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創歴十九年 異世界最終戦争編 世界の神

 創歴十九年 ??? 指宿 永零 


 「さて、君たちは僕が引き受けようかな。改めて指宿 永零、よろしくね。君たちとはどちらかと言うのなら良好な関係を築きたいと思ってる事を先に言っておくよ」


 僕は彼らにとりあえず自己紹介した。僕に向けられているのは明らかな敵意、これはまず話し合いどころの騒ぎじゃないな。


 全くどこでこうなってしまったんだか、僕がかつてディエゴの作ったアウロに目を付け、ガイアからの資金提供や技術の伝授とかディエゴとは別ルートで開拓してたんだけど、こんなタイミングで裏切りとも呼べる形で彼らが行動するなんてね。世界の悪いところだ・・・


 「貴様に話す事は無い。特に貴様だ指宿 永零。貴様はかつてこの世界の技術を使い世界の完全不老不死化を図ろうとした」


 「そうだね。それで?その勝手に行動を起こす僕の思想は脅威って言いたいのかな?言い訳がましいけど、僕は今そんな事は考えてないよ?その中間の答えを模索してるところだね」


 「その言い草が危険なのだ、自らの力を信じ行動する。通常ならばその程度の意志は我々が伏せさせる事が可能だ。しかし今の貴様を制御する事は困難だ」


 「ふむ、つまりは僕が何考えてるのが分からないから今潰す為に行動したと。うん、大きく間違ってるね。君たちは世界と自らを呼んだ。世界ならばどうして僕や君たちが存在しなければならないのか理由を知ってる筈だ。


 でも、知らないでしょ?僕も分からないもの、その答えが神が探してる答えらしいね。神に分からなかった事が僕に分かる訳ない。だから僕はまだそんな大層なものは探さない、探すのはまず世界の平和の道だよ。え?平和を最も遠ざけてるのは僕のせいだった言いたげだね。否定はしないよ、実際僕の存在は今あるやっと手にした仮初の平和を根底から覆しかねない。それくらいの存在だってことは自負してる。


 戦争なんて、ほんのちょっとのズレが生じるだけで簡単に起こりうる。立場、思想、言葉、そんなのがちょっとズレるだけで多くの命が消えて無くなる。それが嫌だから君たちは集合体組織になり、それで世界の運営をするようにした。違うかい?けどそこに異世界の技術がもたらされれば死者はいなくなっても戦争は終わらない。それどころか悪化する、僕と言う一つの思想が力を持ったばかりにね。


 だから君たちは勝手に決めた。僕の力だけを手にして管理しようとね、ろくに話をする事もなく、勝手に僕もそしてニヒルさんやあのルシフェルも騙して、この不安定な世界をそのままにしようとした。その結果、これだよ」


 「つまりは話し合いの機会を設けてくれさえいれば、この状況にはならなかったと言いたいのか?では聞くが、話しあった末に折衷案が出る可能性はあるか?両者共に理解が出来る答えがあると思うのか?世界は矛盾するもの、誰かの答えは結局間違いにしかならないのだ」


 「本当に、世界は何も知ろうとはしなくなってしまったんだね。言葉を軽んずれば自らを滅ぼすよ?可能性ってゼロとは限らないじゃないか。僕は到達するよ?可能性がゼロじゃないのなら行動する。森羅さんがよく言っていたね、成長のある世界をって。今ある世界に君たちは満足してるのかい?僕は不満だよ。けど君たちは動かなかった、ましてや止めようとした。その点で言うならばルシフェルのやろうとしていた事は正しいね。ここで止まって言葉も聞かなかったら君たちは消えていたでしょうから」


 「消えていた?ルシフェルの事を言ってるのか?残念ながら、我々の見解では今の奴に人類を滅ぼし切る力はない」


 「それが聞いてないんだよ。ねぇルシフェルさん、さっきちらっと言ってたよね?後一回って、それってもしかして、後一回何かやれば世界が滅びるって事なんじゃないかな?そして今も、君はそれをやめた訳じゃない」


 僕はルシフェルに尋ねた。


 「ん、お前ほんとやな奴だなー、なんでそこまで読まれてんの?だから神は嫌いなんだよな、知ったかぶってよー」


 「ほらね?僕たちが行動してなければ既に君たちは消えていた。そして今もそのピンチは変わらないという事が分かったかい?だから僕たちは話し合わなきゃいけないんだよ、君ともルシフェルともみんなとね」


 「永零、珍しく良い事言うな。ニヒルちゃんも言ってんだ。最後の対話くらいはやっても良いぜ俺は。けど、そこの頭硬い連中はさぞ俺たちが目障りみたいだぜ?」


 「そうみたいだね、ルシフェルさん。とりあえず共闘と行きますか。君が世界を滅ぼすにせよそうしないにせよ、僕たちはまだ話し合わなきゃいけない。話しあうにはそれぞれが同じ立場に立たなくちゃ・・・」


 「この俺も同じ立場になれってか・・・そうだな、そもそも神は人間に世界を託した、俺じゃねー。良いぜ、お前と共闘してやる」


 「ルシフェル・・・一時の感情に支配され、たった一人の女の為に我々に楯突くか、堕天使と呼ばれるのも納得だな」


 「そもそも俺は大の女の子好きだ、ニヒルちゃんはその中で更に特別ってだけだぜ、堕天使で結構だ。てか、人間なら特別な存在が一人くらいいんだろ?そいつは世界よりも大切だ、人間はそう思う生き物だと思ってたんだが違うか?」


 「大切な者か、それを捨て去る覚悟のない者に世界は運営出来ん。見るがいい、捨て去った犠牲の上に手に入れたこの力を!!」


 僕たちの周りを兵士のような奴らが一瞬で囲んだ。


 「わ、すんごい数」


 思いの外多い・・・何処からこの数のビーストを集めたんだろう。それよりもこの統制の取れたこのビーストたちの動きだ。


 人の形をしているとは言えこれはビースト、僕の研究ではまだビーストを完全にコントロールする事は出来ていない。クラークとボローニャ、後はパヴァロフくらいしか成功した例は無い。とは言ってもそのどれも完全なコントロールとはいかない。


 だから仮説だ、このビーストはチルドレンであり、これを統率する別のマザービーストが何処かにいる。そしてそれをセカンダビリティでコントロールしているのがこの人たちの誰かだ。


 「行けぇ!!」


 まずは霞構えを取り攻撃を受ける、僕の攻撃は返し技が基本だからね、自らが攻撃に転ずるのは追い込まれた場合だけだ。敵の第一撃、三方向同時か。二撃かわし、三撃目を弾く!そして一気に切り刻む!


 次、遠距離による銃撃のような技が飛んでくる。僕の目ならこの速度は見れるタイミング良く弾け、そして弾いた銃弾を反射させるように当てれば良い。


 さらに次、これは強力な一撃になりそうだな・・・受け流してもその隙を突く気か。なら、攻めに転じるだけだ。第八の魔法・・・これを刀に纏い攻撃を全て消し飛ばす!


 敵は武器を失い、僕は刀を素早く切り捌いた。敵はバラバラのサイコロになって山になる。ビーストとは言えなんか心が痛いな。


 ルシフェルもニヒルさんもどうやらこの数相手でも余裕だね、でも流石は彼には届かないみたいだ。ルシフェルを味方にしても余裕を見せるだけはあるね。切っても切っても湧いてくる。消耗戦を狙っているのかな?


 そもそも彼もそれなりの力を持ってる、そしてルシフェル同様ほぼ不死身だ、心臓と脳を破壊しても駄目だろう。どうすれば勝てるか・・・


 「ニヒルさん!ルシフェル!」


 「・・・分かったです」

 「あいよ」


 僕はアイコンタクトで二人に指示を送った、これで一気にかたをつける。


 やる事は至って単純な事、連携だ。この三人で連携攻撃すれば、彼らを追い詰める事なんか容易。


 ディエゴさんが相手にしてるのは一人、確かチャールズって名前だ。そして僕らが相手にしてるのは五人、さっきから僕が話してるのは、その中でもリーダー格のような感じの男だ、他の人たちは僕たちと会話をしようともしない。まるで話す事が無意味だと言ってるみたいだ。いいよ、その余裕をへし折る。君たちの奥の手はもう分かってる、そしてそれは確かに僕に僕たちにとって脅威に、そして弱点になるのは間違いない。


 だからそれをやろうとする意志からへし折るんだ。


 「ふん、貴様らの力は完全に把握している。いくら人智を超える強さを持つ貴様らとは言え我々には遠く及ばない」


 「及ばない、超えられない。私が戦う奴はみんな同じこと言うですね。おいお前、言っておくが私はそう言っていた奴に今まで勝利してきたからここにいるですよ?」


 「それは所詮神程度の力しか持たぬ者の戯言だニヒル アダムス。世界と言う力を持った者の発する言葉は、絶対なのだ!」


 っ、これは・・・流石に僕の予想を超える攻撃を仕掛けてきた、ビーストが次々に爆発を始めた。このビースト、全員に核が埋め込まれている。


 「くっ!!!」


 流石の僕も全力を出さざるを得なかった。ありとあらゆる結末を歪めてしまった。爆発はなんとか防げたけど、体力をここまで削られるなんて。


 「よく止めてくれた、礼を言おう指宿 永零、おかげでこの貴重な世界は守られた。それで、貴様のやろうとしていた連携攻撃とやらはどうした?」


 男は僕を煽る、正直こんな大博打みたいな真似をこの人たちがするのは予想外だ。そもそも僕はこの予測が出来なかった、僕の予測は安全かつ合理的な方法を使うと思っていたからだ・・・僕が止めると分かっていたからなのか?いや、分かってる。未来を何がどう言う結末になるのか分かってるんだ。森羅さんの力のそれじゃない、これは到達点をも見る事が出来る力、彼らはそれを持ってる。


 では誰が・・・まさか、彼らに味方している神と言うのは。


 「そうだ、お前だよ。指宿 永零、いや厳密には違うな、お前とニヒル アダムスの転生者。名は我々の口では発音することすら出来ない存在。最も近い呼び名はヤハウェ、我々は既に君の大元と接触を終えたのだ」


 そう言う事か、だから僕たちは勝てないと・・・確かに、これではルシフェルがこちら側についてくれても勝てない理由になる。僕が神と接触したのは僕が死の淵に立った時だけだ。死の淵・・・命の通り道・・・そこへ至る道を彼らは見つけたんだ。そして神はそこにいた、生と死の狭間に。


 成る程ね、僕たちはどうやら僕の神とやりあわなきゃいかないみたいだ。君がどう言うつもりで僕に敵対するのかは分からないけど勝つよ、ヤハウェ!!

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