ」
「じゃ、今度は満点貰うとするかっとぉ!」
ウラヌスはより攻撃速度を上げた。瞬間移動を駆使し、クロノスを全方位から一気に切り掛かる。クロノスは何食わぬ感じで全ての攻撃を捌く。
「足元お留守だっとぉ!」
ウラヌスは剣を地面に突き立てるとクロノスの足元が爆発した。クロノスはそれをかわす、しかし避けた先で次々に爆発が起こる。その中でもウラヌスの剣は止まらない。
「ちっ、時よ・・・」
「させねぇよ!」
クロノスは時を止めようとしたが、その寸前でクロノスの剣を完全に封じてそれを止めた。
「お前の力の源はその剣、時計だろ?それが動かなきゃ時は操れない。違うか?」
「大したものね、けど私をそれで止めた気にならない事」
ウラヌスの動きが僅かに止まったこの瞬間、彼の周囲には氷で出来た槍が取り囲んでいた。
「っ!」
「時よ」
「はぁっ!?」
その次の瞬間にはまた更に別の光景に変わった。氷の槍は更に数を増し、更にあらゆる魔法がウラヌスに襲いかかった。
「ぐっ!」
ウラヌスは瞬間移動をしたが、攻撃は避けきれず何本かの氷の槍が腹部を貫通していた。
「まだよ」
クロノスは剣を振る。ウラヌスとの距離はかなりあったがクロノスの剣の刀身に付いている時計の針が飛び出し、刀身を一気に伸ばす。
「それ変形すんの!?」
ウラヌスは攻撃を防いだが、また少しダメージを受ける。
「どうする?降参するなら今のうちにしておいた方が身のためよ?」
「ふざけないでくれよクロちゃんよ、今って結構な大一番なんだ、俺も引き下がれなくってね」
「なら、私は攻撃を続けるわよ?」
「そんなに何度も食らってたまるか!っとぉ!!」
ウラヌスは攻撃を再開する。
「おらぁっ!」
「っ、少し痺れたわね・・・」
クロノスは攻撃を防ぐが、ウラヌスの攻撃は思いの外強力になってきていた。
「次は受け流す気か!?」
そのウラヌスの攻撃を対処する為にクロノスは攻撃を捌こうとしたが、ある事に気がついた。
「私の真似事かしら、つまらない技ね」
クロノスの周囲には魔法で作り上げた空中機雷のような物が彼女を取り囲んでいる、攻撃を避ければドカンだ。
「俺は空間の神だからな、空間を使ってなんぼなんだよ!っとぉ!」
「不合格、やはりあなたはウラヌスの力を一分たりとも使えてないわね、素体が悪いのかしら?」
「あんたも大概減らず口だなクロちゃんよ!俺を見下すのも良いが、これを対処してからやれっての!!」
突然空が赤く染まり、そして熱風が吹き荒れる。
「え、ちょ!!あれって隕石!?」
ウーネアは空を見上げて口をポカンと開けた。
「別空間から隕石を呼び寄せたんだよ!」
「血迷った?あなたの役目にここの人を殺す必要は無い筈よ?」
「ルシフェルからは最悪殺しても構わないって言われてるからな。ここで殺しても生き返らせりゃいいんだっとぉ」
隕石はどんどん地表へと迫ってくる。
「ぐぬぬ、あんなのどうすれば良いのよ!!」
「ウーネア、そこ邪魔だから少し下がっててくれるかしら?」
「へ?」
しかし、クロノスは特段表情を変える事は無かった。
「いやクロノス、いくらあんたが時の神様だって言ってもこれはどうしようもないんじゃ?」
「馬鹿ね、私のこの身体は素体を基にクロノスの魂を宿してる訳じゃ無いわ。私はクロノスそのものよ」
「え、それって・・・」
「私はあの男と比べる対象にすらならないのよ。まぁ、別空間から隕石を呼び出す点においては、欠点逃れくらいの単数をあげても良いわ。その点数に免じてほんの少しだけ、本気になってあげるわ」
「何をごちゃごちゃやってんだっとぉ!時を止めても無駄だぜ!こいつは止められない!カウントダウンしてやろうか!?激突まであと三秒!!二!一!」
「時よ止まれ」
「え、あれ?今私何してたんだっけ」
ウーネアがポカンとしたまま、何が起きたのか分からず周囲を見渡す。
「終わりよ」
そこには地面に倒れているウラヌスとスタスタと歩いてくるクロノスの姿があった。
「・・・な、何が起きた。俺は確かに・・・」
「ウラヌス、時の神を舐めすぎよ。この私に変えられない時間は無いわ」
「まさか、時を巻き戻した?」
「さぁ、どの道結果はあなたは倒れ、ルシフェルの計画は失敗に終わったって事実だけよ?」
クロノスがそう告げるとウラヌスは完全に倒れ、クロノスは武器を懐中時計に変え胸元にしまった。
「凄い・・・と言うか、何が起きたのか全然分かんないんだけど。何したの?なんか、記憶があやふや」
「時間を戻してあいつをぶちのめしただけよ、あなたが記憶があやふやになってるのはその戻すまでの時間は存在しない事になったから。思い出す必要なんかないわ、意味のない未来だったから。それより、あなたは永零の目的に賛同していたわね。どうする?私と戦う?」
「え、ちょっと・・・」
「冗談よ、あなたの考えが間違ってるとは思わないわ。人間の未来を守る、その最も正しい答えは人間の進化。けど、自然的な進化で人間がこの先生き残る事は出来ない。ならどうするべきか。答えは簡単、人間のみが進化の過程で得た異常に発達した頭脳を使って今、その進化を得れば良いだけ。それが人類の選ぶべき選択。
あの世界を名乗った馬鹿たちはそれを阻止しようとした愚か者ね」
クロノスは取り残されている先程までニヒルたちと戦っていた男たちを見た。
「あ・・・あいつ等あそこにいたんだ・・・」
「そう見たいね、けど彼らにもそれなりに点数を上げなくちゃいけないわ。お粗末な死者蘇生ではあったけど、一応は成功してるものね。彼らのお陰で人類進化の道筋は示されたとも言える。永零は彼らの意志をも汲んだ未来を創造しようとしてるわ、彼らの似せた命と違って本当の命を永遠にする事が彼なら出来る」
「クロノスあなたまさか、お姉さまを止めてくれるの?」
「ウーネア、今の発言は減点です。私はニヒルの未来を見たいだけ。ニヒルの目指す未来は自然的な進化、本来人類が辿れない未来を作り出そうとしている、私はそれが見たい。
さてウーネア、さっきあなたに質問したわね。答えはどうする?あなたの姉の意志を尊重するのか、それとも自分の意志を尊重するのか。その答えは人それぞれ、ニヒルは自分の意志を尊重したけど、あなたはどうかしら?」
「私は・・・確かに永零が正しいと思う。けどそれって、私はお姉さまを信じてないって言ってるようなもの。自分の意志に正直になるべきか、自分の心に正直になるべきか・・・凄い悩むわね。私って、昔から優柔不断だ」
「答えを出すにはまだ悩む時間が必要だったみたいね、ウラヌスを早く倒しすぎたかしら」
「いや、答えは決まった。私は昔、心のままに動いていた。なんのしがらみも感じず。ただお姉さまに会いたい一心で・・・でもお姉さまと出会ってから、私の守りたいものが増えて、優先順位を決められなくなっていた・・・今こそ初心に戻る。私はお姉さまを信じる事にする」
「ならついてきなさい、そしてそこで時を待ちなさい。未来はあなたに委ねるわ」




