1955年 3月 日本国 創暦前 ???年
もそもそ・・・お、来たと言う事は、覚悟、出来たみたいだね。今日は京都に行ってたから、生八つ橋買ってきたんだ、これたべようぜ?このほのかに香るニッキがいい感じで美味しいのよねぇ。もそもそ・・・
さてと、今日は京都繋がりで、1955年の京都での出来事から教えよう。伏見稲荷大社の近く、あそこのどこかに彼は居るんだよ。そして見守っている、目には見えないどこかでね、え、それは誰かって?
決まってるじゃない、お狐様だよ。
・
・
・
1955年 3月 京都 伏見のどこか
「・・・奴が戻って来る」
俺は呟いた。
「え?あなた、何か言ったぁ?」
俺は真面目に言ったのだが、俺の妻はのんびりとくつろいでこの間買ってきたテレビジョンと言うのを見ている。
「玉藻、ぐ~たらしすぎだ。お前も感じるだろ?長年、何万年と存在がいなかった奴の存在が、ここに戻ってこようとしているのを・・・」
「え~、うちわっかんないわぁ・・・そうねぇ。何となく?でも、今更彼が戻って来てももう関係ないあらへんやろ?うちらはもう神様やあらへんもん。とは言っても、うちの務めはやらなくっちゃいけへんのやけど」
「お前、またどこかで男を引っかけてきたのか。子供がいるんだぞ、もう少し慎め」
玉藻は化け狐だ。気に入った男に取り入っては死ぬまで付きまとう。そして俺は鞍馬、元はお狐様と呼ばれた神獣だ。しかし今はそこに何か意味はない。力はあれども、今の人間にしてやれることなぞない。それに第一、あの自分勝手の野郎どもに雨乞いとかしてやる義理はない。
そう、俺は元神だ。しかし、彼の死後、神の力は消えた。そして人間は神にも匹敵する力を持ち始めた。やれやれ、先が思いやられる・・・
そして俺は人間社会に溶け込む事にした、今となっては神も人間も変わらない。普通に給料をもらい、それで生活している。
そんな中、俺と玉藻は成り行きというかで知り合った同じ者同士で、そんで成り行きで結婚し、成り行きのような感じで子供が二人生まれた。けど、息子の稲荷はすぐに出て行った。理由は俺たちのような仲間を探したい、だそうだ。止める理由はなかった。他にも俺たちのような存在は世界中にいるからな。そこで出会って何か学ぶのもまぁいいだろう。
ただ・・・
「慎まへんよ。ねぇ、飯綱」
「キャーン」
玉藻が抱えていた子狐が鳴いた。こいつは飯綱、まだ幼く人間に化ける事も出来ない。食い意地っ張りな性格だ。何か食べてないとすぐに泣くんだ。
「ほら、飯綱もいいよ~って言ってんねん。この子はあたしの子やよ?いずれうちのようなべっぴんになって良い男に取り付いて、色々してあげんの、この子ならそれが出来るって、将来きっとうち以上にべっぴんになれるわねぇきっと」
「べっぴん・・・ね・・・」
飯綱はどちらかと言うと俺の血を濃く引き継いでいる気がするんだが・・・どちらかと言うとでb・・・いや、娘にそれは流石に失礼だ。とは言っても、農作物を司る神の力の方が強そうだ。
俺はどちらかと言うと放任主義だ、ある程度は教える。親として基礎的な道徳は教えたつもりだ。けど、その後は娘が決める事。どうやって生きるのかは、飯綱が決めなければいけない。
「なんや文句あるん?」
「いや別に、まぁ飯綱が可愛いのは認めるってだけだ。しかしだ、お前のぐ~たらは見過ごさん、ゴミはしっかりと片付けろ。お前は一応、玉藻の前だろうが。ぐーたらな玉藻の前なんか聞いた事ないぞ」
「だいじょーぶや、ちゃんと男に片づけさせるさかい」
「そろそろ拳骨が飛んでいくよ?」
「ごめんやん」
玉藻はそそくさと片付け始めた、その時だった。
『バタン!!』
「稲荷?」
「父ちゃん、母ちゃんはどこだっぺさ?」
安定に変な訛りだ、今度はどこの方言だ?それより、何でいきなり帰って来た?
「玉藻ならそこで片づけを・・・」
「母ちゃん!」
稲荷はそれを聞くとすぐに玉藻の方に向かった。
「あらぁ、どないしたん?帰るなら電話くらい・・・」
「奴が戻って来たんだべさ!んで!奴も人間だ!!指宿 永零って名前でな!!」
「成程、そう言う事だったのか・・・つまり、彼を認識した人間が現れたと言う事なのか?」
「そうだっぺ父ちゃん!!そんでもってこっからがやべぇんだ!!奴は、世界の浄化を目論んでいるんだべ!!」
「浄化?」
「んだ!これまでの神を廃止して、新たな神を創る気なんだっぺよ!!そうなったら俺たちは終わりだ!!」
稲荷はパニックになっている。これまでの神を廃止し、新たな神を創る・・・何故そんな事をしようとしているんだ彼は・・・
「落ち着け稲荷、まずは落ち着くんだ。彼はその力を持って新たに神を創り出す・・・それでどうする気なんだ?」
「奴は、あらゆることをゼロにして始めると言っていたっぺ。つまり、これまでの神の力を持つ者を全て葬り去る気なんだべ。俺たちは殺されちまうんだ!だからその前に!!」
「あら?」
稲荷は突然玉藻を押し倒した。
「俺たちが死なない方法はただ一つ・・・それは自らを穢す事。穢れた神はもう神に非ず、堕ちた存在だ。母ちゃん、お願いがあんだ。俺の子を孕んでくれねぇか?」
「え、ぇえ・・・息子の願いでも、流石にそれはちょっと無理やわ。ねぇ稲荷考え直なさへん?まだ実感がないわ、いきなり彼を認識した人間がいきなりあたしたちを殺すなんて少し考えにくいよ?」
玉藻は安定におっとりとした声で語り掛けるが、少し驚き焦っている。かなりショックだったみたいだ。
「そうだ、馬鹿な真似は止せ・・・もし、それ以上玉藻に手を出すのなら俺はお前を・・・」
「馬鹿な真似、そうだよ・・・とんだ馬鹿な事だ。なぁ父ちゃん。俺、世界中を旅して知ったんだ。力を失った俺たち神々が、どうすれば力を取り戻せるのか。どうすれば・・・あの真の神を出し抜けるのか。ある堕天使とか言う奴が言っていた。奴は愛してはいけない者を愛した、奴は堕ちはしたが力は失っていないんだ。そしてその間の子には親の意志が宿る」
何を言っているんだ稲荷は・・・堕天使、そいつの話を鵜吞みにしているのか?
「おい、目を覚ませ稲荷。お前は」
「とっくに目は覚めているよ、目覚めていないのは父ちゃん、あんたさ。俺は転生者を見た、あいつはやると言ったらやる目だ。奴は何かを見てきて、そして何かを成し遂げる為にはどんな犠牲も厭わない覚悟をしている目をしていた・・・指宿 永零は、そんな男だ。だから俺もやる、生き残る為には・・・母ちゃんたちを救うには、穢すしかない!!」
稲荷は玉藻の服を掴み破いた。俺はその時、ほぼ無意識に息子を攻撃してしまった。
「ぐっ・・・がっ・・・」
「あなた・・・」
流石に玉藻も声を出す事が出来なくなってしまっている。動かずにはいられなかった、俺は間違っていたのか。稲荷に旅をさせるのは間違いだったのか・・・俺が最初から止めていれば、こんな血迷った事をさせなかったのに・・・
「いや、君は何も間違っていないよ・・・」
別の声が聞こえた。何だ今の声は・・・まるで・・・彼のような。まさか・・・
「鞍馬、君は何も間違えてはいない。しかし、元神と言っても本当に力はないんだね。判断に自信を持てない、まるで人間だ。少し変わった力を持った程度の人間だ。でも安心して、これからは何も間違える事は無いよ」
そこには白髪の少年がいた。これは・・・本当にただの転生者なのか?いくら彼を認識してたとしても、こいつのそれは最早奴以上の意志の強さがある・・・
「どうやってここへ来た・・・」
「簡単だよ、彼に案内してもらったんだ。稲荷君にね・・・」
「なに?」
気が付くと稲荷は普通に立っていた、何が起こった?玉藻の服も破れていない、まるでさっきの出来事が無かったかのようだ。
「分かっただろ?こいつの力はかつての奴のそれとはレベルが違う。これはこの人間の意志の強さが奴をも上回ってる」
「稲荷・・・お前まさか、最初から奴と・・・」
稲荷はこれ以上何も言わなかった。
「そうだね、稲荷君は僕の味方だ。そうだ僕の事を少し話してあげよう、僕は彼を意識できているけど彼に支配されている訳じゃない。それと稲荷君、僕は君たちの平和も願っているんだ。僕は決して君たち家族を殺したりはしないよ。でも、ただ少し借りなきゃいけない。僕もまだまだ力をコントロール出来ていない、より世界を認識し、理解するにはまだ足りないんだ。だから借りに来た・・・その子を」
永零が指さしたのは玉藻・・・いや、飯綱だ。
「貴様・・・させんぞ!!」
「いや、もう取り上げたよ・・・」
「な、何なんだ・・・今のはまた・・・ん、誰だ!?」
前を見ると更に別の男がいた。あれはソビエト?そしてその男の腕の中に飯綱がいる。
「ありがとうパヴァロフ」
「・・・」
パヴァロフとかいう男は永零に飯綱を渡した。
「貴様!飯綱に一体何を!?」
「ちょっとした実験を手伝ってもらうだけだよ。玉藻さん、鞍馬さん。この子は神と神の子と言う今の世界では珍しい存在なんだ。僕の考えが正しいのなら、この子は別の世界で一か月後でも発症しない」
「お前、何を言っている・・・」
「それはこっちの話です。でも、これだけは約束します・・・飯綱ちゃんは、僕が必ず元気なままあなたの元に返すと約束します」
永零は本当に申し訳なさそうな表情で俺を見た。許してくれと言わんばかりの顔だ・・・だが、そんな程度で我が子をくれてやる親はいない。返してもらうぞ・・・今すぐに!!
「玉藻!!」
「返しなさいよ・・・人間っ!!」
隙を見計らって玉藻が飯綱を奪い返した。が・・・
「君は誰も奪い返してないよ・・・玉藻さん」
「な、なんやこれ・・」
まただ、また確実に奪い返したハズなのに・・・結果がすり替わった。
「さぁ、行こうパヴァロフ。準備は出来ているね」
「はい、座標を固定しました」
マズイ、こいつら何かをする気だ・・・
俺はまたすぐに行動した、しかし・・・
『ズガァァァァァァアアアアンッ!!』
「な、なんだ!?」
衝撃波が突然襲って俺は顔を腕で覆った、そして払いのけるともうそこには誰もいなかった、いるのは俺と、玉藻だけ・・・
「奪われた・・・奴に・・・」
玉藻がへなっと地面に座りこんだ。
くそ・・・奪われた。俺にはどうする事も出来ないのか・・・いや、探さなくては・・・手掛かりはあるはずだ、死んでなくとも、必ず返すと約束したとしても・・・たとえどんな理由があろうとも・・・俺は、俺たちは探し出す。
・
・
・
創暦前 ???年 指宿 永零
この世界の事は大体理解出来た。念のためにと思って元の世界に戻る為の装置を作るのを最優先にしておいて良かったよ。
核融合式異世界間転移装置。通称は『アナザーワールド』。前僕がこの世界に方法では、原爆と大量の死者のエネルギーが必要になり移動するには街を一つ犠牲にする。それをどうにかして限定的かつ効果的に、効率良くを考えた結果行き付いた。
これはあの原子爆弾とは違う、核分裂ではなく核融合と言う技術を応用した技術で、プルトニウムやウランと言った物を使わない、重水素と呼ばれるものを使う。
その重水素を作るのに苦労した、十年でそれを作りだせる施設を作り、そして更に十年でその核融合反応を抑え込む装置を作った。つまり、爆発したエネルギーを一点に集中させる技術だ。
これを使えば何万人分もの死者のエネルギーも、これで賄える。それ程の威力がある。
僕がこの世界に来て、丁度二十年が経つ日。僕はもう一度、僕らの世界に戻った。
1947年
そして僕は気が付いた。あれから二十年経ったのにこの世界では二年しか経っていない・・・
「お、おいあんた?血だらけだぞ?」
誰かが声をかけた、この転移装置の副作用と呼べる弱点がある。それはこの装置は超局地的に核爆発を起こしているようなもので、一瞬で身体の全てが吹き飛ぶ。しかし、強い精神さえあればその精神にこの世界は反応し新たに体を作りだす。世界に辿り着いた時はまだ回復中でどうしても血だらけになってしまうんだ。
それが異世界間を移動する条件、生半可な存在は世界を移動する際に死ぬだろう。いつかはその衝撃を吸収するポッドでも作れればいいんだけどね。今はこれでいい、これで十分だ。実験は成功、これで自由に行き来できる。向こうの人とたちも連れてきたいところだが、その実験はまた今度だ。
「成功だ、次は元の場所に戻して」
『あ、やっと繋がった!!何言ってるのかは分からないけど合図は来た!座標を固定しろ!』
「異世界との通信、成功だ・・・僕の言葉が分からないのはきっと時間のズレのせいだな。頼んだよみんな」
「なぁあんた・・・さっきから何を一人で・・・」
『ズガァァァァァァアアアアン!!』
誰かがまた声をかけた後、僕は元の世界に戻った。
創暦 ???年
「おい!エイレイが怪我してる!!すぐに手当てを!!」
「いやいい。すぐに治るよ・・・それよりも結果は?」
「成功ですが、エイレイ。あなたから通信が来るまで二十四時間近くかかってます。何かあったんですか?」
「まぁね、ここと向こうじゃ時間の流れが違う。その影響だと思うよ」
「時間の・・・流れ、まだ我々には理解できませんけど、とりあえずは大丈夫って事ですね」
「うん、これで大丈夫・・・まぁまだやってみたいことは山ほどあるけどまずはこれでいい。そうだ、もう一つの実験は?」
そっちの方が重要だ。僕がこの世界に来る前に僕の血液をこの世界に残した。僕がこの世界から離れたらその血はどうなるのか。
ずっと気がかりだったんだ、この世界は僕に力を与えた。果たしてそれだけか?その対価はあるはずだ。これはどんな世界だろうと変わらないはずだ。何かを得るなら対価を払う、酸素を吸って二酸化炭素を吐いたりするように、モーターが回転すればそこに熱が生じたりするように、何かを起こせば代わりに何かが発生するはずだ。それは何なのか・・・
「それがですよ、突然燃え出したんです。あなたが向こうに行ってから十数分後だったと思います。突然血液が燃えて、その血液から変な生き物みたいのが出てきたんです。一時は大慌てででしたけどしばらくしたら消えてなくなってしまいました」
「そうか。やっぱり仮説は正しかったみたいだね、でも十数分後・・・そうか。分かったぞ。このブランクがあるのは、仮説は大体は合ってるけど少し違う」
「え、違うと言うと?」
「僕の血液が反応したのは二十年経った瞬間だったからだ。僕がこの世界に来て二十年経ったからその対価を支払った。どうやら結構ギリギリだったみたいだね。そして今僕が何ともないのはまたリセットされているからだ。つまり、二十年。この世界に留まり続けると僕はあぁなって死ぬ・・・いや、何かの生物みたいになったって言ったね。もしかしたらその謎の生物になると言う事だ。炎をまき散らす化け物に・・・」
思いの外代償は大きかった。けど、対策は出来る。熱が発せられたなら冷却装置を付ければいいようにね。今のところは二十年以内に向こうに行けば問題はないと言う事、それが分かっただけ良いとしよう。でも、何となくだけど分かる。この力を無限に使役する方法がある・・・この先がある。
僕はこの技術を確立してから更に研究を進めた。そして、二度目の転移の際に僕はこの世界に連れてこられる人材を探す事にした。そして見つけた、ソビエトの元科学者、アレッサンドル プチェラヴィッチ パヴァロフと、ドイツの科学者兼技術者、クラーク プファンクーヘンの二人だ。
そして僕の研究は進み続け、僕がこの世界に来て百年が経とうとしていた。
「永零さん、少しお話が」
クラークが僕に少し神妙な顔で話しかけてきた。あの顔は、何か実験をしたがってるのか?
「どうかしたの?」
「いえ、噂でしか聞いた事がない上に不確かな情報なのですが、あなたの国、日本にとあるキツネがいると聞きまして。そのキツネは人間に化ける事が出来るらしいんですよ・・・流石に信憑性が薄いですかね?」
突然なんだ?クラークの奴、化け狐の話なんておとぎ話だろうに・・・そんな話は全世界に存在している、なのに何で日本限定なんだろ・・・
「君が何も考えずにそんな話をするとは思えない、何か根拠に成り得ることでもあったのい?それと、その話が一体この僕たちの実験に何の関係があるのかも話してくれる?」
「はい、そうですね・・・この話は向こうでも調べていくうちに出会ったとあるイタリア人から聞いた話なんです。そいつはこの世界にはまだ未知の存在がいると言い、日本にそんなキツネの種族がいると。そのキツネは人間に化けるほか、炎を自在に操ると言っていたんです」
「そう言う事か・・・じゃあそのイタリア人は一体何者だったんだ?」
「そいつもまた未知の存在だと言い、自身に稲妻を纏うと消えてしまったんです。炎に稲妻を自在に操る、わたしは奴らがこの世界と何か関係があるのではと考えました。そのイタリア人はそれ以降消息不明ですが、そのキツネならば、捜索は可能かと考えています」
成程ね・・・謎のイタリア人に、炎を操る化け狐か。神話に手を出している気分だな。
「分かったよ。信憑性は確かに薄いかもしれない、君の夢だったかも知れない。けど、調べる価値はあると思う。クラーク、その件僕に預からせてくれないかな。日本に詳しいのは僕だ、この事は僕が直接調べるよ。じゃあ僕は一旦向こうに戻る、クラークにはここを任せる。あ、それと手伝いにパヴァロフを連れて行くけどいいかな?」
「あ、分かりました。ここはお任せ下さい」
僕はパヴァロフを連れて元の世界に戻った。
何となくだが、これは僕が調べなければいけない気がする。ヒントはこっちの世界にある。僕の目指す世界の為にはほんの小さな事も調べなくてはならない。
そのイタリア人も、狐も・・・
「そうだ、ついでに聞いておく。そのイタリア人の名前は?」
「レイノルドです。レイノルド ビル ルーカス」
僕がクラークから聞いたこの名前、この名前が後に僕の人生に大きく影響するなんて、この時はまだ思いもしなかった。僕以外に、別の自覚者がいるなんて。
・
・
・
創暦 ???年
ふぅ、今回はこの辺かな。いきなりお狐様とか言われて驚いた?だから言ったでしょ?あたしが話すのは裏の歴史。神様って言うのは作り話じゃないんだよ。
世界中で書かれたあらゆる神話は大体全部、実際に起きた出来事を描いた事なんだ。まぁ一部人間が勝手に作ったのも最近じゃ混じっちゃってるけどねぇ。それでも大体は存在したんだよ。神様って言う存在がね。
んっとじゃあね、次のお話は現実的なお話をしよっか。こっちならまだ分かりやすいんじゃないかな。ニヒルちんたちが大人になった1955年を教えてあげるよ。